第88話:不安

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いつもの場所に座れば、あぁ一昨年ここでうとうとしていたら寮に侵入してきたシリウスにあったっけ。…窓の外を見れば、あぁあの競技場、シリウスはハリーの飛ぶ姿を見にいったんだったなぁ。…と、シリウスとの思い出が次々に浮かび、レンは思わず膝を抱えそこに顔を埋めた。
「大丈夫?」
夜になればハリーがそう言いながらレンのそばに座りそっと身を寄せてくれる。
「何の連絡もないから…心配で。またアズカバン送りになっていたら乗り込んでやる。とは思っているけれど…。」
「うん、僕もそう。心配で堪らなくてどうにかなっちゃいそうだけど、レンが側にいてくれると心が不思議と楽になるんだ。」
「ふふ。嬉しいけれどね。こんな私でも…ハリーの役に立てているんだなーって。」
「役に立つ立たないって言うより、レンは信頼できる大切な人だよ。いつも心の中にはレンがいる。理由も考えた事がないくらい自然にさ。…キミくらいだよ、僕の事いつも気にかけて理解してくれて、僕の事で怒ったり泣いたり喜んだりしてくれるの。」
「そんな事ないわ。褒めすぎよ。」
「そうかな?」
「えぇ。…でも、嬉しいからそのままで居てくれる?」
「うん。変わるつもりも変えるつもりもないさ。」
ハリーは小さく笑った。
「もしもの事があったら連絡くれる?一緒に計画を練って、シリウスを救いに行こう。それで、一緒に海外にでも行こうか。」
「愛の逃避行ね?」
「…それは駆け落ちする人に言う言葉じゃないかな。」
ハリーは頬を赤らめて言う。
「許されない者達が一緒に逃げる事でしょう?私達の愛する父親との逃走劇は適応外なの?」
ときょとんとするレンにハリーは頬を緩ませてはレンの頬に口付ける。
「まぁ…僕達なら良いと思う。でも他の人に使ったらダメだよ?」
「愛とは色々形がありすぎてなんだか難しいものね。わかったわ。」
レンは溜息混じりに言っていた。

それからハリーはレンと一緒にいた。
玄関の前に一緒に座っていたり、湖の所でそこで遊ぶ生徒を眺めていたり、談話室でチェスの勝負をしてみたり。
外から戻ってくる時、レンはドラコと鉢合わせるまですっかりと忘れていた。
そう、ルシウスの言った言葉だ。


(P.40/全P.49)
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