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日曜日、レンはリーと漏れ鍋で待ち合わせをし、そこに姿を現わすと、すでにそこにはリーの姿があった。
と言うのも、先日リーからの梟でデートのお誘いがあったのだ。
双子に食事を奢らせようという目的のデートではあったが。
「お兄ちゃん、卒業おめでとう。」
「サンキュ。相変わらず良い響き。」
出会い頭でそう喜ぶリーにレンは思わず笑い、私服ってなんか新鮮ね。というレンに「確かになー。」と言いながらも2人はダイアゴン横丁へと入って行く。
「オリバンダーの店に行きたいんだっけ?」
「良いの?」
「あぁ、本題の方は、上手くいけばアイツらが終わるまで待つ事になりそうだし、寄り道歓迎だぜ?」
レンはそれにお礼を言い、ダイアゴン横丁の方を歩きながらキョロキョロと辺りを見渡すと、矢鱈とあちこちにポスターやら魔法省からの警告の様な注意書きのポスターだらけでレンは1人だったら来たことを後悔しそうだなと思ってしまう。
「平和じゃない。って思い知らされるよな。」
「えぇ。リーは私より先に死んだりしたら許さないんだから。お年寄りになってもあの双子と頭を付き合わせて何か企んでいる姿を見せてほしいわ。」
「俺らって爺さんになっても悪戯しまくってるのか?」
リーは思わずそう言っては笑うが、しているかもしれないでしょ?というレンに、否定は出来ないと更にリーは笑った。
それから2人は、レンのセドリックの杖の事を見てもらう為にオリバンダーの店を訪れた。
このままセドリックの遺志を継ぎ使う事がこの杖にとって良い事か判らなかったからだ。
レンが幼い頃にもらった杖は随分と昔に買った所為もあってか、久し振りに足を踏み入れる此処に変に緊張感があった。
「お久し振りです。」
「あぁ、ミス・クレスメントとミスター・ジョーダンだね。その後杖の調子はどうだい?」
そういうオリバンダーに「俺の杖はかなり良い感じだけど、レンが用があるみたいなんだ。」と言うと、オリバンダーの目がレンへと向く。
「実は…一昨年に杖を奪われたまま何処にいったか判らなくなってしまって…友人の形見になってしまった杖をそれから使っていたんです。それがこの杖の為になるのかお聞きしたかったのですが…去年は大怪我で来られなかったので、やっと此処に来る事が出来ました。」
その言葉にオリバンダーは知っていたのか大きく頷き、レンから杖を受け取ると注意深くその杖を調べた。
「30cm、トネリコの芯に一角獣の毛…ふむ。この杖はセドリック・ディゴリーの物だね?」
「はい。よくご存知で。」
「ワシは売った杖は全て覚えておる。…そうか…トネリコとは本来真の持ち主にのみ忠誠を誓い、元の持ち主が誰かに譲ったり贈ったりするとその力を失ってしまう杖での。この子も例外ではない様じゃ…真の持ち主の意思を聞き入れキミを助けたいという気持ちも少なからずあるようじゃが…本来の威力は発揮できていない様じゃな。」
「そうですか…」
オリバンダーは新しくレンの杖を選んでくれていた。
誕生日的には違う材質の方が良いようだが、その1つ前の材質がキミに選んで欲しいと思っているようだと持ってきてくれた杖をレンに手渡してくれる。
その杖を手にした途端、内から力が湧くような、しっくりと落ち着く様な不思議な感覚に襲われる。
「ふむ。やはりナナカマドとドラゴンの心臓の琴線、その杖の方が今のキミには合っている様じゃ。」
「有難うございます。」
オリバンダーの話では、ナナカマドという材質は高い防御魔法に優れているそうで、この杖を使っている者が悪事に手を染めた例は見た事がないそうだ。
理想的な持ち主は頭が良く心優しい人物だが、こうした善良な評価の反面、決闘では他の杖に匹敵するどころかそれに勝る力を発揮する事もある。そして力に優れたドラゴンの心臓の琴線珍しい組み合わせの杖だが、杖がレンに使って欲しいと選んだのだという。
レンはそれに表情を和らげてお礼を言えば代金を支払い、店を後にした。
「良い杖が見つかってよかったじゃないか。」
「えぇ。リーのお陰ね。…近いうちにセドリックのご両親に杖を返しに行かなきゃ。」
「住所調べておいてやろうか?確かウィーズリーの家の近くだった気がするしさ。」
「…お兄ちゃんって万能なのね。」
レンが驚きを隠せずにいると、リーは可笑しそうに声をあげて笑った。


(P.17/全P.208)
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