白虎の入学式

 真新しい制服に腕を通した。

 中学時代は学ランだったから、ブレザーは新鮮だ。
 ネクタイをきゅっと締めると、気持ちも引き締まる気がする。(結び方は織田作さんに教えてもらったから、ばっちりだ)

「……行ってきます」

 鏡の前の自分に言った。

 中島敦。孤児院で育ち、"個性"を暴走させて虎になって、区の災害指定猛獣にもなったり、ただ生きるだけで精一杯だった僕が……


 今日から雄英高校の生徒になりました。


 名門ヒーロー校で、どんな日常が待っているのか。
 期待と少しの不安に胸を膨らませる。
 横浜からフェリーに乗って、最寄りの港に着いた。そこから歩いて行けば、大きなHの形の建物が見えてくる。(HEROのHだ)

 ヒーロー科は二クラスしかなくて、僕が振り分けられたクラスはAクラスだ。
 最初が肝心と、早めに家を出たから、広く長い廊下ではあまり人とすれ違わない。

 ――ここだ。

 バリアフリーのでかいドアに1−Aと、これまたでかでかとデザインされている。ドキドキしながらスライド式のドアに手をかけた。

(友達できるといいなぁ。誰かいたら仲良くなれるように、しっかり挨拶をしよう……!)

 そして、ドアを開けた。

 ――ギンッ

 半分開けたドアを、ぴしゃりと閉めた。

(……。え!?ここヒーロー科であってる!?)

 自分が立っている空間を観察する。ドアを開けた瞬間、場違いにも感じる真っ黒で鋭い目付きに睨まれたからだ。

(こえぇ……!え、誰!?席に座ってるってことは、ヒーロー志望……だよな……?クラスメイト超怖い……!!)

 ……いや、何を思っているんだ僕は。

 人を見かけで判断してはいけないのは、"個性"で判断してはいけないのと同じぐらい常識ではないか。

(僕だって、この"個性"で――……)

 深呼吸して、再び勢いよくドアを開けた。

「おはよう!僕は中島敦!これからよろしくね!」

 ――元気よく、挨拶と共に。

「………………」

 ……。あ、あれ……めっちゃ引いてる?しまった!最初の一歩を誤ったか……!?

「……やつがれは、芥川龍之介」
「へ……(やつがれ……?)」

 静かに、そう自己紹介された。

「そ、そっか。芥川くん、よろしく」
「……」
「……えぇと、僕の席は……」
「……席は名前順だ」

 な、なるほど。だから彼は、一番手前の席に、まるで番犬のように座っているのか……。
 奥の方に自分の席を見つけて、いそいそとその席に座った。
 他の生徒はまだ登校しておらず、しーんと静かな空間だ。

(……でも、挨拶を返してくれたってことはそんなに悪い人じゃないかも)

 めちゃくちゃ目付き悪いし、めちゃくちゃ無愛想だけど。

 しばらくして、一人また一人と生徒が登校してきて、クラスが賑やかになっていく。
 僕も近くの席の人たちと挨拶し、自己紹介を交わした。
 ほとんどの生徒たちが男女共にヒーロー志望らしい快活で、自信に満ち溢れている。

「――……全員、出席したな」

 ………………。

 ……?今、どこからか気だるい声が。

「「!?」」

 教卓の後ろの、ずっと気になっていたけどあえてスルーしていた寝袋がもぞもぞと動き出したーー!?
 中から現れたのは、伸びっぱなしの黒髪に無精髭の全身黒の男。浮浪者……!(ずっとそこで寝てたのか……!?)

「皆さん、おはようございます。担任の相澤消太だ。よろしくね」
「「(担任!!?)」」

 こんないかにも怪しい人が教師って、正気か雄英!?

 ……いや、何を思っているんだ僕は。人を見かけで判断してはいけな(※以下略)

「個性把握テストをするから、全員、体操服に着替えてグラウンドに集合」

 個性把握テスト……?え、でも、今日は初日で入学式とガイダンスだけじゃ……

「待ってください、個性把握テストって!?」
「入学式とガイダンスはどうするんですか?」
「あなた、本当に先生ですかー!」

 疑問に思うのは僕だけじゃないようで、次々と皆が相澤先生に質問する。

「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ」
(……た、確かに……?)
「ここまで無駄にした時間は7秒。時間は有限、覚えておけ」

 最後は有無を言わさず声で、先生はそう言った。
 まだ納得いかないという顔をしながら、皆は更衣室へ向かう。僕も右にならった。(……あれ、芥川くんの姿が見当たらない……)


