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それは神の技が現れるための
掃き溜めの様な街にて 04
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愚かな事に母は、最後の最後まで父に合わせるという事をしようとはしなかった。

母が死に、少しづつ加速しながら僕の環境は急変する。

まず、ウォード家がなくなった。
噂で聞いたところによると、マリィの体調が突然崩れ、ウォードおばさんは良くしてもらっていた男の街へ療養も兼ねて転がり込んだらしい。
急だった事らしく、ディオに知られることはなかった。

まぁ、どうでもいい事だ。と、そう思った。最初のうちは。

ウォード家でもらっていた駄賃はそこらで子供が働くよりは稼げる額をくれていた事をその時初めてディオは知ったのだ。

家に持って帰る額が減り、酒代が無くなった父はそれを理由に僕を殴る様になった。
だから、ディオはさらに働くしかなかった。働いて酒を与えて与え続けて眠らせる。

眠らせてしまえば、暴力を振るう事のない優しい父になるのだとそう思った。

ウォード家からくすねて貯めたお金は使わなかった。どうしてかと聞かれれば自分でもよく分からなかった。今思うと、自力で貯めた貯金箱を壊したくない。そんな気持ちに近かったのだろうと、そう思う。



そして、ディオは父の暴力に意味がない事を程なくして知る。

父の暴力が、自分の地位を確認するための手段であって相手や相手の行動なんていうのは全く関係なく、ただそこにあるから殴るそれだけだという事を知ったのだ。

それでもディオは酒を与え続けた。与えていればいつかは眠る。そうすれば優しい父だと言い聞かせて。
あの時まだ、ディオは父を嫌ったり、憎んだりはまだしていなかったのであろう。







そしてしばらく時が経ち、事件が起きた。雨の日だった様に思う。

やけに重苦しい日だと思いながら帰路に着いたディオの前に飛び込んできたのは、母の唯一の形見である古びたドレスを質屋に入れる父の愚かな姿だった。
あの時に感じた怒りは今でも忘れられない。あんな甘ちゃんな母親に対し自分が愛情に近いなにかを持ち合わせていたことに驚くとともに、父に対する憎悪が芽生えた。

そしてディオは、父を殺す事を心に決めたのだ。

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