一年の終わり

そして、ガヤガヤとしだしたところへダンブルドア校長が現れた。ダンブルドアに皆は注目した。

「また一年が過ぎた!」

彼はほがらかに言った。

「一同、ごちそうにかぶりつく前に、老いぼれのたわごとをお聞き願おう。なんという一年だったろう。君たちの頭も以前に比べて少しなにかが詰まっていればよいのじゃが……新学年を迎える前にきみたちの頭がきれいさっぱり空っぽになる夏休みがやってくる。
それではここで寮対抗杯の表彰をおこなうこたになっとる。点数は次の通りじゃ。四位グリフィンドール 三百十二点。三位ハッフルパフ 三百五十二点。レイブンクロー は四百二十六点。そしてスリザリン 四百七十二点」

スリザリンのテーブルから嵐のような歓声と足を踏み鳴らす音が上がった。マルフォイが叫んでいるのがグリフィンドールから見えた。

「よし、よし、スリザリン。よくやった。しかし、つい最近の出来事も感情にいれなくてはなるまいて」

ダンブルドアが続けた。部屋全体がシーンとした。スリザリン寮生の笑いが止まった。

「えへん」

ダンブルドアが咳払いをした。

「駆け込みの点数をいくつか与えよう」

そして、ダンブルドアはロン、ハーマイオニー、ハリーのしたことを点数として一人五十点ずつ加えた。更に、ネビルにも十点加えた。これにより、グリフィンドールは四百八十二点となった。

「まっ、ちょっと、どういうこと?ねえ、まさかこれって」

「そのまさかだな」

マルティナ、エドマンドが口を開いた。

「したがって、飾りつけを変えねばならんのう」

ダンブルドアが手をたたいた。次の瞬間、グリーンの垂れ幕が真紅に、銀色が金色に早変わりした。

巨大なスリザリンのヘビが消えて、グリフィンドールのそびえ立つようなライオンが現れた。

「やったわ!グリフィンドールが寮対抗杯勝ち取ったわ!」

マルティナが立ち上がって喜んだ。 マーガレットもつられて立ち上がるとマルティナと抱き締めあい、歓喜の声をあげた。帽子を空中になげる人や、涙を流す人、それぞれがいた。エドマンドは口元がニコニコとしており、負のオーラはどこかへ消えていた。

パーシーも監督生として、より一層嬉しがっていた。フレッドとジョージは飛び上がっている。アリシアとアンジェリーナと共に、マーガレット、マルティナもその日は大はしゃぎした。

今日はグリフィンドール生にとって、最高の日となったのであった。


次の日、学年末試験の成績が発表された。

一位はハッフルパフのセドリック・ディゴリーだった。彼はいつも一位だったはずだ。 五位にはエドマンド・アヴァロン、八位にはラヴィニア・アルフォードの名があった。マルティナはというと三十番目程に居た。

一年生の方では、ハーマイオニーが一位を取ったらしく、はしゃいでいるのが見えた。



そして、とうとうホグワーツから帰るときとなり、小さなプラットホームからホグワーツ特急に乗り込んだ。帰るコンパートメントでは、マルティナとエドマンドと一緒になった。

「今年も終わりか……。もう、四年生になるのね、私達」

マーガレットが言った。マルティナはそれに頷くと言葉を返した。

「今年は、今まででは考えられないぐらい忙しかったわね。それに、あなたの秘密も明らかになったし」

「ほんと、信じられないよ。君があのハリー・ポッターの姉だなんてね」

「はは、本当にね。未だに納得できないし、彼に打ち明けるタイミングもわからないわ。でも、そのうちきっと言えるときが来る。そんな気がするの」

マーガレットはとてもにこやかな笑顔をした。それを見て、マルティナとエドマンドも微笑んだ。

帰りの汽車というのは、行きよりも早く感じるもので、気づくとキングス・クロスに着いていた。

アナベル院長がもう、着いているはずだ。レナードに頼んで、手紙を送ったのだから。

「それじゃ夏休みに会いましょうね、マルティナ、エドマンド!手紙出すわね!」

「ええ!楽しみにしてるわ!」

「忘れなきゃ返すよ、じゃあな」



外へ出ようとすると、誰かに名前を呼ばれた気がした。振り返ると、ハリーが居た。

「ラヴィニア!あの、言いたいことがあって」

「どうしたの、ハリー?」

「いや、その。今年一年、色々ありがとう。僕は、色々迷惑かけちゃったから……。なのに、ラヴィニアは、優しくしてくれて。本当に、お姉さんみたいでさ」

マーガレットは、今ここであなたの姉だと言いたくなって仕方がなかった。でも、ここでは言えない。まだ、言える心境ではないのだ。

「いいのよ、ハリー。あなたのお姉さんに、私はそっくりなのでしょう?なら、私のことを、お姉さんの代わりだと思って構わないわ」

マーガレットは、笑った顔なのかどうなのか心配だった。うまく笑えてるといいなとおもったが、杞憂に終わった。

「ラヴィニア、ありがとう!夏休みに手紙かいてもいいかな?」

ハリーが笑って返した。マーガレットはもちろんと答えた。その後、叔父のダーズリーが来たため、 マーガレットは彼と別れた。

外の通りは相変わらず賑やかだった。その中に、見覚えのある車が止まっていた。

「ラヴィニア、お帰りなさい!」

アナベル院長の車だった。院長が車から降りてきて抱き締めてくれた。

「ただいま帰りました、アナベル院長!」

赤い石と紅い少女 ~Fin~

ALICE+