去年の夏、ばあばがいなくなった。





冷たい風が吹きつける。
築何年経っているのか、定かではない古い家の縁側。
ささくれ立ったヒノキの床に寝そべる僕の背中は、いつも奴らの餌食になる。
僕は、傾き始めた太陽に目を細めると、学校の教科書が一冊だけ入ったスポーツバックを放り投げた。
銀色の缶筆箱に入ったボールペンと鉛筆の衝突する音が耳に届く。
随分と盛大な音が聞こえたから、たぶん筆箱の四隅のどこかが凹んだのだろう。
お母さんにまた怒られるだろうな、と思ったけど、100円ショップの筆箱だ。
月一で壊したとしても、家庭崩壊に至るほど甚大な影響は与えないだろう。




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