訪問者は、煙突飛行や姿あらわしでこの家を訪ねれば、一旦闇の中で待たされる。
そしてOKすれば、その闇は一気にこの屋敷の風景に変わり、NOであれば、元の場所に戻される。
レンは訪問者の知らせを感じる度に、そうリーマスに声をかけていた。
“レン、夜分遅くにすまないが、話があるんだ”
頭の中でアーサーの声が聞こえる。
訪問者が闇の中で言葉を発すれば、それがそのまま当主に聞こえるらしい。
リーマスも特に気にしていない様なので、OKすればその場にアーサーが姿を現す。
「こんばんは、おじ様。」
「レン、すまないね。おや、リーマス!君がレンの側にいてくれたのか。」
「こんばんは、アーサー。少し前からレンが気になってね。お邪魔させてもらっているんだ。」
「兄が出来たみたいで楽しい生活を送れているわ。もう大切な家族なの。」
レンのその言葉にリーマスは少し照れくさそうに小さく笑み、アーサーはどこか嬉しそうに微笑んでいる。
「私はね、レンもリーマスも心配してたんだよ。最近は得にレンの表情が明るくなったと思えば…そうか、リーマスがいてくれていたからか…良かった、良かった…。」
レンはそういうアーサーをソファに促し、アーサーがそこに腰掛けると、リーマスはアーサーに飲み物を出した。
「ロンから聞いてね…キミ本当に一緒に行けないのか?」
「えぇ。ファッジに誘われてしまっているの。ただ時間は指定されていないから…向こうに着いたら逢いに行くわ。」
「そうか…一応私達が出る時間を教えておくから、もし来れたら一緒に行こう。」
アーサーはそういえば、紙に家を出る時間より少し早めの時間を記入しそれをレンに手渡す。
「リーマス、キミも行かないか?」
「私は遠慮しておくよ。有難うアーサー。」
リーマスのその言葉にアーサーは残念そうだった。