「私、その馬鹿らしいプリンスとかいう人の事を言っているんじゃないわ。」
どうやらハリーと話をしている途中だった様で、レンは「なんの話?」と言いたげに其方を見遣る。
「ちょっと前に起こった事を話そうとしてたのよ。此処にくる前に女子トイレに行ったら、其処に10人くらいの女子が集まっていたの。あのロミルダ・ベインも居たわ。貴方に気付かれずに惚れ薬を盛る方法を話していたの。全員が貴方にスラグホーンのパーティに連れて行って欲しいと思っていて、皆がフレッドとジョージの店から『愛の妙薬』を買ったみたい。多分それ効くわ。」
あーそういえばそんなパーティがある事なんて忘れていた。と思わず思ってしまったレン。
「ならどうして取り上げなかったんだい?」
「その場に持ってなかったのよ。流石のプリンスも10種類以上の惚れ薬の解毒剤を調合する方法なんて教えて下されないでしょうし、一緒に行く人を選ぶべきね。…明日の夜よ。皆必死になってるわ。」
「誰も招きたい人が居ない。」
ハリーは呟いた。
「まぁ兎に角飲み物には注意いなさい。彼女は本気だったみたいだから。」
「レンは誰と行くか決まってるの?」
レンの姿に気付いたハリーがそう言うが、レンは小さく首を横に振る。
「興味なくてすっかり忘れてたわ。適当に誤魔化してのんびりしようかなって思ってるの。…取り敢えず私先に寮に戻るわね?」
レンはそう言うとハーマイオニーは小さく頷き、レンはその場を去った。
ある程度進むと、渡り廊下の様な所の屋根の上に登り、脚を屋根から下げたまま屋根の上に寝転がっては星を見上げ、それを掴もうとする様に手を伸ばした。
星の光に反射する様にキラリと光ったピンキーリング。
彼が贈ってくれてから、朝と晩、毎日挨拶だけは交わしていた。
学校にいる当時は暇があればお互いに笑わせ大会を授業中に決行していた事もあった。
それが癖になったのか、彼が自主退学した後もお互いに毎晩挨拶だけは交わしていた。