「…だけど、選抜は午前中一杯かかるかもしれない。応募者が多いから。」
ハリーはキャプテンになった重みがあるのか、少し神経質になっている様だった。
「どうして急にこんなに人気のあるチームになったのかわからないよ。」
「ハリーがキャプテンだっていう事とか、毎年優勝杯を手に入れてるから、とかではないの?」
レンは不思議そうに首を傾げる。
「まぁ、ふたりったら、しょうがないわね。」
ハーマイオニーが今度は突然苛立った様に見せレンは不思議そうにする。
「クィディッチがにんきなんじゃないわ、貴方よ!貴方がこんなに興味をそそったことはないし、率直に言って、こんなにセクシーだったことはないわ。」
ロンが燻製ニシンの大きな一切れで咽せ、ハーマイオニーはそんなロンに軽蔑した様な一瞥を投げかけ、それからハリーに向き直った。
「貴方が言っていた事が真実だって、今では誰もが知っているでしょう?ヴォルデモートが戻ってきたと言ったことも正しかったし、この二年間に貴方が2度もあの人と戦って、二度とも逃れたことも本当だし、魔法界全体が認めざるを得なかったわ。そして今はみんなが貴方のことを『選ばれし者』と呼んでる。…さぁしっかりしてよ。皆が貴方に魅力を感じる理由が判らない?その上貴方を情緒不安定の嘘吐きに魔法省が仕立て上げようと、散々迫害したのにも耐え抜いた。あの邪悪な女が、貴方自身の血で刻ませた痕だってまだ見えるわ。でも貴方は、兎に角節を曲げなかった。」
ハリーはそう言うハーマイオニーに顔を赤くしていた様で、レンは皆がハリーの事を迫害するのではなく、やっと認めてくれた事が嬉しい反面、周りがどんどん変わっていき、自分だけ何も変わらない取り残されている様なそんな感覚に襲われてしまう。
「魔法省で脳みそが僕を捕まえた時の痕、まだ見えるよ、ほら。」
ロンは腕を振って袖をまくったが、ハーマイオニーはロンを無視した。
「それに夏の間に貴方の背が30センチ伸びた事だって悪くないわ。」
「僕も背が高い。」
「ふふ。誰もロンに魅力がないなんて言ってないわよ。」
レンがそうフォローをすると、ロンはどこか照れたように頬を赤らめた。