「キミの友達のクラップとゴイルが闇の魔術に対する防衛術のOWLに今度こそパスするつもりなら、現在より多少真面目に勉強する必要が」
「それがどうした?そんな者全部茶番じゃないか。見せかけの芝居だろう?まるで我々が闇の魔術から身を守る必要があるみたいに。」
「成功の為には不可欠な芝居だぞ、ドラコ!我輩が演じ方を心得ていなかったら、この長い年月、我輩がどんなに大変な事になっていたと思うのだ?よく聞け!キミは慎重さを欠き、夜間にうろついて捕まった。クラップやゴイル如きの援助を頼りにしているのなら…」
「あいつらだけじゃない。僕には他のものもついている。もっと上等なのが!」
「なれば、我輩を信用するのだ。さすれば我輩が…。」
「お前が何を狙っているか知っているぞ!僕の栄光を横取りしたいんだ!」
「キミは子供の様な事を言う。ドラコ、父親が逮捕され収監された事が、キミを動揺させた事は判る。しかし落ち着いて考えるのだ。クレスメントを大事に想うのならばなおの事良く考えろ。あの者は友の為なら無鉄砲に飛び込みその身を簡単に盾にする。ドラコも良く知っている筈だ。最近のあの件もそうだ。キミにもし万が一の事があれば同じ様にお前を護ろうと飛び込み盾になるだろう。良いのか?彼女の屍をその足元に転がす結果になっても。そうさせない為にも今一度…」
「一々レンを出して来るな!レンを巻き込むつもりはないし飛び込ませない。幼い頃、僕ら親子の前では滅多に泣かなかった彼女が独り隠れて泣いたのを僕は見てきた。愛情に飢えた姿も、愛して欲しいと言えない姿も、愛してくれる人を失った姿も、甘え方すら判らず、僕にも甘えられなかった不器用で孤独と戦うレンを…彼女の泣き顔はもう見たくない。巻き込まない様にもうちゃんと考えてある。」
「それがあの薬を飲ませて永遠の眠りを与える事だったのか?」
「永遠じゃない。」
「あの薬には別の薬も混ぜられていた。我輩が解毒をしなければ、周りとの記憶だけではなく自分の存在までをも消してしまっていたのかもしれないのだぞ?」
ドラコはそれに息を飲めば「もう話は十分だ!もうこれ以上、口を挟むな!」そう怒りの声をあげ、その足跡が近付いてくるとレンはハリーの手を引き、ハリーはハッとした様に扉の前から退けば、2人の姿が見えぬ様レンを抱きしめながら壁に身を寄せた。
ドラコは荒々しく廊下に出て、大股にスラグホーンの部屋の前を通り過ぎ、廊下の向こう端を曲がって見えなくなった。
そしてスネイプがゆっくりと中から現れると、そこの窺い知れない表情でパーティに戻って行った。