ダブルクロスしようぜ!-Parallel-

【ロングチャット】

フランス→フランシス・ボヌフォワ(ひかるさん)
アメリカ→アルフレッド・ジョーンズ(おぼろ)

カナダ→マシュー・ウィリアムズ(おぼろ)

*

「(部屋の燭台の1つの蝋燭の火を吹き)さあ、旦那様。貴方様を夢の世界へと誘う案内人が待ちくたびれないうちにお休みください(マシューに向かい丁寧にお辞儀し)」
「(ふぁ、と欠伸をすると目を擦り)……はぁい。フランシスさん、おやすみなさい……(毛布を被るとふにゃりと微笑みを浮かべて目を閉じる)」
「(会釈から顔を上げ柔らかく微笑み)…おやすみ、マシュー(瞼にキスを落とすと部屋の出口付近の燭台の火を消し一礼をしてから部屋を出る)」

「(部屋からフランシスが出てくる姿を見ると壁から体を離し)お疲れ、執事長。……旦那様は夢の中かい?」
「(寝室の扉をゆっくりと閉めるとアルフレッドの方へ視線を向け)うん。たった今横になられた所だよ。良い夢を見れるように願うのみだね」
「(フランシスの言葉に小さく頷き)……なら、旦那様の憂いを払おうじゃないか。……伝達だ。屋敷内に侵入者あり、数は不明」
「皆仕事熱心で執事長としては嬉しい限りだよ(くすくすと口元に手を添えながら笑い)…他の子執事達ではうちの広い敷地を掃除しきれないだろうね。となると…」
「ああ、執事長。君をご指名さ。君の掃除の手管を見せてほしいからね(眼鏡を人差し指で持ち上げて奥の瞳が妖しく光り)」
「(肩を竦め)久しぶりの掃除だね。腕が鈍ってなければいいんだけど(廊下を靴音を鳴らさずに歩いて行きながらポケットから懐中時計を取り出し)」
「何言ってるのさ。君の腕が鈍るなんてバカなことはないだろう?(フランシスの後に従うように後ろを歩き)……裏手は他の執事やメイドが片付けに回ってるよ」
「(指で懐中時計の蓋を開き時間を確認しながら)嬉しいこと言ってくれるねえ。期待に添えられるよう頑張るけど…ああ、後片付けはいつまでも好きになれないな(通り過ぎる窓から侵入者の死体が散らばっているのを横目で捉え)」
「(ざわりと影が揺らめき)……ははっ、どんちゃん騒ぎ出来るから俺は好きだよ?(死体を見ると興奮したように影がざわつき)」
「こーら。お前はそうやってすぐテンション上がる(歩みは止めないまま後ろを振り返りアルフレッドの額にデコピン)お前の悪いところだよ、ほんと」
「った(デコピンされた額を押さえ)……Sorry,ちょっと楽しくなっちゃってね。久し振りに君とバディが組めるって思うとさ」
「…(懐中時計の蓋を締めポケットにしまいながら屋上に繋がる階段を上り)…その言い方はちょっと狡いよ、アルフレッド(アルフレッドから視線をそらすように顔を進行方向に向け)」
「狡い?なにがだい?(理解していない様子でフランシスの後に続いて階段を上る)」
「何でもないよ。うん、何でもない(屋上に開ける扉を開け)…む、やっぱり夜は冷えるね(外気の冷たさにぶるりと震えながら見晴らしの良い場所へと向かう)」
「(ぶるりと背を震わせ)屋敷のストーブに薪をいれた方がいいかもね……外がこれじゃ中も底冷えしそうだ(眼鏡をかけ直すと見晴らしのいい場所を確保)」

「ん、ここならいいかな。…さてと(ぱちんと指を鳴らすと自身の影が長く伸びその影からスナイパーライフルが出現し)」
「(ぴゅうっと口笛を吹くと影を手元まで伸ばして影の中から観測用の双眼鏡を取り出し)……OK,フランシス。いつでも行けるんだぞ」
「よいしょっと(スナイパーライフルを構える為にその場にうつ伏せになるように横になり)…はあ。スナイプするには最悪のシチュエーションだ。肉眼やへカートのスコープだけじゃ捉えきれないね(スコープを覗き込み目を凝らすも小さくため息をつき)」
「ははっ、その為の俺だろう?(眼鏡を押し上げて双眼鏡を構えると近くの柵に腰掛け)……前方2時の方向、45M障害物なし(冷静に場所を指示)」
「(トリガーの感触を確かめるように引っ掛けている指を軽く曲げ伸ばしし)…了解。いつも通り膝からスナイプ。後に頭を狙うよ(グリップを強く握り狙撃体勢をとる)」
「(こくりと頷き)……対象、向かって左に走ってる。おおよそ10秒で時計台に到達する予想。フランシス、いつでもどうぞ」
「(スコープを覗き込む目が淡い紫色に滲み)…発射(言葉と同時にトリガーを引き遥か遠方のターゲットの左膝を撃ち抜く)」
「目標命中(双眼鏡を覗きながら)……対象、半沈黙。執事長、追撃願います(淡々と状況を告げ)」
「(アクションレバーを引き再びスコープを覗き込み)…発射(崩れ落ちるターゲットの額を撃ち貫く)」
「……ヒット。対象、完全に沈黙(すぐに別の方向を確認し)……11時の方向、2匹。執事長、いかがなさいますか?」
「(硝煙が立ち込める銃口を見つめながら)勿論答えは一つだ。このまま敵勢力を制圧する(アクションレバーを引きながら落ち着いた声色で答え)」
「アイ・サー(冷静に応えると双眼鏡を構えたまま影を伸ばし)……11時の方向の対象、動く気配なし。いつでも狙えます」
「あまりにも統率がとれてないお客様方だね。…これではどうぞと頭を差し出しているようなものだよ(とんとんとマガジンを床にノック後スコープを覗き込み躊躇いなく引き金を引く)」
「(双眼鏡を確認し)目標、沈黙。残数1。……っと、執事長。失礼(背後の壁を上ってきた敵を影で絡めとると有無を言わさずに首をへし折り)」
「(背後で起きている様子を見るも気に止めることなくマガジンを取り出し手早く交換し)新人の子にそっちのエリアを任せたのは荷が重かったかな」
「かもね。終わったら少し掃除の仕方、教えてあげよう、かっ(影から雷を迸らせるとすぐさま双眼鏡を覗き)……11時の方向、前方に移動中」
「そっちの方向に行ったってことは漸く仲間に何かあったかに気付いた様子かな。…お粗末だな(胸を床につけ狙撃体勢に戻るとトリガーを引く)」
「時既に遅し、だね(不敵に笑うと影を自身の周囲に張り巡らせ)……全体的に前進してるね。フランシス、前進してる1匹に他が合流してる」
「束になればなんとかなるとでも思っていたそれこそ稚拙すぎるってものだよ。…と、(遠くにいるターゲットから何かを感じたようにスコープから顔を上げ)…オーヴァードが居る」
「オーヴァード?……シンドロームの兆候とかわかるかい?(双眼鏡から見える敵を観察し)」
「おそらく今俺達が観察しているターゲットのどれかだけど距離が遠くて詳しくは分からないな。…ただ、興奮しているってのは分かる。下手すればジャーム化してもおかしくないくらいにね」
「ジャーム化……OK,近接戦に持ち込んで確認してくるよ。持ち場を離れるけど、いけるかい?(双眼鏡をフランシスの方へと手渡し)」
「精度は下がるけどやれるよ(双眼鏡を手渡す手首を掴み)…気をつけて。お前が殺られるとは考えられないけど油断は禁物だからな」
「!(手首を捕まれて目を瞬かせ)……大丈夫さ、この興奮は誰にも止められない。っはは、殺られるなら殺り返してやるさ(興奮を隠さない笑顔を浮かべ)」
「それも心配のひとつなんだけどなあ(はあと深く溜息をついて)ある程度片付いたら俺もそっちいくから。それまで宜しくね(掴んだ手を離すとアルフレッドの肩を2、3度叩き)」
「(ひらりと手を振り)任せてくれよ、ジャームだろうがオーヴァードだろうが俺たちの旦那様の憂いを払うために掃除するまでさ(ウインクを飛ばすと眼鏡を掛け直して柵を掴み、反対側に飛び出して下へと急降下)」

