「他に行きたい所、寄ろうとしてた所とかないのか?」
「んー雑貨屋に寄って髪留めと間に合わせの時計を買おうと思っていたの。忘れて来てしまって。」
「なら行こうぜ。」
「お仕事は?」
「後でハニーデュークスに一緒に下見に行ってくれりゃ、それで問題ない。」
「下見?」
「そ、下見。もう少し計画が纏まったら話すよ。今はまだ煙みたいな状態なんでね。」
「ジョージのそんな瞳久し振りに見た気がするわ。なにやら楽しそうだから、楽しみに待ってる。」
それから2人は一緒に雑貨屋に行った。
ジョージには本当毎度救われると思ってしまう。
さっきまで天気と同じ様にどんよりと沈んでいた気持ちが、先程から笑わせようと冗談をちょくちょく挟んでくれるジョージの気遣いのお陰で随分と心が軽くなった気がする。
「うーん。」
雑貨屋でいくつか並んだ髪留めを、キーホルダータイプの時計を握りしめながら見つめ唸り始めたレン。
ジョージがこれなんてどうだ?と選んでくれたスニッチのアクセントがついた可愛らしい髪留めにする事にしたのだが、色が、ゴールド、明るめのピンクゴールド、シルバーと3種類の種類があったのだ。
「レンの好みだとシルバーか?」
「えぇ。」
「でも髪が明るくなったからなぁ。あまり目立たないだろ。」
「別に目立たなくてもいいけれど、似合うかどうか問題ね…。」
レンがそう言うと、ジョージは「よし。」と一声漏らすと、レンに髪をまとめさせ、縦に3種類付け始め、後ろからその様子を見るジョージにレンは笑ってしまう。
髪留め3つも縦に並べてつける人初めてだった。
「うん、これだな。」
そう言い丁寧に髪留めを外すと、レンの手に淡いピンクゴールドの髪留めを置いてくれる。
「こっちの方が映えて綺麗だったぜ。」
「有難う、ジョージ。それじゃこれとシルバーの方と2つ買うわ。」
「そんなに気に入ったのか?」
「んーん。1つはハーマイオニーにあげようと思って。寝ているところをさっさと置いて来てしまったから…お詫びにね。」
「そっか。」
ジョージは詳しく聞こうとはせず、レンの分は俺が贈るよ、と言い始めたのを丁重にお断りしレンは会計を済ませれば、店主に「デートかい?若いって良いねぇ。」と言われてしまう。