今日の誕生日にはそのフラーやビル、リーマスも参加してくれていた。
レンはリーマスと一緒にモリーからケーキを取り分けて貰えば、リーマスの隣に座った。
リーマスはこのところ、げっそりとし、いつにもまして深刻な顔をしている事が多い。
レンが聞いても教えてはくれないし、家に帰って来てくれる事も少なかった。
誕生日会も順調に進んでいたのだが、リーマスがイゴール・カルカロフが殺害された事、あのアイス屋が襲撃にあった事、オリバンダーの失踪の話をしだした所為でモリーは不機嫌になっていた。
「もし敵がオリバンダーを手中にしたとなると、我々にとってはあまり好ましくない状況だ…」
ビルやアーサーまでリーマスの話に乗った所為で、モリーの機嫌は最悪で、ハリーはそれに気を遣ったのだろう、レンの誕生日も祝わいたいとずっと思っていた。と、言った所為でレンは苦笑をしてしまった。
「レンは自分の誕生日を祝って良いものだと思えていないんだよ、ハリー。祝うと酷く泣いてしまう。」
何度泣かせた事かとリーマスは苦笑をしていた。
「私が産まれた所為で母が壊れてしまったから、どうしても祝って良いものだとは思えていなかったの。でも2人のパパと出会えて一緒に暮らせた時間はそういった思いを緩和してくれたけれど、まだ抵抗があるわ。だから、もう少し待ってくれる?」
「誕生日がいつか、くらいは聞いても良い?」
「2月よ。寒い最中ね。」
「丁度16年前の今日、私達もレンを連れてポッター家でハリーの誕生を祝っていたよ。それはもう男の子を賜ったとジェームズは大喜びでね。自分に似ているところをしきりに自慢しては、リリーに似たその優しい瞳を愛おしそうにしていた。シリウスとジェームズで交互に動物もどきの姿になってその背に子供2人を乗せてあやしていてね。リリーがまだ首もすわってないのに!って顔を青くさせていた。」
ハリーはそれを嬉しそうに聞いていたが、すぐにシリウスの名が出ると気落ちしたような表情をしたのがわかると、レンは慌てて話題を変えた。
「そう言えば、ホグワーツから手紙が来るのはきっともうそろそろね。」
「教科書のリストとかだね。」
ハリーがレンの話にのり、レンは小さく頷く。
「まさかキミ、さっさと買い物に行こうとか思ってないよな!?」
ロンが先を越してそういうとレンはきょとんとした。
「届いたらすぐ行こうと思っていたけど…。」
「今度の土曜日に、お父様がまたお仕事に出かける必要がなかったら皆で行きましょう?」
モリーはそうレンにも微笑みかけて言えばレンは小さく首を傾げた。
「ママは『例のあの人』が本棚の陰に隠れてるって思ってるんだ。」
レンはそれに思わず苦笑してしまった。
いきなり本棚から「やっと会えたな。」なんて言ってヴォルデモートが現れたらただの笑い話か本気のホラーだろう。