「おい、どうしたお前さっきから様子…が(仲間に声をかけようとした直後に自身の体が半分に分かれ)」
「ぎゃ、ぎゃあああ化け物おおおお!?(断末魔を挙げる首が勢いよく血潮を撒き散らし吹き飛び)」
「……(既に理性を失っているのか切り裂いた仲間を細かく切り刻み鋭い鉤爪に付着した血を舐める)」

「っふは、見つけた……(ジャームの姿を確認すると唇に歪な三日月を描き)」
「…オオっっ?(アルフレッドの気配に振り返り新たな獲物が現れたことに打ち震えながら荒い息を吐き)」
「見つけた……見つけたよ、君が俺たちの姫君クイーンの憂いだろう?ああ、見つけた……っ、っふふふ、ふははははっ!!!(興奮したように高笑いをするとジャームを見つめ)」
「オオっ…オオオオ…オアアアアアアっっ!!!(雄叫びを体全身を通して上げるとアルフレッドに向かって突進する)」
「ああっ、おいでよ!ほら……めちゃくちゃにしてあげるからッ!!(ぶわりと影が逆立つと自身の周囲を包み込んで影が次々と刃のようにジャームに襲い掛かる)」
「ウガアアア!!ガアアアアアアっっ!!!(体に影の刃が刺さりながらもアルフレッドに迫り鉤爪を大振りで振り上げ)」
「ッ、(避けることなく鉤爪を食らうと額から大量の血を流し)ははっ、はははははッ!!!ほら、もっと啼きなよ!その爪は俺に怯えて振るっているんだろう!?もっと!もっともっとッ!!(影が意思をもって揺らめくと自らの体を操るように笑い)……もっと、痛め付けさせてくれよ?(ジャームの腕を掴むと自身を巻き込みながら影の刃を雨のように降り注ぐ)」
「!?!?!?(鈍い音を立てながら体に影の刃が刺さり)アアァァ…アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!(血塗れになった体をそらすと中枢から末端にかけて体から鋼鉄の針が生えていく)」
「鉄の針?(興奮したままにジャームの体から生えた鋼鉄の針を愉しそうに見つめ)」
「ウボアアアアアアアアアア!!!(強引に拘束している手を引き離すと針鼠のように針を纏った体でアルフレッドに体当たりを喰らわせる)」
「ぐっ、ぁ゛……ッ!?(体当たりを直撃で食らうと膝をつき)……っはは、やるじゃないか……!ほら、俺はまだ死んでないぞ?(不敵に笑うと影が炎のように激しく揺らめいていく)」
「ガ、ア、アアアアアアアアアっっ…(再びアルフレッドに突進を仕掛けようと迫るも額に突然穴が開きその付近も1つ2つと風穴が開く)」
「(興奮冷めやらぬままジャームの額に風穴が開く様子を見つめ)ははっ、流石は執事長。この距離で俺がサポートしなくても確実じゃないか(愉しそうに笑い)」