 ***


「相澤先生。二年前にも言いましたが、体操服ではやつがれの"個性"を十分に活用できませぬ」
「そういうことを知るのがこのテストの趣旨だってわかってんだろ。お前が入学したのは二年前だが、ほぼ休学してたんだ。今年度入学した一年と同じように、授業を受けてもらうぞ」
「…………」
「それより、芥川。体は本当に大丈夫なんだろうな。肺の病気はちゃんと完治したか?ヒーロー目指す以前の問題だぞ」
「問題ありませぬ。万全の状態で……ゴホッ」
「……咳してんじゃねえか」
「今のは少し噎せただけです」


 ***


 体操服に着替えてグラウンドに着くと、そこには相澤先生だけでなく、すでに体操服の芥川くんの姿もあった。(いつの間に……)

「これから始めるのは、"個性"を使った体力テストだ」
「"個性"を使った……」
「体力テスト……?」

 そんなの初めてだ。

 相澤先生は詳しく説明する。体力テストを画一的な記録で取る事に対しての無意味な事を。……文部科学省の怠慢はまた違うと思うけど。
 でも、確かに全員、素の身体能力ならまだしも、異形型の"個性"の人たちだっている。
 それを含めて平均値を割り出すっていうのは、少し乱暴な話だ。

「デモンストレーションしよう。そうだな……中島」
「っはひ!」

 突然、自分の名前を呼ばれて、言葉を噛んでしまった。クスクスと笑い声が聞こえる。あぁ、恥ずかしい……!

「中学の時のソフトボール投げの記録は?」
「55m……ぐらいです」
「じゃあこの円に入って、"個性"を使って投げてみろ。円から出なきゃ何してもいいよ」

 早よ――そう相澤先生にボールを投げられ、慌ててキャッチした。

("個性"を使うんだよな……)

 気合いを入れると、右腕の袖を肩まで捲り上げる。服が破れないようにだ。腕だけ虎化させた。

「!?腕が変化した……!」
「あれは……白い虎?」

 虎化するだけで、筋力はUPし、腕のパワーは増す。

(大きく振りかぶって……)

 投げる!!

 ボールは勢いよく遠くへ飛んでいった。
 豆粒になってやがて見えなくなり、どう計測するんだろうと考えていると……
 ピピ、と相澤先生の手にある何やら機械が音を立てた。

「522m……。まず、自分の「最大限」を知るのが、ヒーローの素地を形成する合理的手段」

 ……!自分でも予想以上の結果に驚いた。

「すげーー!」
「中島の"個性"は身体強化系か?」

 周囲からそんな歓声が涌いて、少し照れ臭い。

「………………」
「……!?(芥川くんが睨んでる!?)」
「出席番号順に種目をやっていくぞ。最初は50m走だ――」

 二列に並べという言葉に従って、出席番号順に並んでいく。
 その間「面白そう!」や「私も早く試したい!」など、わいわいとした声がその場に飛び交った。

 相澤先生はその生徒の様子を見回しながら、口を開く。

「言い忘れたが、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分な」

 ………………。えっ

「「はああああ!?」」

 除籍って……今日入学したばかりで!?
 そんなのありなのか!?

「……何を狼狽えている。"個性"を駆使して最下位にならなければいい問題であろう」
「最下位にならなきゃって……」
「得意不得意あるだろー!」
「でも、自分がならなくても他の誰かが最下位になって除籍ってのも……ねえ?」

 芥川くんの言葉に、反発する声が上がった。

「甘いことを……。やつがれたちが目指すは、狭き門のヒーローだ。クラスメイトであろうと敵同士。蠱毒の最中に他人の心配をしている暇があるとは笑止」

 ……蠱毒……!?

「な、何よぅ……!」
「何言ってんだ、お前」
「芥川っつったか?言い方ってもんがあるだろー!」
 
 次々と生徒たちから飛び出す、芥川くんへのブーイング。

「あ、あの、相澤先生の見解は……」

 助け船を求めるように、相澤先生に聞くと、先生ははあとため息の後に口を開く。

「……まあ例えはぶっ飛んでるが、あいつの言ってることは間違ってはないよ」
「「……!」」
「それぐらいの意識を持てということだ。お前たちはまだ、ヒーローがなんたるかを知らない」

 静かに発したその言葉には、重みがあった。……そうだ、雄英の教師は現役プロヒーローが売り。

「自然災害や大事故、身勝手なヴィランたち……いかなる困難や理不尽を覆すのがヒーロー」

 言葉に説得力がある。あの第一印象から一転。この人は、歴としたプロヒーローなんだと納得させられた。

「放課後マックで談笑するような意識なら門前払いだ。これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」

 ……!!

"Plus Ultra"更に向こうへ――全力で乗り越えて来い」


 ――……僕は。

『お前など孤児院の厄介ものだ!お前の"個性"はヴィランと変わらぬ!』

 うるさい――!僕だって、本気でヒーローを目指して、この場に立っているんだ。
 ……人を蹴落としたくないなんて、言ってられない。

(最下位は除籍……。このテスト、本気で挑む……!)

