「ふふ」
「……何が面白いの」
「だって晶馬くんが可愛いから」
男を可愛いと思うなんてどうかしている。というか今のどこに可愛いと思えるような要素があったのだろうか。やっぱり変だ、変態だ。
加えてこの密着した状況に危機感を持っていない彼女に一言物申したい。自分の腰に男のてがあるのを振り払いもしないのはどうかしている。
「荻野目さん」
「なあに?」
また彼女は一段階眦を下げる。僕のすべてを赦して受け入れる、そんな表情にこっちが何も言えなくなるのを彼女は知っているに違いない。そうじゃなかったらやっぱり、変だ。
ゆっくりと頬を指と手の腹でなぞって、おしゃべりなことばに影を重ねてみる。大きく見開いた瞳には拗ねているようにも見える不機嫌な自分が映っていた。
「ほら、可愛い」
ダメだ。そんな愛おしそうな表情で微笑まれたら、もう。
「晶馬くん」
「……なに、荻野目さん」
「愛してる」
縋りたくなるような、とても幸せな甘い