「アルフレッド!(地面に沈むジャームの背後から急いで飛び降りてきたのか呼吸を少し乱しながらアルフレッドに駆け寄る)」
「(興奮と加虐に彩られた瞳をフランシスへと向け)やあ、フランシス。ご機嫌いかがかな?」
「…っ、(侵蝕のはじまっているアルフレッドに息を呑み)よろしくはないね。お互い」
「そうかい?俺は最高の気分だよ。ほら、見てくれよ……こいつ、こんなに苦しそうに呻いている(血を流しながら立ち上がるとジャームの腹を蹴って笑い)」
「言ったよね。そうやってお前はすぐテンション上げすぎちゃうのがいけないんだって。昔ならお尻ペンペンで済んでたけど…それだけじゃ無理みたいだね(冷や汗をかきながらもなんとか口元に笑みを作り歩み寄る)」
「(影がざわざわと揺れ)そうだね、俺がテンション上がりやすいのは昔からじゃないか。……お陰で奥に押し込められてる『加虐』が出やすいんだけどさ(愉しそうに嗤ったままにフランシスへと視線を向け)」
「そんでそれの後始末をするのはいつも俺ってわけだ。…ほんと、困った幼馴染だよお前は(脊髄反射が止まり完全に動かなくなったジャームに胸で十字を切りながら開いていた目を瞼に触れて閉じさせ)」
「いやだなあ、オシゴトはちゃんとこなしているだろう?……っはは。ねえ、執事長?(蛇のようにぺろりと自身の上唇を舐めて無邪気に笑い)」
「(ゆっくりと立ち上がりアルフレッドを見つめ)お前の仕事はいつだって荒いんだよ。それを正すのも上司である俺だけど。…さあ、どう懲らしめようか(ネクタイを指で緩め)」
「(無邪気に笑っているが瞳の奥で加虐の色を強く滲ませ)懲らしめる?俺を?」
「……そう。我らがお姫様に獣のようにがなるお前を見せるわけにはいかないからね(懐から拳銃を取り出しアルフレッドに銃口を向け)」
「ははっ、撃ってごらんよ。……俺を撃てるならさ(挑発するように笑って両手を拡げ)」
「(拳銃を構えながら距離をゆっくりと詰め)痛みさえもカンフル剤にしちゃうもんなお前。はてさて…ここまでキてるのは久しぶりだな。どうしたものか」
「(にやりと笑いながらも余裕の表情は崩さず)俺が欲しいのは恐怖に歪む顔さ。それは俺にも適応するからね(興奮した眼差しでフランシスを射抜き)」
「そう。なら…(一気に距離を積めると拳銃を放り投げ空いた手で胸倉を掴み)今から与えるものは、よろこんでくれるかな?んっ(掴んでいた手で体を引き寄せると近付いた唇に噛み付くようにキス)」
「ッん!?(急に唇を奪われて目を見開き)ッ、は、ぅ、……っ!!(影が一際激しく暴れると自身の体に纏わりつく)」
「んっ、ふ…(アルフレッドの様子を目を細めながら確認し無防備に開いた口へ舌を侵入させる)」
「ぁ、あ゛、ぅ、ん……っ!(口腔内に生暖かい舌が滑り込んできたことで逃げようと顔を逸らそうと身を捩る)」
「は、…ん、…っ(腰に腕を回しホールドしたまま舌先を捉え自身の舌と絡めながら下唇同士を軽く押し当て)」
「ひっ、あ、フラ……っ、シ……ス……っ!(性的な接触に瞳から加虐の色が薄くなり、暴れる影が次第に大人しくなっていく)」
「…、(徐々に侵蝕から落ち着いていく様子を感じ)っ、…ん(舌の裏側をねっとりと舐め上げ快楽を更に引き出し)」
「ぁ、あ゛……っ!!(快楽を引きずり出されて瞳から生理的な涙がぽろぽろと溢れ落ちていく)」