 
「……フン。ようやく自分らが置かれている立場がわかったか……」

 芥川くんともう一人の生徒がスタートラインに並ぶ。
 そういえば……彼の"個性"はどんなものなんだろう。
 これからの種目で判明するだろうそれに、皆の注目が集まった。(さっきの発言もあって、皆見極めようとする目……)

『ヨーイ……START!』

 測定器ロボがスタートを切ったと同時に、芥川くんの体操服が伸びて、ゴール地にアンカーのように刺さる。

 そのまま引き寄せられるように、彼はゴールした。

『4秒06!』

 衣服を操る"個性"……?すごい……あんな活用方法があるんだ。
 "個性"を活用できるものは活用し、できないものは素で走るので、大きく記録に差がでていく。

 ――そして。いよいよ僕の番だ。

 靴と靴下を脱いで裸足になってから、スタート地に立った。
 両足を虎化。腰を下げ、身構える。

「!速ええ!!」

 スタートの合図と同時に脚に力を入れ、走った。

『3秒42!』

 ――やった!結構な高記録だ!

 50m走が終わると「お前すごいな!」「虎の"個性"!?」と、口々に言われながら皆に囲まれたので、僕は少し戸惑った。


 上体起こしと長座体前屈以外は高記録を出せた……と思う。他の人の記録を見ても最下位ではないと思うけど……。(でも、やっぱり最下位の誰かが初日で除籍になるのは……)

「全種目を終了――チャチャっと結果発表するぞ。トータルは単純に各種目の評点を合計した数。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」

 ごくり……緊張が高まる空気の中、相澤先生はピッとスイッチを押した。

「ちなみに除籍はウソな」

 ………………へ。

「「!?」」

 今なんて言ったこの先生――!――!――!?

「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

 グラウンドに轟く生徒たちの愕然とした叫び。良い笑顔で言った先生に、まんまと騙された!!

「相澤先生。虚偽にするとは温いのでは」
「そうか――」
「芥川ァ!!余計なこと言うなあぁ!俺が最下位なんだから!!」
(……うん)

 それにしても……宙に映し出された順位を見て、驚く。

 僕、一位だ――。

「あの、相澤先生」
「ん?」
「この順位、間違ってませんよね?」

 信じられずに思わず相澤先生に聞くと「身体強化系でもあるお前の"個性"なら、まあ納得の結果だろう」そう当然のように答えられた。

「そ、そうですよね……すみません。僕が体力テストといえ、一位を取ったことが信じられなくて……」
「……謙虚なのか知らねえが、自分の実力を客観的に把握するのは大切だぞ。この意味、ちゃんと考えておけ」
「は、はい!」


 初日はこれで終了でも、明日から本格的な過酷な試練が待っているらしい。


「――あ!芥川くん!」
「……お前は」
「中島敦だよ!偶然だね!このフェリーってことは君も横浜から?」
「その言い方だと、お前もか」
「うん!」

 帰り道……一緒になった芥川くんとフェリーに乗り込んだ。
 まさか、同じ横浜出身の人が雄英にいたなんて。
 全国各地から生徒たちが集まるから、逆に珍しい。

「初日から大変だったね」
「あのぐらいで音を上げていたら明日から持たぬぞ」
「あ、うん。そうだね」

 芥川くんは言い方はきついが、自分にも他人にも厳しいだけかも知れない。

(会話が続かない……)

 彼と仲良くなるのも困難そうだ。

「……その"個性"」
「ん」
「虎になる"個性"か」

 二人で並んだ海を眺めていると、不意に芥川くんの方から話しかけてきた。

「うん。正確には月下の虎……白虎になれるんだ。って言っても、完全体になるとコントロール出来ないから身体の一部分しかできないけど……」
「まだまだ強くなれるということか」

 ……まだまだ強くなれる、か。

「君の"個性"は衣服を操る"個性"?」
「操るではなく、変化させる……だ」


 横浜に着くまでの時間、芥川くんと"個性"の話や好きなヒーローの話など他愛ない話をした。
 驚いたのは、彼も孤児院出身だということ。
 それも合ってか、彼との距離も縮まった気がして僕は嬉かった。

 横浜に着いて家はどの辺りかと聞いていると、聞きなれた声が響く。

「あ、二人ともお疲れさまー!」

 ――理世ちゃんだ。中学の制服をばっちり着こなしている。そんな理世ちゃんも今日は初登校だったはず。

「理世ちゃん」
「理世か」

 ……!?

「あれ、芥川くん……理世ちゃんと知り合いなの?」
「そういう中島こそ……共通の知り合いとは驚いた」

 こんな偶然があるんだなぁ……。世の中、狭いというか何というか。

「?二人は知り合いじゃないの?」
「知り合い?」
「だって、三人同じ太宰さんの弟子で……二人は私の兄弟子になるんだよね?」

 ――ええええ……!!?

