第12話
次の日、レンはディゴリー家を訪れていた。
御墓参りも兼ねてご両親に今一度挨拶する必要があると思ったからだ。
怪我や学校もあって遅くなって申し訳ないと深々と頭を下げれば、ご両親はとんでもないと恐縮している様だった。
お墓参りもさせてもらえ、花を手向けさせて貰えば、セドリックに今までの事を色々と心の中で報告をした。
まだ、貴方が教えようとしてくれた事は理解出来ていないけれど、一年間貴方の杖のお陰で私は沢山助けられた、と。
死なせたくなかった。そんな強い思いがレンの心を支配すれば、レンは思わず空を見上げ、こみ上げたものが溢れ出さぬ様にし、それが治まってからご両親にセドリックの杖を返した。
「それは貴女が持っていてください。この子の気持ちですもの。」
ディゴリー夫人はそう言うが、レンは小さく首を横に振った。
「杖が、セドリックのところが良いって言っているみたいなんです。オリバンダーがそう言っていて…。去年の一年間この杖には沢山無理してもらって、沢山助けてもらいました。沢山頑張ってもらったから…今度は杖の気持ちも大切にしてあげたいって、そう思って。」
レンがそう言うと、ディゴリーご夫妻は瞳に涙を浮かべながら、優しい娘さんだと微笑んでくれた。
「私が力不足だった所為で、息子さんを護り通せなかった…本当に申し訳なく思っています。…そんな私がこんな事を願うのはいけない事だと解っていますが…また此処に会いに来ても良いでしょうか…?」
レンのその言葉に、ディゴリーご夫妻は嬉しいと言ってくれ、快くレンの事を向かい入れてくれた。
「セドが生きていてくれたら、本当にお嫁さんに欲しい娘さんだな。」
と言われ、レンは思わず頬を赤らめれば、ご夫妻は楽しそうに笑ってくれていた。
その後、どうしてもと言われ夕飯をご馳走になり、セドリックの思い出と笑みに溢れた楽しい夕食を終えればレンは家に帰り、その際には、杖の代わりにこれを持って行って欲しいと万年筆を貰い、レンはそれにお礼を言うと深々と頭を下げた。
それから数日後、レンがリビングで本を読んでいる時にそれは来た。
宣言通りのハリーだ。
ハリーだけじゃなくロンとハーマイオニーが次々に姿を現し、ロンの時だけ訪問者の知らせが来てレンは忘れていたとロンにも自由に出入りの許可を施し、お茶と茶菓子を用意して一息ついた時、ハーマイオニーがもう我慢ならないと言いたげに「聞いてよ!」とレンに声をかけ、レンはまたロンと喧嘩でもしたんだろうな。と思ってしまったが、どうやら違うらしい。