「は…(銀糸を引きながら口を離し)…目、覚めた?(濡れた唇を指で拭って上げながらアイリスを細め)」
「(ぼうっとした目でフランシスを見つめると小さく頷き)……影が、暴れて……た?(自身のスラックスを持ち上げる熱を隠すように少し腰を引き)」
「(腰の拘束を解放し)そりゃもう暴れ馬のようにね。…頼むよアルフレッド。今回こちらの被害はないけど下手すればお前、こっちにも攻撃しますって顔してたんだから」
「……ご、ごめんなさい……俺、頭の奥が靄かかったみたいに……なってて、遠くで君の声が……聞こえて……(反省するように項垂れて呟き)」
「(ふうっとため息をつくとアルフレッドの頭に軽くげんこつを落とし)反省してるなら俺もこれ以上言わない。次からは気をつけてよね(げんこつの手を撫でる手へと変える)」
「(撫でられて小さく笑い)……うん。気を付けます……で、あの……ごめん、ちょっと……トイレに……(ばたばたと視線を彷徨わせると耳を赤くし)」
「(きょとんとした表情で)トイレ?…ああ、そういうこと(理解したのかくつくつと可笑しそうに笑い)」
「っ、そ、そういうことデス!お、男なんだから……あんな風なことされたら、反応しちゃうよ……(ばつが悪そうにもごもごと呟き)」
「(唇に指を這わせながら)へえ。それってさ(アルフレッドの顔を覗き込むように顔を近付け)…気持ちよかったってこと?」
「(びくりと肩が跳ね)……え、っと……その、あの……(近付いてきた顔から視線を逸らせずに固まり)……う、ん……きもち……よかった」
「(アルフレッドの答えににっこりと笑みを浮かべ)だよね。だって今反応してるもんね。お前のここ(悪戯心に股間をやわやわと撫で)」
「っン!!(股間を揉まれて内腿が震え)ふらっ、フランシス!?な、ななっ、(ぱくぱくと唇を開閉させて呆気に取られ)」
「(んべっと舌を出すとあっさりと手を離し)ちょっとした報復だよ」
「ほ、報復って……(へなへなと力が抜けて地面にへたり込み)や、やめてくれよ……ちょっと……濡れたから……(一瞬の刺激で漏らしてしまったことを恥じるように目を伏せ)」
「…え、そんなによかったの。キス(予想以上の反応に目を瞬かせながらしゃがみ)」
「……(こくんと頷き)よかったから、こんなになってるんだぞ……」
「…(バツが悪そうに頭を掻き)えっと、立てる?肩貸そうか?と言うかアルフレッドさん…腰砕けてる?」
「…………(図星を突かれて真っ赤になって視線を逸らす)」
「(気まずそうに自身の髪に手櫛を施し)……なんか、ごめん。俺に出来ることがあれば手伝うよ」
「いや……あの、ふぁ、……ファーストキスが、強烈すぎて……も、も、……もう一回だけ……キス、してくれたら……それでいいんだぞ(耳まで真っ赤になりながら)」
「(とある言葉に髪を梳く手を止め)…え?…ファースト、キス?」
「……母さんとかのキスは除外だと……今のが、初めて……(ぼそり)」
「……マコトニモウシワケゴザイマセン(事の重大さに気付き額を地面につけての土下座)」
「!?い、いやいいよ!不可抗力ってやつだろ!?それに、ほ、ほら……き、気持ちよかったし……(おろおろとフランシスの土下座を見ながら)」
「(ゆっくりと顔を上げ)ほんと、まじ…さっきも言ったけど俺に出来ることは何でもする。いやさせてください」
「(ぶんぶんと首を振り)……こ、これからも一緒に戦ってくれればそれでいいよ。あとは、時々キスの仕方教えてくれよ。ずっと下手なのは格好悪いし(場の空気を壊すようにわざとらしくあっけらかんと笑い)」
「…(ずっとという言葉に一瞬表情を曇らせるもすぐに笑みを作り)俺で良ければ何だって教えるよ。執事の仕事だって、男として覚えておくことだってね」
「うん。マシューの……旦那様のこともあってってのはまあ……あるけど、俺は君に憧れて執事の仕事を始めたんだから。俺に足りないもの、全部教えてくれるかい?(年相応の幼い笑みを浮かべ)」
「ああ。教えてあげる。部下であり弟分なお前になら喜んで(つられるように笑みを浮かべ)」
「……(安心したように目を伏せ)よかった、見捨てられたらどうしようかと思ったんだぞ」
「っ!見捨てるわけないだろっ(四つん這いになってアルフレッドに迫り)俺がお前達を…お前を見捨てるわけっ」
「!?(びくりと肩を跳ねされると普段の様子と違うフランシスに目を瞬かせ)……フランシス?」
「あ…(我に返ると冷静になったのか少しアルフレッドと距離を置き)いや、ごめん。つい感情的になった…」
「(距離を置こうとするフランシスの手を掴み)……俺たちを見捨てるわけ、ないんだよね?……大丈夫なんだぞ、俺が衝動押さえられなくて君に助けてもらうように。……君も俺に感情をぶつけていいから」
「アルフレッド…(アルフレッドの言葉に目を見開き)ふふ、ありがとう。そう言ってもらえて、うん。気持ちが軽くなるよ(どこか照れくさそうに微笑み)」
「へへ……フランシス、君が俺たちを大切に思ってくれてるように……俺たちも君が大好きで大切なんだ。だから、いつでも俺の胸で泣いていいんだぞ?(頬を染めて柔らかく微笑み)」
「…やだなあ。俺を泣かすつもり?いい年こいた大人が泣いちゃったらかっこ悪いだろ?(皮肉を紡ぐその顔はどこか嬉しそうに)」
「ははっ、泣くのに大人も子供もないさ。悲しいときは泣いて、嬉しいときは笑って。ね?(こてんと首を傾げ)」
「じゃあ泣きたくなったらお前の所に行かせてもらうよ(鏡合わせに首を傾げ)…ところでさ、もう大丈夫?」
「……(ぼすっと顔が赤くなり)だ、大丈夫だとたかを括ってた俺がいました(震え声)」
「…ひとつ聞いていい?お前そういう事した経験とかひとりで抜いたりとかの経験は?」
