「ねぇ、虹歌。」
「はい、なんでしょうか?」
職務室で書類整理をしていた虹歌に凪沙が声をかけた。
「神器って妖を連れる事できるの?」
「神器が…、ですか?」
「うん。あの妖は確実に野良の言いなりになってたよね。」
「そう言われれば…、確かにそうですね。」
「だから聞いてみたんだけどさ。」
凪沙は野良が引き連れていた妖にどこか違和感を持っていた。
どうしてあんなに野良の指示に忠実だったのか。
「あれじゃあ、野良が神みたいな存在だよね。」
どうして野良は壱岐ひよりが気に入らないのだろう。
夜トと仲良くすることがそんなにいけないことだろうか。
「そんなんだったらあたしも小福もすでに殺されてるか。」
でも壱岐ひよりは自分達と違って神ではない。生霊だ。
だから気に入らないのか?
―― コンッコンッ
「失礼しますっ。」
蒼歌を先頭に夏歌と愛歌、月歌が職務室に入ってくる。
「………行こっか。」
18時00分。 巡回の時間だ。
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