Home > Text > Book > List > Page それは神の技が現れるための 再会の鐘が鳴るとき 01 [2/6] わたしは目が見えないから人一倍努力しなきゃいけないの。 そんな言葉が口癖になってからどれくらいの時間が経っただろう。 お母様と新しいお父様と新しい街。 お父様は優しいし、マリィのためにと色々なことをしてくれてマリィは1人で一通りのことができるようになっていた。 杖を片手に近い距離なら外出もできるようになった。点字を知って自分で本を読めるようになった。 わたしの周りはどんどん変わってわたしも変わった、きっといい方向へと進んでる。 そんな確信すらマリィは感じていた。 きっと、幸せに近づいているのだとそう思った。 なにもなかったあの部屋から外に出て一歩一歩近づいていると。 第一歩は、きっとディオ。あの湿っぽい部屋の記憶。 いつも優しい声で嫌々本を読んで聞かせてくれたディオの声だけはどんなに時間が経ってもきっと忘れることはできないとマリィは思う。 何も持ってなくて、部屋でずっと1人で過ごしていたわたしに、いつも小さな嘘と沢山の世界をくれたディオだけは。 わたしの世界の根本はディオだから。 「ディオ、あなたの、あなたの声が聞きたいわ。」 そんなマリィのつぶやきは静かに消えた。 [前へ][次へ] 7/16ページ [Back] [Home] |