「…………(視線を逸らしながら口笛を吹き誤魔化す)」
「…まさか、どっちもやったことn」
「どうせ童貞だよ!!(涙目)」
「あ…あはは。いいんじゃないかな、貞操は大事に守らなきゃいけないもんだし(必死にフォローしながら肩ポン)」
「い、いいんだ……いつか童貞を捨ててやるんだ……(涙目で顔覆い)」
「まあまあ。急ぐようなものじゃないしまだお前19なんだろ?そういうのは好きな子で捨てなさい好きな子と(アルフレッドの頭を撫で撫で)」
「……好きな子、かあ……ねえ、フランシス。……女の子にそういう気分が沸かないのってヤバい?(撫でられながら上目遣いで見上げ)」
「んー…それは女の子にそういう気分にならないのじゃなくて、そういう気分にさせてくれる子にまだ巡り会ってないんじゃない?(うりうりと頬を柔らかく抓り)」
「(頬を掠める柔らかな痛みに擽ったそうに身を捩り)……そういう気分にさせてくれる……さっきみたいな?」
「ん?さっきって…………さっき(自分がやっていたことを思い出し抓る手を止める)」
「……あ、ごめん。こんなこと言われたら困るよね。……忘れてくれるかい?(ばつが悪そうに苦笑し)」
「(抓る動きをしていた手で顔の輪郭をなぞり)…その気持ちがどういう気持ちか、はっきりさせてみる?」
「はっ……きり?(輪郭をなぞる手に心地好さを覚えて柔らかな息を吐き)……わかるの?」
「さっきはお前、興奮してたからね。体が何でも刺激を受けてたのかもしれないし。…だったら冷静な頭の時なら別の風に感じてるのかもしれないよ?(こつりと額を合わせ瞳を覗き込む)」
「(無意識にこくりと喉が鳴り)……冷静な頭の時に……う、うん……どう感じるのか、知りたい……」

「(ふっと小さく微笑み)…もう、力の方は落ち着いてる?」
「……(視線を伏せると小さく頷き)ざわざわしてるのは、今は……ない、かな」
「ん、…目、閉じる?(髪を耳にかけてあげながら諭すような声で尋ね)」
「こ、こういうのって……目は閉じた方がいいんだっけ?……ん(耳元に感じる指の感覚に擽ったさを覚えて小さく笑いながら目を閉じ)」
「(生娘のような初々しい反応に笑みを深め)…ん、(先程の口付けよりも触れるだけの軽いキスを落とす)」
「っ、……(軽いキスに応えるように自らも唇を押し付け)……ふ、わ……なんだろ、これ……」
「…アルフレッド?(唇を離し額を合わせたままアルフレッドの様子を見つめ)」
「(視線が絡むと表情を崩し)……なんだろ、すごく……この辺がふわふわっと、あったかくなったんだぞ……(左胸を押さえる)」
「気持ち悪いとかそういうのはなさそう、だね(安堵の息を吐き)さっきのは暴走止めるためにだったけどいい?これがキス。きっとこの先アルフレッドがしてあげる側になるんだろうけどね」
「これが……キスなんだね……唇合わせただけでこんなに温かくて幸せな気持ちになれるんだ……(唇を手のひらで押さえ)」
「………(アルフレッドの仕草をどこか複雑な面持ちを浮かべて見つめている)」
「(フランシスの表情に気付くとはっと目を見開き)あ、ご、ごめ……俺ばっかりふわふわしてて……」
「ああ、違うんだよ。…自分で言っておいてあれだけどアルフレッドも俺以外の素敵な女の子にそんな顔するんだなあと思ってたら、ね(困ったように笑いながらどこか気まずそうに伏し目になり)」
「……(唇から手を離すとフランシスのシャツを握りしめ)フランシス、ごめん……気持ち悪かったら言ってくれよ?……なんだろう、俺……君だから……こんなにふわふわした気分になってる気がするんだ……」
「(アルフレッドの言葉にゆっくりと視線を戻し)…俺、だから?」
「(ややあってこくりと頷き)……君、だから」
「…(額を離すと口元を手で覆い)…参ったな。今、アルフレッドにそう呼ばれてすげえ嬉しくなってる」
「嬉しい?(こてりと首を傾げると言葉の意味を探すように眉間が動き)……嬉しい、って……俺が、君だからふわふわしてること?」
「(口元を覆ったままこくんと頷き)自分がこんなに単純な奴とは思わなかったよ、ほんと」
「え、っと……ん、(フランシスの手首を掴んで口許から離し)……ん、こう?(先程のキスを真似るようにちゅっちゅっと拙いバードキスを繰り返す)」
「!?(突然のことに目をめいいっぱい見開くがその拙いキスに絆されるように心地よさそうに目を柔らかく細め)」
「(ちらりと上目遣いでフランシスの瞳を見ると嬉しそうに目尻が緩み)……っへへ……ん、ん……(啄むようなキスを何度も贈り)」
「ん、…ふふ(暗闇で栄える空色に愛しさが湧き口付け中に笑いながらアルフレッドの手に自分の手を重ね)」
「?(手が重なったことに不思議そうな表情を浮かべるもののキスを続け)……ん、ん……っぷぁ、……すごい、もっとふわふわしてきた……」
「は、…俺もそのふわふわが移っちゃったのかな?すごく心地良かったよ(重ねていた手で手首を掴み引き寄せると近付いてきた額にキスを落とし)…これはささやかなお礼だよ」
「……(キスされた額を押さえると目をぱちぱちと瞬かせ)む、昔は……寝る前にこうしてもらってもなんでもなかった……よね?(段々と頬が赤らみ)」
「懐かしいね。あの頃はマシューとお前が眠れないからって俺の部屋にやって来てさ、俺が絵本を読んだらすぐにうとうとしてたよね。…良い夢を見れますようにっておまじない。アルフレッドにはいつからかやらなくなったよね(昔を懐かしむように頷き)」
「……うん。いつの間にかやらなくなって……そうだ、君にキスされると心がふわふわして……あったかくて……どきどきして……(思い出すように呟き)」

