少女の帰還帰りの列車の中、マーガレットとマルティナ、エドマンドは三人で一つのコンパートメントにいた。
マーガレットは、正体を明かすことにして、ハリーにもそれを伝えたことを二人に打ち明けた。
「マーガレット、本当に明かしたのね……。ハリーとこれで一緒に暮らせるの?」
マルティナは、彼女のしたことに驚きつつも、とうとう彼女がポッターに戻れることを喜んでいた。
「それが、ハリーを引き取った親戚の人、ハリーをよく思ってないみたいで。ハリーも酷い目にあわせられてるっていうから……。アナベル院長はどうするのかしら……」
窓の外、流れる景色を見ながらマーガレットはため息をつく。
「お前が望むようにしてくれるんじゃないか?俺が一度見たアナベル院長は、話をわかってくれる人に見えたし。それはマーガレットが一番知ってるだろ」
エドマンドは的確な答えを述べた。彼は現在、己が魔法で出した蛇でマーガレットが飼っているシェーシャと腕に巻き付かせていた。その様子をマルティナは震えつつも諦めの境地で見ていた。夏休みの間、エドマンドがシェーシャを引き取ってくれることになっていた。マーガレットの孤児院で飼うのは厳しい為だ。
「するとさ、これからはためらいなくマーガレットって、名前を呼んでいいのね」
「ええ、だからマッジでいいわよ、マルティナ」
「ふふ、あなたも私のこと、ティナーって呼んで良いのよ?」
そう言われてマーガレットは彼女とよく似た弟の存在を思い出した。
「でも、それってサミュエルの特権じゃないの?」
「良いのよ!サミュエルはスリザリンに居るから、滅多に会いやしないもの。それに、私だけ愛称呼ぶのは何か嫌だわ……ずるいと言うか……」
マルティナはふてくされながら言う。
「……わかったわ、なるべくそういう風にする」
マーガレットは、善処するようにした。
「やった!忘れないでよね!」
マルティナはパッと顔を明るくして喜んだ。
何時間も経ち、ようやくキングスクロスについた。それぞれ荷物を降ろしてホームに向かう。
「今年の夏休み、忙しくなりそうだから、来年度の教科書買い物とかは八月後半になるかも……」
人がどんどんといなくなる9と3/4番線のホームで、マーガレットは二人の言った。
「そうね……、でも手紙ぐらい書けるでしょ?だから、空いた日があればすぐ教えてちょうだいな、私は何もないもの。エドマンドは?」
「んー、俺は夏休み後半になったらまた漏れ鍋に泊まり込みになるだろうから、その辺りがちょうど良いかな。暇だったら付き合うよ」
「オーケー、空いた日ができたらすぐ手紙送るわ。それじゃ、また今度ね」
「あ、サミュエルが向こうで待ってるわ……じゃあね!マーガレット、エドマンド!8月に会いましょう!」
「またな、二人とも」
三人はそこで別れた。そして、次に会うのは新学期の案内が届いた後の八月となるのだった。
黒い日記と二人の少女~fin~