蜃気楼<セイラン>









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蜃気楼<セイラン>

著・水麗刃さま



夏の空は無常にも、熱さだけを残していく。
昼夜問わず雲すら見当たらない大気の下を、僕は延々と歩いている。

何処かへ行こうって訳でもない
目的だってある訳じゃない

それでも僕は、歩いていかなければいけない。
灼熱のアスファルト、身を蒸し焼くビル風。
何一つ支えになるものはなくて。

夕闇にまどろんで外を見ると
目の前の存在していた景色が崩れていくのがうっすらと解る。


底にあるのは貪欲な僕の心の蜃気楼。


この揺らめきは、僕の心の皮を剥いでいき
しまいには無くしていたものを掬い出す。




そう、僕は「目的」を探してるんだ。
君という名の「目的」を。




僕は歩き続ける。何歩でも、何日でも。 愛しい楽園を探し出せるまで、歩いてみせる。 蜃気楼よ、まだ…消えないで。せめて僕が辿り着けるまで。 壊れてしまいそうな蜃気楼、僕が心から笑えるようになるまで…どうか消えないで。 


Fin.

後書き

この作品も、なおう様と水麗刃さまのお二方のサイト、朴念仁寄合所より、お持ち帰りして来たものです。

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