「…。…くしゅんっ(夜風に長く当たり過ぎた為か突発的なくしゃみ)」
「うわっ!ふ、フランシス!?大丈夫かい?(慌ててフランシスの頬を触るとひやりとした感覚に慌てふためき)わわっ、冷たい!屋敷に戻ろう!?」
「ごめんごめん。こんなに冷えるならコートの1枚でも羽織れば良かったよ(その場から立ち上がると周囲に横たわる侵入者達を見つめ)…後始末はメイド達に任せようか」
「(周囲を確認して頷き)うん、新人研修にもいいかもしれないね。……フランシス、取り敢えず俺の貸してあげるよ(ジャケットを脱ぐとフランシスの肩に掛け)」
「(大人しくジャケットを受け取り)ありがとう。屋敷についたらお前にも暖かいココア入れてあげるよ。俺もブランデー入りのホットミルク飲んで温まりたいし(屋敷の方へゆっくりと歩みだし)」
「(付き従うように後ろを歩き)こんな夜は温かい飲み物だよね。ブランデーのホットミルクも気になるけど」
「アルコールを入れたら体温上がる感じがするんだよね。眠れない時はお酒飲んで泥酔して寝るってのもよくやるけど…褒められたもんじゃないだろうね、これ(苦笑いを浮かべながら玄関前まで歩み)」
「時々夜中のキッチンで酒の匂いするの君だったのか。なんだろうなー、とは思ってたけど(一度振り向くと屋敷の敷地内をぐるりと見渡し)」
「翌日二日酔いになって死ぬほど後悔するけどね。おすすめはしないよ…と、アルフレッド?(アルフレッドの様子に首を傾げ)」
「……いや、なんでもないよ。俺の気のせいだった(視線を前に戻すといつもの笑みを浮かべ)」
「……(その場に立ち止まるとゆっくりと瞳を閉じ)…行け(号令と同時に自身の影が無数に分裂しフランシスから弾けるように離れていく)」
「ッ、(的確な動きに息を詰め)……っはは、すごい……」
「(ゆっくりと開眼していくと一瞬アイリスが淡く滲み)気になることがあったらそれはとことん突き止めるべきだよ。そうしないと取り返しのつかないことだってあるんだから(アルフレッドに向かって柔らかく微笑み)」
「(美しいアイリスの花から目を逸らせずに惚け)……ぁ、う……うん……そう、だよね……(スカイブルーの瞳がふわふわと揺れ)」
「(揺れるスカイブルーにきょとんとした目を向け)なに?もしかして俺、言い過ぎた?」
「(はっとするとぶんぶんと乱暴に頭を横に振り)…………ご、ごめん……君の目が……きれい、に、みえて……(恥ずかしそうにもごもごと呟き)」
「……(口元を手で覆いながら視線を逸らし)…今日は随分と俺を持ち上げるね」
「いや……だって、なんか……いつも以上にセクシーに見えて……(喋れば喋るだけ恥ずかしいことを連発して耳を赤くし)」
「…それって普段も俺のことセクシーだって思ってるの(視線をゆっくりとアルフレッドに戻し)」
「っ!!(ぎくりと体が強張り)…………う、うん……そうなる、かなあ……(これ以上ないほど真っ赤になると声を上擦らせ)ほっ、ほら!寒いだろ!?中入ろう!」
「そ、そうだね。早く入ろっか(動揺を隠すように肩にかけていたジャケットをかけ直しながら屋敷の中へ入り)」

「(自身が玄関ホールに入ると扉に鍵を掛け)……はあ、なんかあったかい通り越して熱いよ……(扉に額を預け)」
「(玄関の扉の近くのテーブルからランタンを掴み灯りを灯し)他の子達はもう部屋に寝静まったかな。皆が起きないように足音立てるなよ?(玄関からサロンを通り抜けメイド達の宿舎前の扉のノッカーを3回ノックするとそのまま通り抜ける)」
「わ、分かってるよ(声を潜めると足音を殺して追い掛けるようにフランシスの後に続き)……この時間じゃ静かだね……」
「日付が変わってるからね。本来ならお前も腹出して寝てる時間じゃないかな(想像しておかしくなったのかくすくすと笑いながら自分達の寝室側の階段を上る)」
「腹出して寝てな……え、寝てるのかな?(自身の寝相に自信がなく首を傾げる)」
「ちっちゃい頃はよく布団蹴飛ばして腹出して寝てたよ。しかもマシューの布団も蹴飛ばすからいつもマシューが寒いーって震えてたんだから(階段を上りきると足を止め)ココア、俺の部屋で飲む?それともお前の部屋に運んでやろうか?」
「お、覚えてないなー……(苦笑しながら足を止めたフランシスに向かい合うとはにかみ笑いを浮かべ)ん、君の部屋で飲んでいいかい?」
「いいよ。確か棚に何か小腹を満たすものがあったかな(自身の部屋に向かって薄暗い廊下を歩き)」
「(フランシスに着いていきながら薄暗い廊下の影を眺め)……別にココアだけでいいんだぞ。あったらあったで嬉しいけど」
「力使うと体力も消耗するだろ。明日…ああ今日か。仕事に支障きたさないように腹にでも何か入れときなって(部屋の前に立ち止まるとスラックスのポケットから鍵束を取り出しひとつの鍵を選ぶと鍵穴に差し込み)…さ、ついたよ」
「(丁寧に腰を折ると部屋に入り)……お邪魔します。……(落ち着かない様子でキョロキョロと部屋中に視線を彷徨わせ)」

