ソードワールドしようぜ!-Future-
「にしてもルーカス司祭。よくこんなに前世の事について調べられたな。記憶を手繰るにしてもなかなか難しいんじゃないか?」
「それはな、これのおかげだ(懐から取り出していた古びた日記を手に取り)」
「なんだそりゃ?日記?」
「前世に俺達のことを細かく書かれた日記だ。タリアーヘの図書館にひっそりとあってな」
「俺たちについて?そんな日記誰が……」
「…(ゆっくりと瞳を閉じ)…日記の著者は『フェリシアーノ』。レプラカーンの冒険者にして前世の俺達の中で最後まで生き延びた男の名だ」
「ッ!!!(フェリシアーノの名前に誰よりも過敏に反応し)」
「フェリシアーノ…レプラカーン……そうか、前世の…(口元を手で覆いながら呟き)」
「最後まで生き残っていたのは彼でしたか……(目を伏せて呟き)」
「俺の前世の記憶でもあいつが生前文字を読み書きしたいから教えてくれとせがまれたこどは覚えている。だがこんな事ばしてるとは考えなかったな(テーブルに日記をそっと置きながら)」
「……俺ももうおぼろげだけど覚えてる。あいつ、紙とペン欲しがって……そっか……(ぎりぎりと下唇を噛み)」
「なあ、この日記にはどんな風に昔の俺達を書かれてたん?それと俺達が居なくなってからフェリちゃんは……何を書いとったんやろな(日記を見つめながらロヴィーノの肩を叩き)」
「……フェリシアーノには悪いですが、読んでみますか?(目を伏せたまま)」
「そうね。きっとその日記は昔のキクちゃん達に何かを伝えたいことが書かれているのかもしれないね。……と、(ドアが開く音に反応し振り返り)ルートヴィッヒ、おかえり」
「ああ、今戻ったが……どうした?随分と辛気臭い雰囲気が漂っているが(扉に手を掛けたまま固まり)」
「ちょうどえがった、一番読ませたい奴のお帰りだ。ルートヴィッヒ、こっちさ来い。前世のフェリシアーノの日記を今から読むところだ」
「(ぴくりと反応し)フェリシアーノの?……分かった(ルーカスの近くにあった空いている椅子に腰掛け)」
「あれ、フェリシアーノさんは?(きょろきょろとルートヴィッヒの背後を確認)」
「フェリシアーノなら依頼人の息子に捕まってな。少し遊んでから来るそうだ(苦笑を浮かべ)」
「(ルートヴィッヒが着席したのを確認し)日付とかは省くぞ。まず書き始めだな」
* * *
フランしスにいちゃんからノートもらつた!今日からにっきつける。たくさん楽しいこと書きたいな
* * *
「はは……拙い文章だな。フェリちゃんらしい(優しい眼差しでページを見つめ)」
「ここ、字間違ってるね(くすくすと笑いながらページを目で追い)」
「ノートを渡した時のフェリシアーノ、まるで宝物のようにノートを抱えていたのを思い出したよ。懐かしいなあ」
「ああ、そういえば……ノートを自慢されたような気がします(目を細め)」
「続けて読むべ」
* * *
今日はいい天気!日向ぼっこしてぬくめく!お日様ぽかぽかだからロヴィーノにいちゃんがふかふかってお耳さわってた!にいちゃんがうれしそうなの、おれもうれしい!
* * *
「……っ、俺、この日……覚えてる……っ。フェリシアーノのやつ、すごく嬉しそうにしてた……(口を手で覆い)」
「うん。俺も覚えてるわ。ふたりともあん時は血は繋がってなかったけどほんまの兄弟みたいやったもんな(こくこくと頷き)」
「いっつも一緒にいましたよね(懐かしさで頬を弛め)」
* * *
アルフレッドはトーニョ兄ちゃんのがんがかっこいいって!おれたちもばばーんとうてたらいいねって武器改造したけどばばーんとできないや。イヴァンならできるかなって聞いたら困った顔してた。ギルベルトにあめもらったからばばーんって出来なくてもいいや!
