「レンがお前を助けられずこのままロンドンに送り返されてしまうもんなぁ…いつも助けてくれていた人に助けて貰えないのはどんな気分だ?役に立たずだと失望したか?そのままレンの傍から離れていてくれ。お前にレンは勿体無い。その気もない癖に、彼女を振り回すな。彼女の隣は僕のものなんだ。あぁ、勿論あのウィーズリーにも渡すつもりはない。」
ドラコは、ハリーを自分の恋敵とでも思い込んでいる様で、そう最後に言い放てば、自分の荷物とレンの荷物だけ魔法で浮かせて持って行き、汽車を降りて行った。


レンが目を覚ましたのはその日の夜だった。
意識が朦朧として、記憶が曖昧だ…どうしたんだっけ…。
ズキズキと頭が痛み、何が起こったのかが理解できない。
ゆっくりと身を起こした瞬間、レンは何者かに強く抱きしめられ何が起こったのか理解できなかった。
目の前が人の温もりで包まれてはいたが真っ暗だった。
「ごめん。」
小さく身を震わせて言うその声の持ち主が誰なのか理解するのに時間がかかってしまう。
「…ハリー?…あれ、どうして私…。」
「マルフォイに何か飲まされたんだよ。覚えてない?」
レンは思い出そうとするもうまく思い出せず記憶に靄がかかっている様だった。
「ごめんなさい…スラグホーンのランチが終わったところまでは覚えてるんだけれど…。」
思い出せないなら良いんだ。とハリーはにっこりと微笑んだ。
「ハリー、何があったの?貴方から魔法の香りがするわ…。」
レンは優しくハリーの頬や小鼻のあたりを撫でれば、ハリーは恥ずかしそうに視線を逸らした。
「あまり思い出して欲しくない現状だったんだけど…彼奴に呪いをかけられて動けなくなってたところをレンが助けにきてくれた。レンはマルフォイに何か飲まされて気を失ったんだけど、僕にかけられた呪いを解こうと必死になってくれてた。マルフォイはそのまま気を失ったレンを運んでいって…僕はレンが頑張ってくれたお陰で、片手だけ動かせたんだ。杖をやっと握れて汽車が戻ってしまうギリギリで汽車から出る事ができたよ。有難う、レン。…それと、守ってあげられなくて、ごめん。」
ハリーはそこまで説明すると、レンはほっと息を吐いた。
「ハリーが無事に此処に居てくれただけで十分よ。良かった。」
レンは嬉しそうにそう微笑めば、ハリーは再度強くレンを抱きしめた。