「魔法省大臣が死喰い人と結託していた所為で、レンは母親も親戚も友達も奪われ、その父親だって奪おうとしていた!」
「彼女の父親は…」
「シリウス・ブラックです。アクアさんがあの人と結婚する前に貴方達がろくに取り調べもせず無実のままアズカバン送りにした。それは魔法界全体が知っている事です。今度はスタン・シャンパイクをそうするおつもりですか?ダンブルドアは僕達よりずっと歳をとっていますが、彼だってスタン・シャンパイクをアズカバンに送るべきではないと考えています。」
スクリムジョールは表情を凍らせたまま何も言わなかった。
いや、言い返せなかったのかもしれない。
「貴方はスタンを犠牲者に仕立て上げ、僕やレンをマスコットに祭り上げようとしている。」
2人は長いこと火花を散らして見つめあった。
レンが困った様な表情をして2人を交互に見つめている。
やがてスクリムジョールが温かさの仮面をかなぐり捨てていった。
「そうか。キミはむしろ、君の英雄ダンブルドアと同じに魔法省から分離する方を選ぶわけだな?」
「僕は利用されたくないし、彼女の事も利用して欲しくない。」
ハリーははっきりといった。
「魔法省に利用されるのは、キミ達の義務だというものもいるだろう!」
「あぁ、監獄にぶち込む前に、本当に死喰い人なのかどうかを調べるのが、貴方の義務だという人もいるかもしれない。」
ハリーの声にだんだんと怒りが見えて来ていた。
「貴方は、バーティ・クラウチと同じことをしている。貴方達はいつもやり方を間違える。そういう人種なんだ。違いますか?目と鼻の先で人が殺されていても、ファッジみたいに全てが上手くいっているふりをするかと思えば、今度は貴方みたいにお門違いの人を牢に放り込んで、『選ばれし者』が自分の為に働いている様に見せかけようとする!」
「それではキミは『選ばれし者』ではないのか?」
「どっちにしろ大した問題ではないと、貴方自身が言ったでしょう?どっちにしろ、貴方にとっては問題じゃないんだ。」
ハリーは皮肉に笑った。彼はそんなことを言ったのか…。
(P.179/全P.208)
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