* * *
「……そ、っか……俺、銃に憧れたのって……(アントーニョの方をじっと見つめ)」
「そういえばいつもアルフレッドこっちをきらきらした目で見とったん覚えてるわ(くすくすと微笑み)」
「そうそう。フェリシアーノ君もアルフレッド君も、アントーニョ君とクエストに行った帰り……毎回僕にあれ出来ないかって聞きに来てたよねえ(小さく頷き)」
「お前ら結局アーティザンの力使ってもガン使えなくて落ち込んでるの覚えてるぜ。イヴァンも困ってたから元気出せーって飴やってたっけ」
「アーディザンでは銃に影響させられなかったからね。……うん、懐かしいな」
* * *
メグちゃんはフランシスにいちゃんと居るとね、ほわほわーつてするって。俺もね、ルートと居るとほわほわだよって言ったら頭撫でられた。日記もたくさん書いたからがんばってるねってメグちゃんにしおりをもらったよ。そのしおりにルーカスにスタンプも押してもらった!俺がんばってるって!
(日記のページには古びた花の栞が挟まり、その栞の裏にはよく出来ましたと書かれたスタンプが押されている)
* * *
「あ……(栞が視界に入るとじわりと目尻に涙が滲んで慌てて袖で拭い)……言いました、僕、フェリシアーノさんに……この話……僕、覚えてる……覚えてた……」
「……(ヴェールを深く被り直し)」
* * *
キクとアーサーはいつもふたりいっしょだけどキクはアーサーがゴシュジンサマ扱いするのが嫌だって。たいとうでいたいって。俺にはよくわかんないけどキクはアーサーが好きなのわかるよ!アーサーもキクにもらったペンダントいつもつけてて大好きなんだね!
* * *
「(目頭を押さえ)……そうですね。ええ、貴方にそんな話をしましたね。貴方にはたくさん、アーサーさんに関することを相談しましたね……」
「……っ、ああ。フェリシアーノと居るといつも心が穏やかで…俺達は気付かないうちに救われていたのかもしれないな(キクの頭を撫でながら鼻を擦り)」
「(アーサーの胸に顔を埋め)知らずに、私たちは……あの子の優しさに……ええ、ええ……」
* * *
ルートがぼろぼろなの俺は嫌いだから帰ってきたら俺がお薬用意したよ!ギルベルトもいそがしいから俺がおてつだい!いたいのずっと続くのは苦しいもん。俺もルート痛いのは嫌だもん。包帯ぐるぐるなルートを見てるだけなのはいやだなあ。ずっとルートのそばにいれたらいいのに
* * *
「これは……外部遠征の付き合いに同行した後か……そうだったな。あいつは俺が傷だらけで帰ってくる度に泣きそうな顔で包帯を持ってきたり薬を用意したり……(目元を掌で覆い)」
「……そうだな、いつもフェリちゃんはお前の帰りを待ってた。薬箱抱えて涙ぼろぼろ零しながらお前に包帯巻いて…ああ、この時からお前とずっと傍にいたいって思ってたんだな」
「……(ゆっくりとページをめくると小さく息を飲み)ここからは辛い内容だが、読むか?」
「(鼻を小さく啜り)……続けてください。彼が残したものを、私は知りたい」
「……読もう。フェリシアーノの悲しみや葛藤を俺達は受け止めなければならない」
「俺も……覚悟は出来てるよ」
「そうけ。見たくない奴は目をそらしとけ」
* * *
ルートがいない。ルートのおはようって声がきこえない。頭なでてくれなくてはぐもしてくれない。ねえ、どこにいったのルート。俺、さびしいよ。おみやげなんていらないから早く、早く帰ってきてよ
(ページには何かが零れた染みが点々と残っている)
* * *
「――ッ、これ……(口を覆い)」
「…………っつ(自身の腕を強く掴み)」
「…………二度と帰れなかった、日(小さな掠れ声で呟き)」
「……あの時のフェリシアーノは俺達の前で泣きじゃくることはなかったから……そっか、部屋で日記を書きながら(すっと瞳を閉じ)」
