どうして





「はい着いたー」

「おお、ここがこんびにか!」




店内へ入ると、鶴丸は分かり易く目を輝かせて
キョロキョロと店内を見回していて
その姿はちょっと面白かった。



「お、これは何だ?」



鶴丸が指差したのはホットスナックの機械だった。



「あ、それ?ホットスナックって言って、温かい揚げ物とかだよ。
その機械に入れて保温してるの」



そう答えれば、へぇ、と呟いてじっと見つめた。

その視線の先には肉まん(特上)。




「……食べたいの?」

「えっ、あ……ああ!」




ちょっと戸惑って恥ずかしそうに頷いた鶴丸が
なんか可愛くて、私はつい快諾した。

まあ元々何かしら欲しがったものを
買ってあげるつもりではいたから良いんだけど。



三日月用のプリンと自分用の白玉餡蜜を手に取って
レジに向かい、肉まんをひとつ注文してお金を払う。


プリン、白玉餡蜜と肉まんの袋を別にしてもらい
鶴丸を連れてコンビニのドアを出た。




その時。








キャァアアア!!!!!



女性の叫び声と男性の怒号が聞こえ、

倒れて血を流す男性とこちらに向かって
ナイフを握り締め走ってくる目のおかしい男の姿が
目に飛び込んできた。




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