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ミゲル・マルシベールと云う男
クリスマス休暇
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クリスマス休暇に突入し、静まり返ったホグワーツをミゲルとセブルスはそれなりに楽しんでいた。上級生に気を使わなくても座れるソファに視線のない校舎。一応規則正しい生活を心が得ていたが、授業に追われるわけでもないゆったりとした朝を2人で堪能していた。
「セブルス、今日は紅茶の入れ方を教えてやる。ほら、こっちへおいで」
「そんなこと覚えてなんになるんだ。まったく、お前はたまに変なことを教える」
ミゲルの家から届いたというミゲルお気に入りの茶葉を慣れた手つきでティーポットに入れるミゲルはその問いにケタケタと笑った。
「なんのためになるってそりゃ美味しい紅茶が飲めるだけさ。ティーポットもカップも温めておく事をわすれるなよ、それだけで味が落ちる」
紅茶の入れ方講座をそのまま続行するらしいミゲルにセブルスはため息をつきつつ相槌を打つ。
こうなったミゲルはおとなしく教わる事が一番平穏に終わると学んだからだ。あれは、髪の洗い方講座の時だ。面倒だと言ったセブルスに対するミゲルの論理的説明はある一種の恐怖をセブルスに刻み込んみ、それ以来、セブルスはミゲルの話は一通りおとなしく聞く事を心ががけるようになった。
「お湯は熱湯に近いものを人数分勢いよく入れ、すぐに蓋をしティーコジーを被せてらす。今日はあのダークグリーンのカップにしよう。セブルス、とってくれ」
言われた通り並べられたカップの中から深い緑の線の入ったカップを取り出しミゲルに手渡した。
「3、4分蒸したらポット内を一度スプーンでかき混ぜて温めたカップに濃さが均一になるように回し注ぐ。茶葉の種類によって蒸す時間が変わってくるがまぁ、それはまた教えよう。
ほら、飲んでみろ」
「……うまい」
差し出された紅茶に口をつけたセブルスは思わず口に出した。
「全然違うだろう?気を利かせたつもりの馬鹿女どもは適当にお湯を注いでカップに打ち込めばいいと思っているのか知らんが正直飲めたものじゃない。この休暇でみっちり入れ方を教えてやるから新学期からお前が入れてくれよ、セブルス」
確かに全然違う。セブルスはそう思った。今まで飲んできた紅茶はただのお湯だったかのようにミゲルの入れた紅茶は色も香りも味も全てが違った。そして、それを覚えさせてセブルスに入れさせる事が目的なのだと気づく。
「そういうことか。外面を良くするのも大変なものだな」
「全くもってその通り。大変なんだよ、俺がお前のような友が欲しいと言うのも理解できるだろう?」
みんなに好かれる名家の美少年を貫いているミゲルにとって好意を無下に断る行動はまず取れない。だから寮の女どもが入れた美味しくもない紅茶も笑顔で飲む。だが不味いものは不味く、飲まなくていいなら飲みたくないと言うのが本音だろう。そこでミゲルはセブルスに紅茶の入れ方を伝授しセブルスに入れさせればいいと考えたのだ。唯一親友のごとく接しているセブルスが紅茶を淹れるのならミゲルは彼の紅茶が一番好きなんだと笑うだけでいい。
「まったくお前はズル賢いな」
「高貴なるスリザリン生だからね。セブルス、昼には図書館へ行きたい。課題を進めておきたいし気になる本ができたからね。」
「仰せの通りに、友よ」

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