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10th. Jan 2022

Once upon a time あるところ
強欲傲慢尊大な 酷い男がおりました

慈悲の心も持たぬ彼 怪物とさえ噂され
千客 万来こきおろし 果ては神さえ白眼視
飾らぬ老婆を侮れば 到頭神罰下されし
遭えば災難 老婆は神眼
呪いのかかった男は 愛を求めて息をする


彼の館は薔薇の城
紅玉、真珠、瑠璃に翡翠
色とりどりの薔薇一本
旅の商人 頂戴せんと手を伸ばす

薔薇の強盗商人に 怒り心頭男は
慈悲なき命令 科すところ
「お前の娘 館に連れて寄越しなさい
これはけじめ お前の素行の罰なのだ」
 
泣く泣く家路 帰る商人
かくして娘 男の城にやってきた


長い歳月 悲劇は流れ
男は娘に愛を抱く
あと少し 彼の呪いの解れまで
あともう一歩ともう半歩

娘は男に希う
「少しのあいだ 帰してほしい
私の愛しき 家族の元へ」
男渋々これ承知
娘は館を去ってゆく

されどもしかし これ如何に
いつまで経っても
どこまで待っても
彼女はずっと 帰ってこない


水は喉を通らなく
風は自身を避けてゆく
味も匂いも消え失せて
欲いう欲は失われ
太陽 永劫、沈みつつ
彼の目が写すは 悲しい無

こと切れ寸前 彼の命
薔薇はとっくに枯れ果てて
庭の野草は荒れ果てた


そこに戻った愛する娘
男を抱き上げ涙した
私も愛していたのだと
怪物まがいの彼でも私は……

「あなたを愛していましたわ」

愛しき言霊 鍵となり
男の呪いは解けたとさ

はてさて呪いはなんでしょう
それは────






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