昔なじみの確執

――――サスケ!!!

遠ざかる背中に声をかけても、アイツは振り向かない。
それどころかどんどんと遠くへ走り去っていくアイツに、俺は必死になって追いかけていた。
イタチへの復讐のために里を抜けて大蛇丸の下へ行くとサスケは言う。
俺はどうしてかそれを必死に止めたくて、止めたくて、アイツの背中を必死になって追いかけていた。

(違う)

イタチは一族殺しなどしていないし、サスケは復讐者でもない。
呪印を付けられたのはサスケでは無く俺で、自来也から螺旋丸を習っているのもサスケ。

これは一体誰の記憶だ?

酷く頭が痛い。
誰が何のために俺にこれを見せているのか、今すぐにでも見つけ出して殺してやりたい衝動に駆られる。

(やめろ、)

伸ばした手は届かない。
千手柱間とうちはマダラの像が並ぶ渓谷で、二人は向き合って殺し合う。
叫びは声にならず、初めての友人に倒されて、"うずまきナルト"はその場に気絶していた。

(なぜ)

膿んだ傷口を錆びついた刃物で何度も傷つけられているような痛みだった。
思わず心臓部分を抑える。

…痛んでいるのは心だ。
置き去りにされた心が、古傷に血を流している。

(痛い)

抱えきれない痛みに思わず蹲る。
ナルト、と腹の中の相棒が呼ぶ声にも反応できず、水の中に沈んでいく感覚だけに支配される。
やがて脳にまで到達した痛みに、意識がそっと遠のいた。









「あーもう!一体何が起きてんだよ!」

訳の分からない事態に頭が痛む。
漸く螺旋丸を完成させて、あとはあのふざけたババア説得させて木ノ葉に帰るだけだっていうのに、知らないところで何かが色々起きているらしい。
一度だけナルトにお願いして写輪眼の状態で螺旋丸を見せてもらったのでそう無茶な事はせずとも取得は出来た。
しかし喜びのまま報告に行った先には、宿のベッドで眠ったまま目を覚まさないナルトと、部屋の中で気絶するように倒れていた綱手と共にいた黒髪の…確かシズネとかいう女。

「おい!どうしたんだ!」

そう叫んで揺すり起こせば意識を戻した。
かと思えば、今は何曜日かと尋ね困惑しながら答えると慌てふためいた様子で部屋を飛び出そうとする。
飛び出した先には綱手に薬を盛られたとフラフラになった自来也。

訳が分からず頭を掻き毟って叫ぶ俺。

というのが今の現状である。


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