「なれば、そういう理由で今学期は我輩を避けていたという訳か?我輩が干渉するのを恐れてか?判っているだろうが、我輩の部屋に来るように何度言われても来なかった者は」
「罰則にすれば良いだろ!ダンブルドアに言えば良い!」
また沈黙が流れ、少しするとスネイプが口を開く。
「キミには良く判っていると思うが、我輩はそのどちらもするつもりはない。」
「それなら、自分の部屋に呼びつけるのは止めた方が良い!」
「よく聞け。」
スネイプは更に声を低くし言葉を続ける。
「我輩はキミを助けようとしているのだ。キミを守るとキミの母親に誓った。破れぬ誓いをした。そしてあの母親は…その後、きっとクレスメントの元へも行った筈だ。」
「どういう事だ?」
「あの一族は普通の魔法族とは違い、滅びと護り、癒しに関して強力な力を持っている。代償はあれどその特別な力の上をいく者は不死鳥くらいしかいないと言われている一族だ。彼女は一族の力を強く受け継ぎ、殊更癒しと護りに優れている。そしてお前が想いを寄せ、彼女にとってもお前はある意味特別な相手だろう。その者ならば何かあればお前を守ってくれると、考えそうな事だ。」
「…レンもお前と同じ様に僕に警告をする。あの人の言葉の真意を見極めて生き延びろと…だがレンは関係ない。巻き込むつもりもないし力を借りるつもりはない。あの人が僕に与えた僕の仕事だ。」
「あの者は実に聡い。そしてこういった面での洞察力は磨けば闇の帝王に引けを取らぬだろう。闇の帝王もお認めになり感心なさっては、戻ったその時にはそれを磨いてやらねばと仰っていた。」
「レンに言われてから考えたさ…よーくな。…けれど僕はやらなければならない。計略もあるし、上手くいく筈なんだ。ただ、思ったより時間がかかってるだけだ。」
「どういう計略だ?」
「お前の知った事じゃない!」
「何をしようとしているか話してくれれば、我輩が手助けする事も…」
「必要な手助けは全部ある。余計なお世話だ。僕は1人じゃない!」
「今夜は明らかに1人だったな。見張りも援軍もなしに廊下をうろつくとは愚の骨頂だ。そういうのは初歩的なミスだ。」
「お前がクラップとゴイルに罰則を課さなければ、僕と一緒にいる筈だった!」
「声を落とせ!」
スネイプが吐き捨てる様に言い、ドラコは興奮して声が高くなっていた。
スネイプのあのやり方ではダメだ。ドラコのプライドを逆なでするだけにしかならない。
まずはドラコの誤解を解いてやらねば、スネイプの言葉に耳を傾けないだろう…。
(P.159/全P.208)
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