 二度目の僕の叫びが、横浜の町に響く。

「!?太宰さんの弟子がもう一人いただと……?どういうことだ理世!」
「どういうことだと聞かれても……。むしろ二人が知り合いじゃないのに驚いてるよ、私」

 僕も芥川くんが太宰さんの弟子だなんて初耳だ……。
 僕は太宰さんに"個性"の制御を教えてもらって、同じように太宰さんは理世ちゃんにも教えるようになって……

「とりあえず、太宰さんに事情を聞いた方が早いんじゃない?」

 理世ちゃんの提案で、三人で武装探偵社へと向かうことになった。

「どっちにしろ、これから制服姿を見せに行くところだったんだ〜」
「うんっ理世ちゃんの制服姿、すごく似合ってるよ!」
「敦くんと龍くんも雄英の制服似合っててかっこいいね」
「……ブレザーは慣れぬ」
「芥川くんも中学は学ランだったんだね。僕も同じ、で……」
「…………」ギンッ
「……なあ、なんか僕も弟子だとわかった途端、めっちゃ睨んできてない?」
「…………気のせいだ」

 絶対、気のせいじゃない!

「……。二人は仲良いの?悪いの?」

 僕にもわからないよ、理世ちゃん……。


「こんにちはー!」

 理世ちゃんが元気よく挨拶と共に、探偵社のドアを開ける。

「理世か。今日は中学の入学式だったな」
「制服姿、よく似合ってるじゃないか。……おや、敦と龍之介とはまた珍しい組み合わせだねェ」

 与謝野先生の言葉に、再び驚く。お互いに武装探偵社の人たちと面識が会ったらしい。

「太宰さん、います?」
「そういえば、いつの間にか姿が見えないな……」

 理世ちゃんの言葉に、辺りを探しながら織田作さんが言った。

「あの唐変木め、またどこかへサボりを……」
「太宰ならさっきこっそり出て、うずまきへ行ったよ」

 怒る国木田さんをよそに、乱歩さんが教えてくれた。
 名探偵の乱歩さんが言うなら確実だろう。
 来た道を戻り、喫茶うずまきに入ると……

「やあ、三人とも。師である私に、制服姿を見せに来てくれたのかい?」
「私はそうですけど、二人は別件ですよ、太宰さん」

 ソファ席に座り、優雅に紅茶を飲む太宰さんの姿があった。

「うふふ。では立ち話もなんだし、座りたまえ」

 太宰さんの隣に理世ちゃんが座り、僕と芥川くんが向かいの席に座る。

「太宰さん……やつがれと理世以外にも、貴方に弟子がいるなど初めて聞いたのですが……」

 間髪入れずに芥川くんが聞いた。

「だって、話してなかったからね」

 あっけらかんと太宰さんは答える。

「なんで二人には黙ってたんですか?」
「二人は相性は良いけど、相性が悪いからねえ」
「えっと……太宰さん、どういう意味で……」
「太宰さんっ!やつがれとこいつはどちらが兄弟子なのですか!」

 僕の問いを遮るように、芥川くんは真剣に太宰さんに聞く。(そこ、重要……?)

「兄弟子なのは芥川くんだよ。でも、弟子として優秀なのは敦くんの方かな。ほら、彼素直だし」

 あ、理世は私の愛弟子だよ?そう続けて言う太宰さんに、理世ちゃんは冷静に「太宰さん、そんなこと言ってる場合じゃないですよ」と、僕の隣を見ながら言う。

 太宰さん……今の発言で芥川くんの全怒りが僕に向いてるんですけど……!?

「こいつが僕より優秀……?ご冗談を。こんな虫も殺せぬような気弱が服着た男に」
「なっ……!?言っとくけど、今日の体力テストでは僕が1位でお前は3位だぞ!」
「フ……。あのような子供騙しでいい気になるな。…………人虎が」
「じ、人虎!?その呼び方はやめろ!だったらお前は禍狗だッ!」
「僕を犬だと……!?虎絨毯にするぞ!人虎!」
「あっ、また人虎って言ったな!?」
「…………。あの、太宰さん?」
「ほらね。二人は"個性"の相性は良いのだけれど、性格の方の相性は最悪なのだよ」
「いや、ほぼ太宰さんの発言で二人の仲は炎上しましたよね?」
「私の発言で炎上する人間関係って素敵」
「(人間関係クラッシャー!)」
「うふふ、きっと可愛い妹弟子が仲を取り持ってくれるはずさ」
「私に丸投げするんですかぁ!?」


(一瞬でも、芥川と仲良くなれそうと思った自分が馬鹿だった……!)

 雄英高校初日、僕は最悪な出会いを果たした。
 そんなヤツと、将来コンビヒーローを組むなんて、この時の僕は絶対に信じないだろう――。



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