いつもこうなるかな!?





咄嗟のことに固まってしまっていると
鶴丸がバッと前に出て私を隠すように立った。


血の海が見えなくなったので有り難いけど
あちらさんからは丸見えなんだよって知ってる?

血走った目でこちらに駆けてくる男が思ったよりも
近くに来ていて、もうダメかもと思った時。



その振り上げたナイフを何かが弾いたかと思うと同時に
男はドサリと倒れ込んだ。


ん? ええっと、何事かな?
そう思って鶴丸を見ればいつの間にか刀を手にしていた。

え、ちょ、おま、斬った!? 斬ったんか!?

そう焦って鶴丸と男を交互に見れば、
白いじじいはハハッと笑って刃を見せてきた。


「ははっ、なあ君、よく見ろ。抜刀はしていないぞ」

「……本当だ。良かった……」

「まあ骨の一、二本は折れていてもおかしくないが」

「えっ」



いい笑顔で言う鶴丸にお礼を言いつつ困惑していると、
救急車やパトカーのサイレンの音が聴こえてきて
一安心する。と、いつものあの高い声が聞こえた。


「千紗姉ちゃん! 大丈夫だった!?
悲鳴が聞こえたと思って来てみれば千紗姉ちゃんが
いて、ボク本当に焦ったんだからね!」

「え、いや、あの……すみません。
でも大丈夫だよ、無傷だし。それに実は現場も
そんなに見てないんだ。だから体調も大丈夫。
心配掛けちゃってごめんね」


そう言って頭を撫でれば恥ずかしそうにしながらも
安心したように息を吐くコナン少年に癒されていると
コナン君! とどこからか声が聞こえて
眼鏡の男の人が姿を現した。

あれ、この人見たことあるぞ。
記憶を掘り起こしていた私は件の洗剤事故を思い出し
思わず声を上げたのだった。






(おやまあ、まさかここでまた会うとはなぁ。
これは仕方ない、三日月に報告案件だな)







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