「僕たちが心配になるくらい明るくて……その代わり……こんな……っ(両手で顔を覆い)」
* * *
キクもアーサーも兄ちゃんもトーニョ兄ちゃんも居なくなった。幸せそうに笑ってつがいになってよりそってねむってたって。ねえ、みんなはちゃんと良い夢を見れているの?みんながしあわせなら俺は泣いちゃダメだよね。でもなんでかな。すごく、すごく悲しいよ
* * *
「ああ……ああ……ッッ!(嗚咽を噛み殺してアーサーの胸にしがみ付き)」
「ごめん……ごめんフェリシアーノ……っつ、俺は……お前をっ(キクを抱きしめながらこみ上げてくる熱を冷ますように声を荒らげ)」
「ごめんな……フェリシアーノ……気付いてやれなくて、ごめんな……っ(ぐしゃぐしゃと前髪を握り潰して声を絞り出し)」
「……っ、俺らの気持ちなんて尊重せんで……泣いたらええのに…フェリちゃん、ほんま……ほんま優しい子やで(服の袖をぐっと握り体を震わせながら)」
* * *
かみさま、どうしてギルベルトが悪いって決めつけられるの?イヴァンや俺達をいじめるの?だってギルベルトはあめをくれたり怒ってくれたり傷を治してくれてり誰よりも人のことを思ってくれたのに。やめて、ひどいよかみさま。ギルベルトとイヴァンをつれていかないで。俺の大切な人つれていかないでよ!
* * *
「……処刑の日(感情の色を失くした表情で呟き)」
「ッ、僕が……僕が神に堕ちた日のことだ……そうだ、僕、笑ったんだ……ギルベルト君が殺されて……笑ったんだ……泣きながら笑って……それから、それから……ッ、(錯乱したように頭を掻き毟り)」
「(イヴァンの手首を掴み)……もういい。いいんだ、イヴァン。今は俺達はこうして生きてる」
「――ッ!(はっとした顔でギルベルトを視界に捉え)そ、う……だ、ね……皆、生きてる……ギルベルト君も、アーサー君も、キク君もルートヴィッヒ君も……」
* * *
ルーカスがアルフレッドはもう帰ってこないって言ってた。一緒のクエスト帰りにはぐれたってぼろぼろになってそのままルーカスも寝ちゃった。メグちゃんも居ない、フランシス兄ちゃんもどこかに行って、まるで俺だけとりのこされたみたい。でも守らなくちゃ。イヴァンやアルフレッドがかえってきたらおかえりって言われるの、嬉しかったから
* * *
「ああ……そっか、この日に俺、殺されちゃったんだっけ……」
「俺はおめを看取って、その帰りにそのまま力尽きたんだっけな。…守らなくちゃ、か」
「(小さく頷き)……覚えてるよ。俺、フランに酷いこと言ったよね。……俺の分まで生きて、だなんてさ……」
「……そうだ、俺はあの時メグちゃんが死んで…アルに生きろと言われて……それから…それから神格に目覚めたんだ(片手で顔を覆いながら思い出すように呟き)」
「(そっとフランシスを抱きしめるように肩を抱き)……貴方には、たくさん背負わせちゃって……ごめんなさい」
「(首を横に振り)……いいんだ。道は違えてもこうしてふたりにまた出会えたんだ。だから、ふたりの約束は決して苦ではなかったんだよ」
「遅くなってごめんよ。……もう一度言わせてくれるかい?……おかえり。そして、ただいま(フランシスに微笑み掛け)」
「……っつ!…ああ、ただいま。そして……おかえり、アル(泣きそうになるのを堪えながら微笑み)」
「はは、泣き虫なのはあんまり変わらない?……なんて、俺も泣きそうだからお相子だけどね(誤魔化すようにくしゃりと表情を崩し)」
* * *
冒険者ギルドに誰もいなくなってお化け屋敷みたいに蜘蛛の巣や床に穴が空いちゃった。でも大丈夫!俺がちゃんとギルドをピカピカにするよ!皆が帰ってきてもいいように俺頑張る!そしてね、遅いよーって怒っておかえりってぎゅーってするの!