「(落ち着かない様子のアルフレッドに笑を零し)好きな所座っててよ。今ストーブでお湯沸かすから時間かかっちゃうしね(ストーブの上にアルミのポットを置き)」
「あ、うん。……なんか、不思議な気分だね……こんな時間に君の部屋来るのっていつ以来だろ(ベッドに腰掛けるも落ち着かない様子で足を軽くばたつかせる)」
「(棚からブランデーとチョコレート、マグカップふたつ取り出し)そうだね…もう何年もこうして夜中に話すことなんてなかったよね。お互い仕事で疲れてすぐ寝ちゃうからね(ポットが温もるのを待つ間ベッドの向かいの椅子に腰掛け)」
「仕事に慣れるのに必死で、フランシスのとこに来る暇もなかったからなあ……(感慨深そうに呟くとフランシスが座るのを見つめて溜息を吐き)」
「大変だったろうね。今までやったことのない、自分が当然のようにやって貰えてたことを逆にしなきゃならないなんてアルフレッドにとってはまさに未知の世界だったろ?(子供をあやすような手つきでアルフレッドの頭を撫でる)」
「俺が選んだ道ではあったけどさ。……マシューを泣かせたくない、お兄ちゃんだし俺が何とかしなきゃいけないとは思ってたからね(撫でられて気持ち良さそうに目を細め)……されてたこと、当たり前だと思ってた分どれだけの労力を費やされてたのかって痛感したんだぞ」
「(弟を見守るような兄の眼差しでアルフレッドを見つめ)それが分かっただけでもアルフレッドの中では良い経験になったんじゃないかな?経験を沢山積んだ男はよりいい男に磨きがかかるってもんだよ(ウインク)」
「そうかな?……いい男になれたなら嬉しいし、君みたいなすごい人に褒められてるなら頑張ってる甲斐があるかな(くしゃりと表情を崩し)」
「俺がすごい?(賞賛の言葉に首を傾げ)」
「すごいだろ?これだけの重労働なのに涼しい顔してマシューの世話焼いて。……お疲れさま、フランシス(ふわりと微笑むと首を傾げたフランシスの頭を撫で返し)」
「…(予想外のアルフレッドの言葉に目を瞬かせ)…疲れてない、ってのは嘘になるけど、いいんだよ。俺はこの仕事に誇りを持ってるし何よりアルフレッドや皆とやれるこの仕事を気に入ってるからね(どこか恥ずかしそうに目を伏せながらもはにかみ笑いを浮かべ)」
「ははっ、俺もこの仕事が好きだよ。みんなで一緒に働いて、ド新人だった俺に愛想も尽かさず丁寧に教えてくれて……それに、幼馴染のカッコいい仕事風景も見せてもらったし(にっこりと満面の笑みを咲かせ)」
「…今日は本当に俺を褒め倒すね。出せるものなんてこれくらいしかないよ(棚から出していたクッキーをジト目になりながらアルフレッドの口に放り込み)」
「もごっ(クッキーをしばらく咀嚼するとごくんと飲み込み)……普段は恥ずかしくて言えなかっただけだよ。さっき、キス教えてもらって……何て言うのかな、心の奥がほわっとしてるから言えてるだけなんだぞ(ばつが悪そうに視線を逸らし)」
「ほわっと…か(自分の口にもクッキーを半分放り込みながら咀嚼しゆっくりと喉元を鳴らして嚥下し)」
「……う、うん……ほわっと……(ちらりとフランシスの様子を見つめると喉仏が上下する動きに耳を染め)」
「?アルフレッド、今日は何だかいつもよりぼーっとしてるね。もしかしてさっきの夜戦の時に…(椅子から立ち上がるとアルフレッドの額に手を添え)」
「っ、(額に手を添えられた瞬間ひくりと喉が鳴り)……さ、さっきから……君のことで、頭がいっぱいなんだよ……」
「……(一瞬アルフレッドの言葉を理解出来ていなかったが徐々に思考が追いつくと徐々に顔を赤らめ)」
「……ふ、フランシス……?(おずおずとフランシスの顔を伺い)」
「…(口元を手で覆い)ああ、いや、その……それは、反則でしょ(視線を逸らす顔は耳までほんのり赤い)」
「え、反則……って、俺、……え?……あっ(漸く意味を察すると口をぱくぱくと開閉させ)」
「よかったねアルフレッド。お前には女たらしの素質があるよ(顔に集中する熱を誤魔化す為に皮肉をついて)」
「違……っ、そういうわけじゃ……(目尻を潤ませて必死に弁明し)」
「(口元から手を離し)じゃあ俺への言葉も、そうじゃない?(視線をゆっくりとアルフレッドに戻し)」
「……(言葉を整理しようと何度も唇を戦慄かせ)……き、君だから……言えた……たぶん、女の子には……言わないよ……」
「…(早まっていた鼓動が落ち着いてくるのと同時に思考も徐々に落ち着き)ごめん、意地悪言ったね(壊れ物を扱うように優しく頭を撫でる)」
「(撫でられる優しさに唇をぐっと噛み)……フランシスの意地悪。俺、君だから……こんなに頭いっぱいで困ってるのに……」
「ふふ、意地悪ついでにさ。…そうやって俺のせいで悩んでくれるの、俺はちょっと嬉しいんだよね(撫でる感触を楽しむように頭を撫で続け)」
「……え、っ……と、それ……どういう意味だい?(撫でられることで背筋にむずむずと気持ちのよい感覚を覚えながら)」
「ん、…誰かに思われるって素敵な事じゃない?ましてやそれが良い方向に思われてるのなら尚更(穏やかな色のアイリスを緩やかに細めながら微笑み)」
「あ……(理解して小さく息を吐くと頷き)うん、とても素敵なことだと思う。……素敵だけど、……(言い淀むと音にならない吐息が零れ落ち)」
「素敵、だけど?(言い淀むアルフレッドの様子に首を傾げ)」
「……っ、(意を決したように自身の頭を撫でるフランシスの手首を掴み)……違うかもしれないんだ。……俺、君の部下で弟分だけど……そうじゃなくて……っ(何処か熱っぽい目でフランシスを見つめ)」
「アルフレッ、ド(熱を帯びた空色に何度も呼んでいる筈の名前が途切れて音になる)」
「どうすればいいか分かんないよ……俺、こんな気持ち……知らなかったんだ……(切なさを絞り出すように言葉を紡ぎ)」
「……(こくりと喉を鳴らし)…アルフレッド(拘束されていない手でアルフレッドの肩を掴み)」
「ッ、フランシス……?(肩を掴まれて熱っぽい瞳が僅かに潤む)」
「お前の気持ちが…俺の都合のいいように考えただけの思い込みなら、軽蔑したってなんだってしていいから、だから…っ(言葉を紡ぐのも焦れったくなり衝動のままに噛み付くように目の前の口を塞ぎ)」
「んむ、ぅっ!?(荒々しく唇を塞がれると驚きに目を見開き)……ん、ふ、……んん……っ(肩を掴まれた腕でそっとフランシスの服を握りしめ)」
「(がたんと音を立てて椅子から離れその勢いのままアルフレッドをベッドへ押し倒し)っ、ん…は、(口付けを角度を変えて交わしながらアルフレッドの眼鏡を外しベッドの壁側へ投げる)」
「ッ、ふ、ぁ……っ!(押し倒されながら角度が変わる度に初めて味わう感覚に背筋が震え)ん、ふら、ひふ……っ、んん……っ(眼鏡を失ってぼやける視界の中で甘ったるい声を漏らす)」
「(掴まれていた手の拘束の力が緩まる隙を狙い両手首をベッドへ押し付けしけるように手で拘束し)…ふ、…んん、(うっすらと細められたアイリスで表情を伺いながら片脚をアルフレッドの脚の間に差し入れ)」
「ん、ぁ……っ、ふら、ひ、ふ……ぅ、(アイリスの瞳と視線が絡む度に快楽の余韻で涙が零れ落ちていく)」
「は…(熱い吐息を吐きながら唇を離し)、ん…ごめん。抑えきれなかった(零れる涙を唇ですくいながらやわやわと手首を掴んでいる親指で掌を撫で)」
「……(熱に浮かされた空色がフランシスを捉え)フラン……シス、俺、いま、すごく……心があったかいんだ……(拘束されていることすら忘れて甘い吐息を漏らし)」
「あた、たかい?(ちゅっと音を立てて頬にキスを落とすと毛先が触れ合いそうな至近距離で空色を見つめ)」
「(こくこくと頷き)君に……キス、されて……こう、お腹のなかがふわふわ……って、あったかくなって……(自身の変化を拙く説明)」
「…っっ(収まっていた顔の熱が再び灯りはじめる感覚を感じ)…Je veux te baiser(隠すようにアルフレッドの胸に顔を埋めながらぼそりと呟き)」
「え……?なに、何て言ったんだい……?(うまく聞き取れずに聞き返し)」
「…なんでもない(駄々っ子のように顔を埋めたまま首を振り)」
「……隠すのはずるいよ……もっと、俺に頼ってよ……(悔しそうにもごもごと呟き)」
