10月半ばになると学期最初のホグズミード行きが許され、全員はそれを喜んでいた。
ダンブルドアはこのところ滅多に姿を見かける事がなくなっており、レンは心配していたが、そんな中ジニーがハリーに向かって羊皮紙を丸めた物をハリーに持って来てくれていた。
ダンブルドアからの手紙で、今度の月曜日に個人授業をやるという久し振りの連絡のようだ。
「月曜日!」
ハリーはこの事が何よりも嬉しかったのだろう。
その表情がそういっており、瞳を輝かせたその瞬間だった。
「そうだ、ジニー。一緒にホグズミードに行かないか?」
そう誘ったハリーに、レンは胸がちくりと痛んだのが判った。
「ディーンと行くの。向こうで会えるかもね。」
そう言い去って行くジニー。
「…私、課題の事でスネイプ先生に聞きたい事があるから、皆は先に行っていて。」
レンは思い出した様にそう言うと、ハリーはハッとしたような表情をしたが、それを見る事なくレンはその場を立ち去った。
宣言通り、スネイプの事務所の所まで来たが、別に聞く事などなく、とっさに出た言葉が「スネイプ先生に」という言葉で、レンはどうしたものかと苦笑してしまえば、不意にスネイプの事務所の扉が開き、レンは固まってしまった。
「先程から行ったり来たりとどうかしたのかね?」
怪しむ様な目でレンを見つめるスネイプに、レンは思わず苦笑してしまう。
「特に用はないんですが…その…言い訳にスネイプ先生の所へ行くと、言ってしまって…」
「入りたまえ。」
そう言いスネイプは横にずれては中に入る様に促すと、レンは不思議そうにしながらも部屋の中へと入って行く。
座る様に促された椅子に座れば、ドサッと紙の束を目の前に置かれた。
「項目順に分類しておきたまえ。終わる頃には程よい時間になっていよう。」
そう言うとさっさと自分の席に戻り仕事の続きをし始めるスネイプ。
レンはそれに小さく息を吐くと、スネイプ先生を言い訳にしようとするのはもう止めておこう。と少しだけ思い、作業を開始した。
次の日、レンは朝早く目が覚め、着替えを済ませて隣を見遣れば、ハーマイオニーがまだ気持ちよさそうに眠っていた。
探されても大変だと思えば「朝早く目が覚めて退屈だから先に行くわ。」とメモを枕元に残す。
空模様はレンの心と同じで重たい色をしており、天気は荒れ模様だった。
レンはさっさと買い物を済ませて帰ってこようと思えば、そーっと寝室を抜け出し朝食を取る。
フィルチの驚き様を見ると、レンは1番だったのだろう。
玄関ホールでフィルチによる名簿の照らし合わせと詮索センサーで3回も検査を受ければ、やっと許可を出してもらえ、誰かに見つかる前にとさっさとホグズミードへと向かった。
減って来たものを風と霙の中、買い足していれば指輪が熱を持ちそちらに視線を向けると『今日の休暇は何してんだ?宿題と悪戦苦闘…って訳じゃなさそうだしなぁ』と文字が浮かぶ。
(P.114/全P.208)
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