* * *
「……(唇を噛み締めながらページを捲り)」
「……ッ、遅く、なってしまい過ぎましたね(心成しか涙声で呟き)」
「ああ……随分と待たせたようだ(キクを抱き締める力を強め)」
「……(泣きじゃくって目や鼻を何度も何度も擦り)」
* * *
日記を書いててね、俺沢山文字も書けるようになった。悲しいことも辛いことも嬉しいこともいっぱいいっぱい書いた!でもね、独りだったらね、書くことがこんなにも少なくて、こんなにも苦しいんだね。おかしいなあ、俺皆と会う前は独りでも平気だったのに
(書かれている文字はところどころぶれている)
* * *
「強がるな……こんなところで強がらなくたっていいんだ……もっと、もっと曝け出してしまえばよかったんだ……(手で覆い隠した瞳から涙を零し)」
「……っ(涙がこぼれそうなのを耐えきれず顔を後ろに背け)」
「……まだ、続きがあるの?(涙で掠れた声で尋ね)」
「……あと2ページあんな」
「……最後まで、きちんと読んであげよう。それが先に舞台を降りちゃった俺たちに出来ることだよ」
* * *
猫になりたいな。高い所に登って昼寝して狭い所を歩いたりマタタビでごろごろしたり…ルートの足の上に乗って喉を擽ってもらったりキクやメグちゃんに撫でてもらってギルベルトに小魚を貰って……そして寂しい子にいつでも寄り添ってあげるの。そしたらね、俺も一緒に泣いてあげるの。悲しいことは半分こして嬉しいことは2倍になるの、素敵だよね
* * *
「フェリシアーノ……夢、叶ってるぞ……自由に生きてるんだ……俺たち、自由に走り回って、日向で寝て……夢、叶え……っ!!(ぼろぼろと涙が止まらずにその場に蹲る)」
「……フェリちゃんらしいなあ。猫なりたいって(鼻をすすりながら蹲ったロヴィーノを抱きしめ)」
「……ルーカス、最後のページは」
「……(袖で目元を拭いながら最後のページを捲り)」
* * *
さいごだから、わがままかいちゃおうかな。ねえさびしいよ。くるしいよ。みんなにあいたい。みんなのところに生きたい。みんなのぶん、おれはがんばっていきたよ。だからほめてくれ
(お世辞にも読み取りにくい文字はここで点々とした染みとともに途切れている)
* * *
「ッッッ!!!(嗚咽が漏れ)」
「(鼻を擦りながら目元を擦り)何度見てもダメだな……堪えちまう」
「フェリシアーノは……きっと俺たちの帰りを待つために1日でも長く生きようとしていたんだね。それが……どれだけ辛かったことか(口元を手で覆いながら苦しげに言葉を吐き出し)」
「……大丈夫だよ、フェリシアーノ。君はきちんと、俺たちのいるところに来たんだから。……だから、心配しなくていいんだよ(何処かぼうっとした表情で呟き)」
「……っ(指で目尻に浮かんだ涙を拭いながら)俺達はフェリシアーノにちゃんとありがとうって返せているだろうか」
「(顔を上げて不格好に笑みを作り)せめて『フェリシアーノ』が成し得なかった平穏を、少しでも……」
「……だな。今だからこそ、フェリちゃんをたっぷり甘やかせるってもんだ(目元を潤ませながらも笑みを無理やり作り)」
「僕、フェリシアーノさんが帰ってきたら抱きしめてあげますっ。メグがしてあげられなかった分も……!」
「せやな!俺もフェリちゃん帰ってきたら頭撫でたるねん!」
「おっ、俺も!俺も甘やかしてやるんだからな!!」
「(皆から遠巻きに見ていたが活気立つ様子に微笑ましそうに頷き)……っと、噂をすればだよ」
「(ドアベルが鳴るとゆっくりと扉が開き)にゃー、尻尾はむはむされちゃったよぅ…」
「フェリシアーノっっっ!!(飛び掛かる勢いで抱き着き)」
「ふにゃあっ!?(受け止めることが出来ずその場に倒れ込む)」
「(ぐりぐりと匂いを移すように頭を擦り付け)絶対!絶っっっっ対!!離してやんねえからな!!!!」