「(むくりと顔を上げ)…アルフレッド、時間をあげる。俺の理性のあるうちに部屋から出て。さもないと俺はお前にとんでもないことしちゃうから(頬を赤く染めたまま真剣な表情で見つめ)」
「……(真剣な眼差しにごくりと息を呑み)……フランシス、その……君が言わんとしてることは……えっと、(視線を彷徨わせると首を伸ばして触れるだけのキスをし)……君なら、いいよ」
「…!!(軽く触れるだけのキスにも息を詰め)…馬鹿な子。自分から身を投げちゃうなんてね」
「……それくらい、ずっと君が頭のなかを占めてるんだ……君が、(空色がじっとフランシスを見つめ)」
「……(体を起こすと顔を手で覆い)…この子ははじめて…はじめては優しく…はじめては優しく…(自己暗示をかけるように呟き)」
「……?フランシス、大丈夫かい?(自己暗示を掛けている様子を不思議がり)」
「…(顔から手を離し)うん。はじめてだから触るだけにしよう。痛い思いさせたくないし(回転の良すぎる思考回路を巡らせながら再び覆い被さり)」
「ん……っ、(距離が近付いて唇が柔らかく弧を描き)……痛い、のはよくわかんないけど……フランシス、君は優しいね」
「優しかったらそれこそ部屋まで送って、そんで温かいココアを渡しておやすみのキスして帰るってキメてみせるよ(困ったように笑いながら唇にリップ音を立ててキスを落とし)」
「(リップ音にそっと笑い)……はは、そうかも。……えっと、フランシス?……俺、どうすればいいの?(首を傾げ)」
「ん、(拘束していた手首から掌の下に自分の掌を差し入れそのままアルフレッドの手の甲にキスを落とし)…俺に身を委ねて。気持ちよくしてあげるから」
「んっ……身を預け……(深呼吸をして緊張気味の体から力を抜き)お、俺も……君のこと気持ちよくしてあげたい……」
「有難い申し出だけど今は俺の番。ちょっと失礼するよ(アルフレッドのスラックスのズボンに手をかけベルトのバックルを外しファスナーに指をかける)」
「っ、(ファスナーに指が掛かった音でひくりと喉が鳴り)あ、あの……フランシス、自分で、あの……ぬ、脱ごうか……?」
「(ファスナーを開ききり下着に手をかけようとした手を止め)自分で脱ぎたい?」
「(ぼふっと顔が赤くなり)い、いやそうじゃなくてっ、……なんか……照れる……(下着の中で自身が僅かに兆していることにもごもごと口ごもり)」
「(くすくすと笑みを零し)小さい時はよく一緒に風呂入ってたろ?(下着の上から勃ち上がりはじめている性器を撫で)」
「そ、そうだけど……っ、ん……っ(性器を優しく刺激されてくぐもった声が漏れ)」
「(親指の腹で尖端を布越しに擦り)ん、ほんとにキスで気持ちよくなってくれたんだね(嬉しそうそうな声色で呟き)」
「ぁ、あ……んッ(艶かしい吐息を漏らすと頷き)気持ち……ぁあ……きもちよかった……」
「よかった。…はじめてを奪っちゃったんだもの。はじめてが気持ちよくないのは辛いからね(布のシミが濃い部分を集中的に擦り快楽を引き出す)」
「ん、は……ぁ……んん……ッ(布越しに快楽を刺激されて腰がほんのりと揺れ)は、はじめて……っ、が……君で……よかったよ……(とろりと表情が蕩け)」
「っ…(殺し文句にも近い言葉に理性の糸が解れていく感覚を覚え)弟だとも思ってた幼馴染が、こんなに誘惑してくるなんて誰が想像出来るだろうね(擦るスピードを早めながら布越しに性器を掴み裏筋部分を擦る)」
「ひぁッ!!(急に裏筋を擦られて高い声が上がると目が見開き)あっ、ああっ、誘惑なんか……してな……っ!!」
「お前がそうでも俺にはそう聞こえたの。…ここ、気持ちいい?(射精を促すように裏根元から尖端へ往復するように擦り)」
「っ、んんっ!(声にならずに頷くと更に腰が揺れ)ぁ、あ……、なにっ、ァ、でちゃ……フランっ、シス……っ、手、はなし……っ!」
「だーめ。もっともっと気持ちよくしてあげるから我慢我慢(先程より擦るスピードを早め)」
「あ、ァ、(首を振って快楽の沼に溺れ)ッ、ぁ、フランシス……っ、フランシス……でちゃう……や、ぁ……あっ、あゥ、う、〜〜〜ッ!!!(喉を反らせると下着が色濃く濡れる)」
「(達した様子にぺろりと舌舐めずりし)ちゃんとイけたね。どう?自分以外に触られる感覚は(快楽に濡れている空色の真下にキスを落とし)」
「(初めて他人に絶頂へ導かれた余韻で甘い息を燻らせ)……は、はじめて……こんなに、いっぱい……でた……」
「…怖い?他人に快楽を見出されるのは(顔の輪郭をなぞるように指で触れながらどこか不安げに)」
「ううん……すごく、きもちよかった……き、君の……フランシスの手で、触られてるって……思ったら……止まらなくなっちゃって……(余韻をうっとりと呑み込み)」
「(むらむらとする気持ちを抑えるように唇を窄めたり出したりを繰り返し)…ねえ、直接触っても、いい?」
「……(こくんと頷き)いい、よ……(言い終えて言葉を飲み込むと軽く首を振り)ううん。……触ってほしい……」
「ん、(ひとつ頷くと下着から蜜を零す肉棒を取り出し)…イったばかりだからかな。震えてるね(つんと尖端を指で押し)」
「あ……(耐えきれずにとろりと蜜が零れ)い、く……?でちゃう、あれ……?(はくはくと熱い息を吐き)」
「?(途切れる言葉に首を傾げながら裏筋にそっと触れる)」
「あ、ァん……っ、フランシス……へ、変だよ……っ、また、出ちゃ……っ、(唇を戦慄かせて絶頂に耐えるように眉間にシワを寄せ)」
「…ああ、この感覚に慣れてないのか(ほっと安堵の息を漏らしながら裏筋を人差し指と親指の第1関節と第2関節に引っ掛けながら上下に擦り)いいんだよ。俺の前で出しちゃえば」
「ン、ぅ、あ……はっ、ぁ、ま、まだ、やらぁ……っ!(駄々っ子のようにいやいやと首を振り)でちゃ、出ちゃったら、フランシス……っ、も、触ってくれな……っ」
「俺が、なに?は、いいから出しなよ。楽になるから、さ(カリ部分に爪を引っ掛け軽く弾き)」
「ひ、ァ、あっ、そ、な、強……っ、ふらっ、でちゃ……あ、ぁッ!!(背が跳ねてどろりと白濁が溢れ出す)」
「(溢れた白濁が抜いていた手に垂れ)…若いなあ。こんにも濃いのが出てる(白濁が付着した手を眺め)」
「は……っ、はあ……ッ、(全力疾走したあとのように胸を上下させて呼吸を続け)……お、オナニーも、あんまり、って、いうより……ほぼ、したことないから……」
「それもあるだろうね。なら俺が抜くってのは余計強烈な刺激ってわけか(付着した白濁を口元まで寄せるとぺろりと舐め)…ん、苦いね」
「ッ、(自身の精液を舐められたことに目が真ん丸に見開き)そ、そんなの……苦いどころか美味しくないだろ……?(そう言いながら腹の奥が疼く感覚を覚えて内股が震え)」
「んー、でもお前が出したのだから勿体無いし(丁寧に白濁を舐めとると親指で唇を拭い)…ん、ご馳走様」
「ご、ご馳走さまって……(目を白黒させながら一部始終を見つめ)」
「変だった?(不思議そうに小首傾げ)」
「へ、変じゃない……けど……っ、(達して萎えていた性器が反応して僅かに震え)」
「…(再び勃ち上がる性器の根元を手に取り)いいよ。お前が満足するまで気持ちよくしてあげる」
「フランシス……(性器の根本に触れる刺激に濡れた空色がアイリスを見つめ)お、俺……俺ばっかり、気持ちいいの……フランシス……君も、気持ちよくしてあげたい……っ(首を伸ばして先程のように拙いキスを贈り)」
「(いじらしい姿にアイリスが揺れ)…その気持ちだけでいいんだよ。でもね、今日は俺がお前をただひたすらにきもちよくしてあげたいから(瞼にキスを落としながら問答無用で裏筋を擦り上げ)」
「ヒ、ぁっ!!(強烈な快楽に喉が反れて鳴り)あっ、フランシス……っ、フランシス……っ!!(熱に浮かされて何度もフランシスの名前を呼び)」
「アルフレッド…っ、アルフレッド…!(ごしごしと掌で性器を包みながら追い立てる)」
「やっ、そ、でちゃう……ッ、フランシス……っ、出ちゃ……アっ、あぁああっ、〜〜〜!!!(呆気なく吐精すると後孔の疼きを覚えてぽろぽろと涙を溢す)」

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