「れいは」
頬を染めてほわほわしたような笑顔で、名前を呼ばれる。
「なんですか?つぐみちゃん。」
ちゅっ
「…………」
やっぱり恥ずかしかったのか照れ隠しにワインを飲んだ、それもぶどうジュースを入れずに。
まぁ、そうなったらどうなるかは予想はついているので、ふにゃふにゃと骨が抜けたように私に抱きつく彼女を受け止めた。
「れいはぁ……もっかい、きす……。」
ふらふらと少し体を起き上がらせて、さっきよりも少し大胆なキスをしてくる。
その後、また……かくっと崩れ落ちてしまい、私の胸に顔を埋めるのがかわいらしい。
「れいはぁ……」
さっきとは違い、少し困ったような声で呼ぶ。
こういう時は立てなくて困っているか泣き上戸かの二択である。
起き上がろうとしてもふらふらで完全に立てないから介抱して欲しいというのが何となくわかった。
「あんな弱いワインでこんなに酔っ払う人なんてそうそういませんよ?」
お姫様抱っこされた彼女は、綺麗な翠と紅のオッドアイをとろんとさせて幸せそうにしている。
私にとって、その色彩はどこか懐かしかった。
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