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神が私を殺すまで
不老不死の魔女
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私を殺してくれるなら
そう、この女ははっきりと口にした。その言葉は淀みなく、澄んだまっすぐな目でDIOを見つめていた。
しばしの沈黙。
「いいだろう」
その言葉とほぼ同時にDIOはその屈強な腕を目の前の女の細い首目掛けて振り下ろした。
ゴキリと嫌な音が響き、女が倒れる。みるみる血溜まりが広がり床を汚していく。それをさして気に止めるでもなく、DIOは部屋へと入っていく。ここは私の屋敷だと言わんばかりの足取りで。
入り口の扉まで歩いたところで先ほどの女の声が部屋に響いた。
「嗚呼、まだ、約束を果たしていただいておりませんよ」
その声にDIOはゆっくりと振り返った。
「また死ねませんでした」
そこには血溜まりで白いネグリジェを赤く染めた先ほどの女が詰まらなそうに座っていた。




「私は、セラ・バルトン。死ぬ方法を探して無駄に生を消費する、しがない魔法使いです」
何故か歓迎されたDIOは、出されたワインに舌鼓をしながら女の話に耳を傾けていた。
どうにも奇怪なこの女に興味が湧いたと言えば聞こえがいいだろうか。女の何かがDIOの琴線に触れたのだろう。
「貴方、人間ではないでしょう?私を殺してくれそうでとっても素敵」
血にまみれた白い服から真紅のワンピースに着替えたセラはおつまみのチーズやオリーブを置きながら楽しそうに微笑んでいる。
血のように注がれるワインは月の光で反射して怪しくゆらめていた。
「貴方がここを使いたいと言うなら使ってもらって構いません。代わりに私を殺してくださいな」
「ほう、まだ死を望むか。よほどの物好きだな」
開いたグラスにワインを注ぐセラをDIOは鼻で笑った。
「かれこれ300年ほど望んで唯一手に入れられていないものですので。私はそれがどうしても欲しいのです」


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