「幸せそうね。」
「…………べつに。」
かなりふらふらになりつつも、なんとか正気は保てていた。
大切な親と飲めて幸せじゃない俺がいるかよ。
「もう立てなそうね、今日はここに泊まりなさい?」
「……そうする。」
「うふふ、花奈ったら飲みすぎよ?
耳まで赤くなってる。」
「…………いいだろ。」
頭がぼーっとしてる、と言うか意識が空中を漂ってる?
どちらにせよ限界を迎えつつあった俺はよりによって母さんの方に倒れてしまう。
「……私の事、好き?」
「べつに」
言われなくても好きに決まってるじゃないか。
「…………もっと甘えてきて欲しいわね?
ベロベロに酔った勢いで抱きつくとかないのかしら?」
「ねーよ。」
それとも、今からしていいの?
…………ぎゅっ
「!?」
母さんに抱きしめられたのはこの前ぶりかな。
あたたかくて、ふわふわしてる。
「……かぁしゃん。」
「なぁに?花奈。」
「だいすき。」
「私も、花奈が大好きよ。」
俺はそのまま、母さんに抱かれたまま眠ってしまったのだった。
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