(2)

『古語教授と』


眉間に皺を寄せた主人公の前にはダンボール箱がひとつ。
ゆっくりとした動作で開けて中身を取り出す。


主人公「……またか」


そこに訪れたのは主人公に片思いをしているセブルス。


セブルス「朔?」
主人公「セブルスか、」
セブルス「…その手に持っているのは、」
主人公「見合い写真だが…なんだ?」
セブルス「……受けるのか?」
主人公「見ておかないと面倒だからな、あとで燃やす」
セブルス「そう、か……」
主人公「…用は」
セブルス「会いに来た、それだけだ」
主人公「茶でも飲むか?」
セブルス「あぁ、用意する」
主人公「ありがとう」


ふたりで一服


セブルス「あのように来るのか?」
主人公「あぁ。受け取らないと言っているのだが上がしつこい…孕ませたいんだろうな、身ごもるよりも効率の良いてことで」
セブルス「!」
主人公「少しでも僕と同じものを作りたいから、それだけだ。あと家の名誉だろ」
セブルス「……もし、」
主人公「?」
セブルス「私と結婚したらそういうものは来なくなるんじゃないの、か?」
主人公「さぁな、猛反対されるだけだろ」
セブルス「…」
主人公「それに」
セブルス「?」
主人公「…不誠実なことはしたくない」
セブルス「えっ」
主人公「僕が断るのはそういう感情が理解できないからこそ真っ直ぐなお前に…嘘をつきたくないだけだ」
セブルス「っ」キュン


セブルス「家の命令とかあるんじゃないのか」
主人公「弟はそんなことしない。でも上があるからな…」
セブルス「その時は、私は朔を…殺してしまうかもしれない」
主人公「…」
セブルス「誰かに取られるくらいならいそっ…あぁすまない…」
主人公「…なら、」
セブルス「?」
主人公「セブルスになら殺されても構わない」
セブルス「………!!!!?」
主人公「…かも」










主人公「って、言ったら動かなくなったんだな」
リリー「やだ最高の殺し文句」
主人公「??」
リリー「やだ無自覚」
ジェームズ「いや、ヤンデレ発言にツッコミしてよ、リリー…」


ポッター家に招待、というのではなくて街で散歩してたら捕まりました。
そのへんの店に連れていかれてセブルスとの話になりました。


ジェームズ「もうセブルスと結婚したら?」
主人公「不誠実じゃないか?」
リリー「真面目さんですねーでも自覚してないだけでちゃんと彼のこと見てますよ」
主人公「??」
ジェームズ「ここまで鈍感だとは思わなかった…」
リリー「同じく」
主人公「鈍感、というか……理解できないんだ」
リリー「ご両親はどうだったの?」
主人公「………。どう、だったんだろう…」
「「?」」
主人公「…いや、すまない。わからないな、年だろうか忘れてしまった」
ジェームズ「じゃあ、試してみたら?いい方法あるよ!」
「「?」」






ということで。
いつも通り訪問してきたセブルスに試してみることに。


主人公「セブルス、おいで」


ソファーに座って待っていたところにきた。
何も疑わずに来る彼の腕を掴み、引き寄せる。
跨ぐように膝の上に座らせることに成功。


セブルス「なっ、」


そのまま抱きしめる。


セブルス(朔が私の胸にかおをうず、埋めて…えぁどうすればいい????ちょ、ま、え??)


ぎゅっうと少し強くなった感触にドキッと胸高鳴る。


セブルス「さ、朔…どうした」
主人公「…すごい音が聞こえる」
セブルス「そっそれは、その…ぁうぅうう…」
主人公「…」


恥ずかしいから離してほしいとも
あちらからスキンシップなんて滅多にされないからこのままでいたいとも
抱きしめてもいい?私も??とも
混乱状態


主人公「……ふむ」


腕を離してくれた。


セブルス「あの、朔…どうしたんだ?」


こんな近い距離、しかも跨いているところなど見られたら大変だがおいそれと退けたくない。これほどの至近距離、許されたことないからだ。


主人公「ジェームズが言っていた。」
セブルス「?」
主人公「セブルスを抱きしめてすぐに離さなければ大切にも思っているのではないかと」
セブルス「……え、」


ジェームズ「僕はリリーやハリーを抱きしめるときは絶対に離したくないんだ。愛しい気持ちがいっぱいで、時が止まってくれないかと思うほどにこの時が大切なんだって…」


主人公「って」
セブルス「………え、とそれで……」
主人公「悪くなかった」
セブルス(うしゃぁ!!!)


それから多少のスキンシップが避けられなくなったとさ

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