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神が私を殺すまで
不老不死の魔女
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乾いた風が頬を撫でる、星の綺麗な夜だった。
カイロにある大きな屋敷でセラはひとり、ぱらりぱらりと本を読む。
1人で住むには大きすぎる屋敷からはそれ以外の物音は一切しない。一定の速度で紙をめくる音だけが響いている。
カタリ、とベランダから音がした。
セラが目を向けるとそこには瞬く星に負けぬほど輝く金の髪を持つ男が静かに佇んでいた。
妖しげな雰囲気を纏い、口ものは艶美に弧を描いている。
「女、ここは貴様の屋敷か?」
「ええ、そうですよ。」
そう答えると同時だった。風が吹き抜けたかと思うと男はセラの目の前に立っていた。
「ならば私に寄越せ。」
さも当然と言わんばかり男はそう言う。
セラは一瞬驚き、目を伏せる。そしてしばらくの沈黙の後、答えた。
「いいですよ。」
その言葉に今度は男が一瞬眉をあげる。
「私を殺してくれるなら。」
これがセラとこの奇妙な男のはじめての邂逅だった。

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