チョロ松が運転する車がボンゴレの日本支部に到着した。
地下にある自分たちの地下に比べてその場にいるだけで中小マフィアの人間は怖気づいてしまいそうだ。




「ふぅー!テンションあがるねぇ〜!」


「菜緒の安全がかかってるんだからね?
油断しないで、慎重に。」


「わぁ〜かってるって〜!じゃ、行ってくる。」


「あぁ。」


おそ松は車から降りて、口角をあげてその扉をたたく。



「どうも、松野おそ松です。」


名前を名乗れば警備の人間が扉が開けてくれた。



「お待ちしてたよ、松野おそ松くん。」


「こうして実際に会うのは初めてですね。」


扉の先にはボンゴレのボス・沢田綱吉が立っていた。
中学生の頃からマフィアのボスとしての訓練を受けてその10年後に着任。
だが、おそ松はそんな彼に引く様子はない。


「君から手紙が来たときは嬉しかったよ。
9代目の葬儀にはいなかったようだから。」


「すみません、ちょっと予定があって。」


軽く握手を交わせば、大きなダイニングテーブルに席をつく。



「それで?話っていうのは?」


「俺、回りくどい嫌いなんで単刀直入に聞きますね。」


「いいよ、なんでも聞いて?」


「うちの菜緒、返してもらえませんかね?」






おそ松がそういえば、その場の空気が少しピリついた。
それは、おそ松自身も感じたようで。長い沈黙が流れる。











「菜緒?その子がどうかしたの?」

「あれ、てっきりお宅に誘拐されたと思ったんですけど。」

「じゃあ、それは間違いだよ。うちは関係ない。」

「でも、菜緒と接触しましたよね?」

「………なんで?」

「菜緒に渡した無線機には盗聴器をつけていたんです。
誰かと思って調べたら、スーパーの袋から貴方の指紋が検出されました。」

「へぇ〜意外と独占欲強いんだね。」

「うちの姫なんで。てことで、返してもらえますか?
なんなら武力行使でもいいですけど。」

「ずいぶん強気だけど……、これ見てもそう言えるの?」

「!!?」



にやりと笑った沢田に嫌な予感を覚えれば、それは的中する。
目の前には拘束されてる仲間でもある5人の兄弟。



「カラ松!チョロ松!一松!十四松!トド松!」


「近くをうろついてたみたいだから、捕まえちゃった。」









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