「愛器(アイキ)。」


キィンと音をたてて愛歌は、凪沙の足を包む黒いブーツに変化した。そしてかかとの部分には蝶の羽根がついている。
愛器は、音速を誇る飛行武器である。音よりも早く飛び、華麗に舞い、空気の波動を利用したエアライドによる空中戦を可能にする神器。


「夏器(カキ)。」


続いて武器化したのは夏歌。同じく耳鳴りのような音をたてれば、凪沙の腰回りについてるホルダーに拳銃としてセットされる。夏器は外れることを知らぬ百発百中の腕を持つ神器である。


「蒼器(ソウキ)。」


凪沙の手元にセットされるのは彼女よりも大きな大鎌。シンプルな武器ではあるが、切れ味がもちろん、此岸と彼岸の境界がしっかり引けるところは凪沙は蒼器を信用しているポイントだ。



「虹器(コウキ)。」

―― キゥーン キゥーン

猫に似た鳴き声を上げたのは孔雀に変化した虹歌。飾り羽根を大きく広げ、人間でいう背伸びをした。



「毎度思うんだけどさー、虹歌は女の子なのに虹器になるとオスの孔雀なの。」


『わ、私だってわかりませんよーっ!というか今更ですか?!』


「ま、いっか。月歌は虹器の上に。」


「はい。」



月歌はほかの神器に比べ、少し変わっているので妖退治時のみ変化する。


「さーみなさん!本日も平和でありますように!行きますよーっ!」


『おーっ!!』


高天原にある凪沙邸に響いたのは夏器の元気な声だった。





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