あおいゆめのおと 01



規則的に揺れる車内
することもなく手持ち無沙汰で携帯のストラップをいじりながら、その揺れと学校での疲労からうとうとと、ゆっくり夢の世界へ墜ちていく


……シャン


爪で弾いたストラップが、不思議な鈴の音を響かせた








頭上に広がるは沢山の浮島
逆さにそびえる建物はまるで氷柱のように見える
足元に広がるは星の海
天の川のような道は砂利を踏む感覚が伝わってくる

そんな逆さの世界の中心に、唯一正位置でそびえる建物がひとつ
廃れた神殿
その奥、崩れた王座が淋しく佇む広間に彼女はいた



『ようやくこの時が来ました』


響くヒールの音


『ずっと待っていました。いつか来るこの時を、迎えないことを願いながら』


ゆらめく青い影


『ごめんなさい、ありがとう』


やさしい声


『これから長くなるでしょう。その中で、沢山のモノを視るでしょう』


わたしの頭を撫でる、暖かい手


『でも大丈夫、あなたは強い。わたしなんかより、ずっと強い。

だから、待ってるわ。わたしの可愛い、愛しい子』









……シャン


不思議な鈴の音が、響いた