しおりを挟む / しおり一覧

レンはさっさと買い物を済ませて帰ってこようと思えば、そーっと寝室を抜け出し朝食を取る。
フィルチの驚き様を見ると、レンは1番だったのだろう。
玄関ホールでフィルチによる名簿の照らし合わせと詮索センサーで3回も検査を受ければ、やっと許可を出してもらえ、誰かに見つかる前にとさっさとホグズミードへと向かった。
減って来たものを風と霙の中、買い足していれば指輪が熱を持ちそちらに視線を向けると『今日の休暇は何してんだ?宿題と悪戦苦闘…って訳じゃなさそうだしなぁ』と文字が浮かぶ。
『そうね。ホグズミードに居るわ。』
『なんだって!?』
『驚く事?』
『あのロンとハリーが今ホグズミードに居れる程早く起きたのが不思議でね。』
『あぁ、1人だもの。皆がもう起きたかどうかなんて判らないわ。』
レンがそう返事を返せば、ジョージからの返事が止まり、忙しいんだろうなぁと把握すれば、レンは買い物を続行した。
補充しておきたい物の買い出しが終われば、次は出しておかねばならない手紙の手配をと目的の場所に向かい、そしてそこから出て来た時だ。
「お、みーっけ。」
そう嬉しそうな声が聞こえ、レンはビクッとすると、それはジョージだった。
この陽気に不釣り合いに頬が赤く染まっては僅かに息が上がっているところを見ると、走り回って探したのかもしれない。
「お、驚いた…。」
思わずそうこぼれ落ちたかの様に言えば、ジョージは可笑しそうに笑い、寒いなーと言いながらレンを抱き寄せる。
先程まで店の中にいたレンは暖かいのだろう、あったけー。と嬉しそうなジョージに、思わず笑ってしまった。
「よし、"偶然"此処で逢えたのも縁って事で、今日は姫君の買い物に付き合うぜ?」
「もう大体終わったわ。」
「なんだってー。」
さほど驚いていない様な声色で驚いた様に言うジョージの額を指先で小突けば、ジョージは機嫌が良さそうに笑みを浮かべている。
「他に行きたい所、寄ろうとしてた所とかないのか?」
「んー…シリウスの誕生日が11月らしいから、何か贈りたいなーって思うのだけれど…なかなかね。」
「なら何か物色しに行こうぜ。」
「お仕事は?」
「後でハニーデュークスに一緒に下見に行ってくれりゃ、それで問題ない。」
「下見?」
「そ、下見。もう少し計画が纏まったら話すよ。今はまだ煙みたいな状態なんでね。」
「ジョージのそんな瞳、久し振りに見た気がするわ。なにやら楽しそうだから、楽しみに待ってる。」
それから2人は一緒に雑貨屋に行った。
ジョージには本当毎度救われると思ってしまう。
さっきまで天気と同じ様にどんよりと沈んでいた気持ちが、先程から笑わせようと冗談をちょくちょく挟んでくれるジョージの気遣いのお陰で随分と心が軽くなった気がする。
「うーん。」
雑貨屋でいくつか並んだカフスボタンをジーっと睨む様に見つめるレン。
するとそう悩んでいるレンの髪にパチン、パチン、パチン…と、ジョージは何かを止め始め、その裏でうーん。と悩んでいる。
よしっ!と1つのカフスボタンを選べば、ジョージはちょうどレンの髪に止めたものを全て外しては2つを手に取っている。


(P.115/全P.208)
前へ | 一覧へ | 次へ