「フェリちゃん!俺もよしよししたるで!!(2人の後ろからにゅっと腕を伸ばして頭撫でる)」
「??ふたりともどうしたの?(きょとん)」
「ぼ、僕も!(フェリシアーノの問いに答えずにフェリシアーノの空いている手を掴んで側面から抱きしめ)」
「(フェリシアーノの元に歩み寄り目線が合うようにしゃがみ込み)フェリちゃん、どこも怪我してねえか?飴は…今ねえけどあとでやっから」
「(普段と様子が違う皆を見渡し)皆どうしたの?何か悲しいことがあったの?」
「(慈しむような表情でおしくらまんじゅう状態のフェリシアーノを見つめ)……ただいま、『フェリシアーノ』」
「うん。…ただいま、『フェリシアーノ』」
「(静かに頷き)……遅くなってしまって、すみません。『フェリシアーノ君』……ただいま、帰りました」
「……(3人の言葉にぼろぼろと涙を零し)あ、あれ?なんでだろ…俺、なんで泣いて……っつ、だめだ、止まらないや(目元を拭うも涙は止まらない)」
「(フェリシアーノの肩を優しく叩き)いいんだ。もう……泣くのを我慢しなくていいんだ」
「(椅子から立ち上がり場所を開けてもらい)……行ってくる、ただいま、どちらも言えなかったな。……フェリシアーノ。ただいま。……おかえり(泣いているフェリシアーノを優しく抱きしめ)」
「っつ……っルート!ルート!!(ルートヴィッヒの胸もとに顔を埋め)俺、寂しかったようっ!ルートや兄ちゃんや、皆が、居なくてっでも、皆が帰って来てくれるって信じて……うわああああんっ!!(溜まっていたものを押し出すように声を挙げて泣きじゃくる)」
「(ぽんぽんとフェリシアーノの後頭部を撫で)済まなかった……お前に全部を背負わせて……明るく振舞ってくれて……ありがとう……」
「ふええっ……っぐ、だっ、だってね。だって俺(ゆっくりと顔を上げルートヴィッヒと視線を合わせ)皆が大好きだから、嫌じゃなかったんだよ(涙を流しながらもふわりと微笑み)」
「っつ!(喉奥に込み上げる熱を飲み込み)……ああ、お前のその言葉でどれだけ救われたか……」
「……たく、大の大人が揃いも揃って泣くとか…周りに笑われちまうな(鼻を啜りながらも微笑ましそうにフェリシアーノ達を見つめ)」
「大人だって泣きたい時はあるんです……ええ、こんなにも健気な待ち人の言葉を泣かずに聞くなど無理ですもの(目元を押さえて涙を誤魔化し)」
「ならその待ち人の情報をひとつ教えてやる。フェリシアーノの日記ば教会の図書館にあったっつたな。実はあれはとある所の寄付の品だべ」
「寄付?(話を聞いていたのか割り込み)」
「ああ。寄付品の納品書にはこう書かれていた。『冒険者ギルドマリアリリィより寄贈』ってな」
「マリアリリィ?……ま、まさか……」
「そういえば祖父が昔古びた日記を書斎の本棚で見つけてそれを寄付したと聞いたけど…」
「ここが…前世の俺達が居たギルド?」
「……って、ことは……フランソワってフランの親族?(フランシスとフランソワを見比べ)」
「家系については詳しく聞かされてはいないけど…でも他人と思えない感じはしてたんだよね」
「うん。実は俺もそう思ってたんだよね…」
「レディの……いやしかし過去の私は確かにフランシスに対して甘かった……つまり……(混乱中)」
「ま、フランソワとフランシスが血縁かどうであれ分かったことは……フェリシアーノは確かに守ったんだ。名前は変われど冒険者ギルド…俺達の帰る場所をな(フェリシアーノを横目で捉え)」
「そうだね。……普段は弱虫のくせに、ここ一番でいいところ持っていくんだよ。フェリシアーノは(未だもみくちゃにされているフェリシアーノへと優しい視線を送り)」
「ふふふ、そうね。フェリシアーノはそういう子だもの。……と、ルカちゃんもお疲れ様。よくフェリシアーノの日記を見つけたね」
