「それで、菜緒さんの今後についてですが。」


「はい。」


「我々暗殺部隊が保護することになっています。」


「あん…っ!?私、そんな武術なんて得てま……っ!!」


まさかの一言に驚いた私はつい大きく動いてしまい、テーブルの上のグラスを倒しそうになった。
だが、さらに驚いたのはチョロ松さんの反射神経。


「…ふぅ。間一髪でしたね。」


軽く腰を上げて私の目の前のグラスをしっかりつかんでいる。
おかげでお茶はこぼれずに済み、またテーブルの上に置かれた。



「武術を得てる必要はありません。
我々が菜緒さんを守ります。」


「…………はぁ…。」



声に出たのは返事にならない返事。そして思わずときめくところだった。



「今まで通り学校にも通っていただって大丈夫です。
だた、引っ越してもらうことにはなってしまいますが……よろしいですか?」



引っ越す……。
おじいちゃんと過ごしたこの部屋を離れる……。
思い出詰まった、この家を…。









「安心してください。引っ越すといっても、ここの地下に移動するだけです。
帰る家は一緒だと思ってください。……部屋が違いますけど。」


「ちか……?」


「? ご存知ありませんか?
うちの基地はここの地下にあるんです。」




な、なんですと……!?









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