第35話:密会

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どうしてだろう、どうしてこんなに泣きそうになってしまうのだろう…。
ドラコは病気ではないかと思えるほど隈を作り、以前見た時よりも酷く明らかに顔色の悪い表情をしながら、にっこりとスラグホーンに微笑みかけ、寛大さに感謝をしていた。
「祖父はいつも先生の事を高く評価していました。魔法薬にかけては、自分の知っている中で一番だと…。」
そう言うドラコをスネイプは話があると連れて行ってしまい、一度断りを入れたスネイプに、スラグホーンはあまり叱らないでやっておくれ。というような声をかけていたが、どう見てもドラコの顔色からしてもそんな話ではない。
「レン、行こう。」
ハリーもそれに気付いていたのだろう、そうレンに声をかけ、それにレンは小さく鼻を啜ってから頷き2人でこっそりと後を追った。
部屋から出ると人気もなく、ハリーは透明マントを2人に被せるのには苦労しなかった様だ。
「レンどっちか判る?」
レンが意識を集中させると、大きく頷いて見せる。
「その先、廊下の一番端の教室よ。」
そう言うと2人は全速力で走りその教室の側でくっつくように透明マントに隠れながら中の様子を伺った。
「ミスは許されないぞ、ドラコ。」
「僕はあれに一切関係ない、判ったか?」
「キミが我輩に本当の事を話しているのなら良いのだが。なにしろあれは、お粗末で愚かしいものだった。クレスメントが食い止めていなかったらもっと大事になっていただろう。既にキミが関わっているという嫌疑がかかっている。」
「誰が疑っているんだ?そのレンが僕の魔力の香りでもすると言ったのか?冗談は顔だけにしろ。レンは僕の事を疑っていたら、真っ先に僕を説得しに来る真っ直ぐな魔女だ。ベルの奴、誰も知らない敵がいるに違いない…そんな目で僕を見るな!お前が今何をしているか僕には判ってる。バカじゃないんだから。だけどその手は効かない。僕はお前を阻止出来る。そんなに僕の心の中が覗きたかったらレンに血の力でも使わせるんだな!」
一瞬黙ったのち、スネイプが静かに言った。
「あぁ、ベラトリックス伯母さんがキミに閉心術を教えているのか、成程。ドラコ、キミは自分の主君に対して、どんな考えを隠そうとしているのかね?主君の娘に惚れている事か?」
「彼女をそんな風に扱うな!!僕はあの人に対して何も隠そうとしちゃいない。ただお前がしゃしゃり出るのが嫌なだけだ!」
あのドラコが…レンが闇の帝王の娘というスネイプに、そんな言い方をするなと怒っている。
レンはそれだけでも驚きを隠せなかった。
両親もドラコも、レンの父親がヴォルデモートだという事を誇っていたし、レンも誇るべきだと説得する側だった。
いつも尊敬をしていたスネイプに対して、ドラコらしからぬ荒げた言葉を投げつけている…。
レンは何が起こったのか判らなかった。


(P.158/全P.208)
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