「ああ、日記ばフェリシアーノさつけてたのは知ってたからな。あとはそれが本物か実証すれば問題はねがったべ」
「それでもあの膨大な書架から引っ張り出してきた根性の方が凄いんだぞ……」
「フェリシアーノが伝えてくれてるもんを伝えきれねがったら寝覚めが悪いだろ。…あとそこの神格剥奪され組にも見て欲しかったからな」
「神格剥奪され組って……間違ってないけど(ばつが悪そうに視線を彷徨わせ)」
「悪意しか感じないね。さすがキルヒア信者。その嫌がらせにかける執念はお見逸れするよ」
「キルヒア様(光の速さで反応)」
「そういえば、ラーリスでなくなってもイヴァンのことは嫌いなのですか?(イヴァンを指差しながらルーカスの方を向き)」
「別に。今はでけえ子供みてえなもんだろこいつ。ただしおめの信者は別だ(真顔)」
「ああ……ナターリヤとトーリス」
「あのふたりは悪い子じゃないからね!……そりゃ、ラーリスの教えを今でも忠実に守ってるからその辺はノーコメントだけど(視線逸らし)」
「ナターリヤに至ってはラーリス信者と言うよりイヴァン信者な気もするが…」
「私は未だに忘れませんよ……イヴァンが神格を失ったと聞いても一切ぶれることなく信仰すると宣言した彼女を(真顔)」
「あ、あはは……」
「ところでおめら。キルヒア様の御身を見たってのは本当け?(前のめり気味に)」
「そういえばルーカス司祭はキルヒアを見たことなかったんだな…」
「チッ(思い出して盛大な舌打ち)」
「僕とフランシス君は神格として顔はよく突き合せたよね」
「めちゃくちゃ仲悪かったよね、イヴァン」
「多分今顔合わせても喧嘩する自信ある……」
「…………あ」
「?どうした、アルフレッド」
「……俺、キルヒア会ったことある。今思い出した」
「……は?」
「い、いや、本人がキルヒアだって言っただけだから本人かは分かんないけど(若干後退)」
「えっと、その人見た目は中性的な少し飄々とした人だったか?」
「(こくこく頷き)なんか掴みどころなさすぎる感じだった……」
「うん、確定だね。それキルヒアだよ。なにかされた?」
「いや……フランは知らないと思うけど、俺が石になった時あったろ?その時に、屋敷の外で……俺の顔見に来た、みたいなこと言ってたような……」
「さすがキルヒア様。迷える子羊に自らの手を差し伸べるとはなんて慈悲深い!!(天井を仰ぐように見上げ両腕を伸ばす)」
「……(ルーカスのオーバーリアクションに若干ドン引き)」
「うん。俺この姿見たことある。ナターリヤがこんな感じだった」
「ナターリヤはこんなじゃないよ!(必死)」
「どっちでもよろしい(びしゃり)」
「いや同じだから(冷静なツッコミ)」
「……え、えーと……取り敢えず、その時に会ったんだ……ぞ?(首傾げ)」
「(アルフレッドの両肩を掴み)何か変なことされてない?嫌じゃなかった?もしまたキルヒアに遭遇したら大声あげて逃げるんだよ」
「え?い、いや……話しただけだから変なことと言われても身に覚えが……あっ、執着がどうのこうのって話はされたよ(目を瞬かせ)」
「?執着?誰の」
「いや、俺にもさっぱり……ある男が俺に、とか言ってたような気はするんだけど……(首を傾げてうんうんと唸り)」
「……もしかしなくてもそれって」
「……アーサーさん、恐らく予想通りかと」
「……(さっと視線逸らし)」
「え?え?フラン?なんでそっぽ向くんだい???(不思議そうに首を傾げ)」
「知らなくてもいいことってアルヨネ」
「???(助けを求めるようにアーサーの方を向き)」
「あ、あはは…(答えていいものかと悩んでいる)」
「皆、変なの……」
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