しおりを挟む / しおり一覧

「皆でって意味で誘ってくれたのでしょう?私、それを2人でって勘違いしたの。ロンもハーマイオニーもいる、其処にジニーを誘っただけなのに…そう思ったらなんだか恥ずかしくて。気を遣わせてしまって、ごめんなさい。」
「違うんだよ、レン。僕は本当にレンと2人で行こうと思ってたんだ。何処に行こうかとか色々考えて楽しみにしてた筈なのに…本当にごめん。あの時の僕、どうかしてた。」
「もう良いわ、気にしないで。私も気にしてないから。」
レンはそっと身を離しては安心させる様に微笑んで見せると、ハリーも微笑み返してくれるが、その眉は下がったままだ。
「ねぇ、レン。何か僕に出来る事ってないかな?」
罪滅ぼしにって意味かしら?とのレンの問いに、ハリーは小さく頷くが、レンは考えてみるが然程思い浮かばずに首を傾げたが「次のクィディッチで勝って。」と、言うとハリーは嬉しそうに笑っては大きく頷いてくれた。
「次の試合、相手はスリザリンだけど良いの?」
「何が?」
「だって相手はマルフォイだし…レンは彼奴の応援もしたいだろ?」
「あー。そうね。幼馴染としては応援もするけれど、でも自分の寮やハリーが勝ってくれるのは嬉しいわ。」
それにドラコには嫌われてるかもしれないから。…なんて言葉を慌てて飲み込むも、胸はちくりと痛み、あの時嫌味を言われた時のドラコの顔が頭から離れなかった。

それから2人は一緒に談話室へと戻り、各々寝室へと別れていく。
ハリーは自分のベッドに座ると、先程レンから貰った小箱を開けては、その口元が緩んでいたのだろう「どうした?」とロンが声。
「レンがこれを僕の為に作ってくれたんだ…貰って良い資格なんてないのにさ…。」
そう言い箱の中身を見せると、ロンは驚いた様な声をあげる。
「何があったのかは判らないけど受け取っといてやれよ。良いよな、レンは。どっかの誰かさんとは違って優しくてさ。見習って欲しいもんだぜ。」
ロンが苛々しながら言うと、ハリーの手元から1つ取りそれを口に運べば「美味い」と一言に摘み食いされた事に気付けば、無くなるだろ。と慌てて蓋を閉じるハリーに、ロンは拗ねた様な顔をした。
夜、皆が寝静まった頃、ハリーはまたその箱を開けてみる。
ふと箱の底に何かが見え、中身を蓋側に移動させれば、そこには『どんな貴方も嫌えないけれど、笑った顔の方が好きよ。』と元気付ける言葉が書いてあり、ハリーは思わず笑みを浮かべてしまった。

それから数日後、変身術で鳥を出現させる魔法を学んだその日、レンとハーマイオニーの横を嬉しそうに走り去っていくディーンの後に、小さく溜息を漏らしてやって来たハリーの姿。
ハリー曰く、試合までにケイティが戻って来れなさそうだから、代打でディーンを選んだ様なのだが、同じく選手になりたかったシェーマスは不貞腐れ、ハリーと同寮かつ同級生を2人も選んだという事で談話室はぶつくさだらけだった。
ハリーはそれくらいたいして気にもならなかった様だが、勝たなきゃ。というプレッシャーが強い様で、勝って。と、余計な事を言ってしまったかな。とレンは内心反省をしていたが、問題はそれだけではなかった。

(P.132/全P.208)
前へ | 一覧へ | 次へ