くちこみアルバム Baptize<アリ×コレ> 著・水麗刃さま 聴こえてくるものは、波の音。 一定の音を崩さない、整った音。 ふと、瞳を開けて見ればそこには夏の香を吸い込んで眩しく輝く海があるだけ。 どうしてかは判らない。 ただ、お前をここに連れてきたくて。 お前はこの場所相応の笑顔を浮かべて 何も変わらない笑顔を俺に向ける。 『神』はいると思うか? そう問い掛ける俺を真っ直ぐ見つめて。 お前は優しく、そして強い笑顔で 「いると思うわ」 そう答える。 ***ああ、俺も信じている。 この世界全てを創ったっていうモノの存在を。 今俺の目の前に広がる海の色も、全てを包んでいる空の色でさえも 哀しい色をしているだろう? 嘆きの、懺悔の色。 神は残酷だから。 俺を、お前に出逢わせたから。 お前から神はいないと言って貰えたらそんな事すら考えないで、微笑み返してやれるかもしれないのに。お前と出会うことが無かったら俺はこんなにも残酷で愛しい感情には出逢わなかったかもしれないのに。 神は、残酷だから。 この海の青は、俺を惹きつけて止まないお前の色。この海の青は、俺を戒める色。 Fin. 後書き なおう様と水麗刃さまのお二方のサイト、朴念仁寄合所より、拉致…もとい、お持ち帰りして来たものです。アリオスの苦悩がひしひしと伝わって来て、切ないです。 |