第10話:買出し2
「お騒がせして申し訳ありませんでした。」
レンがそう頭を下げれば、マダム・マルキンはとんでもないと答えながら落ちたローブをさっと拾い上げ杖で掃除機のように服をなぞって埃をとった。
マダム・マルキンはハリーとロンの寸法を直している間、ずっと気もそぞろで、レンとハーマイオニーに男物のローブを売ろうとしたりし、それにレンは思わず笑ってしまっていた。
シリウスが入り口で待機し、全員が店から出た時はお辞儀をしてほっと胸を撫で下ろし、やっと出て行ってくれて嬉しいという雰囲気だった。
「全部買ったか?」
5人が自分の側に戻ってきたのを見てハグリッドが朗らかに聞いた。
「まぁね。マルフォイ親子を見かけた?」
「ああ。だけんど、あいつらダイアゴン横丁のど真ん中で面倒を起こしたりせんだろう。特にレンが目の前にいるのに襲う馬鹿共じゃない。奴らの魔法はクレスメントの護りには敵わんからなぁ。それに許されざる魔法を使うもんならすぐにアズカバン送りだ。ハリーあいつらの事は気にすんな。」
ハリーとロン、ハーマイオニーがその言葉を正そうとしようとしていたが、その前にアーサーとモリー、ジニーと合流し、其々に重そうな本の包みを抱えていた。
「レンのも一纏めになってしまっているから、後で渡すよ。」
アーサーはそう言うとレンに巾着と買い物リストを返してくれた。
レンが頷くと、モリーの指示で皆で薬問屋に寄る。
レンは材料を少し多めに買い揃え、脱狼薬の材料はまた必要になったら連絡すると店主に一言言った。
満月が近くなる頃、材料を一纏め毎月送ってくれる事になってるのだ。
これを何年作ろうとレンの金庫には差し支えのない程の金貨があるのだ…一体一族はどんな生活をしていたのだろうとレンは苦笑してしまう。
多めに買い揃えた授業に使う材料をレンは中身を広げた鞄に押し込めれば「ふぅ」と小さく息を吐くと、シリウスがその荷物を持ってくれる。
「有難う、シリウス。」
ハリーとロンが薬草学を今後取らない事になると始めて聞いて、レンは少し気落ちしていた所為もあってか、シリウスはその額に口付けを落としレンを驚かせては小さく笑ってくれた。
次に寄ったイーロップの梟百貨店でハリーは梟ナッツの大箱をいくつも買っていた。
本当に時間がないから少しだけ…とモリーが言いながら双子の店に向かって歩いて行くとロンは道のど真ん中で「ウワーッ!」と歓声をあげた。
「ほう。あの店がここまで賑やかになるとはな。」
「凄いでしょう?私、初めて見た時、賑やかすぎて…帰ろうと思ったわ。」
その言葉にシリウスはニヤリと笑ってしまった様だ。
(P.43/全P.208)
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