「貴女今まで何をしてたの?なかなか逢いに来てくれないんだもの。」
「ずーっと玄関の石段に座って外を眺めてたのよね。」
ジニーが苦笑しながらそう言い、ハーマイオニーは小さく首を傾げた。
「なんでそんな事してるの?」
「さぁ。…よく判らないわ。ただ外を眺めていたくて。…マクゴナガル先生がさっき帰ってきたのには遭遇出来たわよ。神秘部に向かった全員それぞれに50点ずつ点をくれたわ。」
「無事に帰ってきてくれたのね。」
ハーマイオニーは嬉しそうに言い、皆も嬉しそうだった。
ハーマイオニーは日刊預言者新聞をレンに見せ、魔法省がヴォルデモートの復活をとうとう認め、ハリーは頭のイカレた少年を抜け出し、また生き残った男の子に復帰した様で、ダンブルドアも剥奪された様々なものが戻ってきた様だ。
ホグワーツもアンブリッジがくる前に戻りつつあった。
フレッドとジョージが残した沼地はフリットウィック先生がものの数秒で小さな水溜りを残して消し、水溜りの周りをロープで囲み記念に残したという。
「ハリーと一緒にいるんだと思ったわ。」
「私はずっと玄関にいたから…お婆ちゃんみたいにずっと日向ぽっこはつまらないんじゃ無いかしらね。」
レンのその言葉に皆はくすくすと笑った。
レンもちょっと見てなよ。とロンはニヤニヤとしながら舌で馬の蹄の音の様な音を鳴らすと端のベッドからガバッと飛び起きた女性がいた。
いつも綺麗に整えていた頭はボサボサのアンブリッジだった。
ハーマイオニーはもうやめて、と枕に顔を押し付けて笑い声を殺していたが、お見舞いに来ていたレンの姿を見ると、アンブリッジは顔色を変えた。
「貴女…いらしていたのね。」
「えぇ。アンブリッジ先生。お姿が見えず気になっておりましたが、ご無事な様で何よりですわ。」
レンの顔から笑みすらないことにアンブリッジは視線を逸らし、何かを言いたげに視線を逸らしており、レンはそれに言いたい事を察すると彼女に近付き近くの椅子に腰を下ろした。
「安心してください。貴女が許されざる魔法や、拷問道具を私に使用した事はまだ私は誰にも他言しておりません。」
「そう…有難う。」
「私は貴女の事は嫌いですが、今のところ貴女の立場を危うくしたい訳ではありませんし、貴女の好きな人や物、居場所を奪う事に興味は微塵もありませんわ。ただ、私はヴォルデモートを倒して平和になってくれたら…その平和の世の中をのんびりと平穏に一分一秒でも永く生きられたらそれで良いんです。…貴女には理解して頂けないと把握しておりますので、これ以上関わって頂けなければ私からも関わりはしません。ですが、仲間に牙を剥いたその時は…私も黙ってはいない。それだけは覚えておいて下さいませ。」
レンが悲しげにそう笑みながら言えば、アンブリッジは再度「そう。」と小さく答え、レンが立ち上がりハーマイオニー達に戻る事を伝えればアンブリッジは「待って」と一言声をあげた。
レンはそれに振り向き首を傾げれば「ごめんなさい」と一言消えそうなほど小さな声で言い頭を下げてくれた。
「少なくとも今は良いです。あの痛みには慣れていますし、私も先生の事を煽りましたから。」
病気や怪我は人の心を弱くするという。
きっと今のあの人はいろいろショックで心が弱り、こんな自分にまで頭を下げたりするんだなぁとレンはふと思えばそのまま談話室へと向かった。
(P.39/全P.49)
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