第38話
少し歩いて立ち止まりそのまま空を見上げ続けていた時だ。
パチンという音と共に背後からそっと抱きしめられ、其方に顔を向けると、ジョージだった。
「お前が外に出て行くのが見えてさ。どうした?」
「…落ち着かないの。あの時みたいに私を狙って誰かが襲いにきたら…吸魂鬼や亡者がやって来たら…そう思うと、色々頭に浮かんで…結界は大丈夫かなって、気休めだけれど確認しに来たの。」
ジョージは、そんなレンから腕を離しては家の壁を背凭れにする様に座り、此処に来いよ。と言いたげにレンに向かって両手を広げる。
レンはそれに首を傾げると「このまま放置は流石に恥ずかしいのと寒いんで早くしてくれませんかね。」とジョージは小さく笑った。
レンはそれに小さく笑っては促されるままに足の前に立つと、ジョージは杖を振るい、レンを自分の膝の上で横抱きにする。
「暫くこうして空でも見てようぜ?」
「風邪引くわよ?」
「レンで暖をとってるから大丈夫さ。」
そう言いジョージは小さく笑うと、胸にレンの頭を押しつける様にしては、レンはそれに従う様に彼の胸に頬を寄せた。
それからは何も言わずに、ただ抱きしめ背中に回された手を、宥める様にポンポンと一定リズムで優しく叩く様に撫でられる。
活発的なジョージにとって此処でじーっと只々空を見つめるという行為は、きっと退屈で仕方がないだろう。
それでもレンを元気づけようとこうしていてくれる彼に、レンは小さくお礼を言うと、ジョージは小さく笑った。
「眠れそうならそのまま寝ちまえよ。ちゃんとベッドに運んで置いてやるからさ。」
「ごめんね。」
「良いさ。俺得だし。」
「なにそれ。」
「こうさせてもらえんのは、俺にとっては嬉しいつー事。」
「変な人ね。」