「くそっ、なんでこんな時に……!」
オレは高速で呪文を唱えて、黎羽にバリアを張る。
「黎羽は下がってろ!!
『フランマ・グラキエース』!!」
炎と氷が機械生命体に降り注ぐが完全に逆効果だった。
暴走した機械生命体は俺達に攻撃をしてくる。
「つぐみちゃん!あぶない!!」
オレがバリアを作るより前に、黎羽が大きな剣で攻撃を食い止めた。
「ちっ……天使様は大人しくオレに守られてろよ!!」
オレは黎羽を安全な場所に突き飛ばし、黎羽にバリアをもう一度張る。
「オレの黎羽を傷つけた罰だ!!
喰らえ!!『イグネース・フェスティー』!!!!」
プラズマとなった高熱の炎が鉄製の体を溶かし、花火として美しく散った。
「黎羽!余計な事はするなよ!!
こういうのはオレが全部やるのが約束だろ!?」
苦笑する黎羽は頬に痛々しい火傷を負っていた。
「……ごめん。」
「いいんですよ、つぐみちゃんのせいではありません。」
痛いだろうに優しく微笑む黎羽を見て胸が痛くなる。
「もう無茶するなよ、黎羽……。」
黎羽はオレに治癒魔法をかけられると、オレの涙を拭き、また優しく微笑んだ。
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