TRPGしようぜ!
【2日目 夜】
「…(礼拝堂の大きなステンドグラスに向かって手を組み主へ祈りを捧げ)」
「(弓を担ぐとギルベルトの後ろで十字を切り)……ギルベルト君、今日はキク君を休ませるとして、だ。……このハッタリが成功するかはわからない。いざという時は支援頼んだよ」
「(祈りを捧げ終えるとイヴァンの方へ振り返り)おう。腕は鈍ってるかもだがそれなりに動けるぜ。…さて、上手いこと引っかかってくれてお縄頂戴になりゃあいいんだがな(イヴァンを通り抜け外へ続く扉の方へ向かい)」
「……(俯いたままアーサーの遺髪を入れたお守りを握り締め)」
「キク君、仇は僕たちが取るから。……今日はアーサー君と。……ね?(キクの肩を叩くとギルベルトのあとに続き)」
「…(キクを横目で見つめ)…ああ、今日も憎たらしいくらいに綺麗な星空だな(扉を開くと雲一つない星空が拡がり)」
「ほんと……泣きたくなるくらい綺麗な夜空だよ(星明かりに目を細め)……さて、ギルベルト君。作戦のおさらいだよ。僕は一度ルーカス君の屋敷へ向かうけど、頃合いを見てすぐこっちに戻ってくる。それまでは待機よろしく」
「おう。俺は墓地の方に居るぜ。…この時間は【人狼】よか力はねえが人外がうろうろし出す時間だからとっちめておきてえし(肩を竦めため息を漏らし)」
「その辺は任せるよ。遺体が蘇ったケースもあるし、そっちの人外に関してはギルベルト君の管轄だもんね(手持ち無沙汰に矢をくるりと弄び)……さて、じゃあ行ってくるね。うまく誘き寄せてみるよ(軽く手を振ると素早く身を翻してルーカスの邸宅へと走り)」
「(ひらひらとイヴァンの背中に手を振り姿が視界から消えるとキクの方へ振り返り)…キク、部屋戻るか?」
「……ええ、戻って少しだけ……頭を冷やしてきます……(胸元にお守りを握り締めて左手に指輪が光り)」
「…(キクの様子にかける言葉が見当たらず視線を彷徨わせるが落ち着かせるようにごくりと唾を飲み込み)…夜は冷えるからちゃんとあったかくしろよ?」
「ふふ……そうですね。まだ、冷えますもの……(貼り付けたような強張った笑顔を向けると覚束無い足取りで教会内に用意された自室へと姿を消し)」
「…(扉が閉まる音を確認し)…今のキクじゃ【人狼】に襲われたら抵抗が出来……いや、何仲間を疑ってんだ俺は(礼拝堂の入口付近に掛けたスコップを肩に乗せ教会を後にする)」
「……(教会内を伺っていたがギルベルトが移動したことで死角へと身を隠し)」
「(ランタンを片手に墓地へと歩みを進め墓地の入口付近にランタンを引っ掛け)…主よ、腕に抱かれた愛し子達に粗相を行う愚行をお許しください(ロザリオを握り祝言を捧げ)」
「……(墓地へと後を付けてギルベルトの後ろ姿を確認すると単独の状態ににんまりと笑ってタイミングを伺う)」
「…しっ、さてと楽しい楽しい墓荒らしでもするか(スコップを手に取り掘り起こしていない墓地の方へと歩み寄り)」
「……成程、墓を暴くのか(ぼそりと呟き大木の裏へと身を潜め)」
「…(墓の前で十字を切り祈りを捧げた後にざくざくとスコップで土を掘り出していく)」
「……(周囲を警戒してアーサーの時と同様にふらついた演技を始め)ギル、ベルト……っ、」
「!(声の方へと振り返り)アルフレッド、か?」
「(呼吸を乱して覚束無い足取りでギルベルトに近寄り)助けて……っ、痛い、痛いよぉ……(事前に血を滲ませた肩を押さえて声を震わせ)」
「…!(押さえている肩から出血跡を見つけ)お前怪我してんじゃねえか!待ってろ…すぐ治療に(自身の近くにスコップを突き立て懐に手をまさぐり)」
「(よろよろとギルベルトへ近付いて自然に武器でもあるスコップを蹴り倒すとギルベルトの胸へと崩れ)……仕事、終わりに……急に後ろから襲われて……っ、ギルベルト、怖い……っ、助けて……っっ」
「(アルフレッドを抱き留めると緊張感からから息を飲み)っ、【人狼】か?んなら教会へ避難して…」
「わからないっ、わからないよ!きっと俺を殺しに来たんだ!マシューとアーサーが殺されたから!(錯乱したように片手でギルベルトの服を握り締めて動きを封じ)」
「…(ギルベルトの真後ろから黒いフードを被った出で立ちで気配なく立ちギルベルト目掛けて鋭い鉤爪を振り下ろす)」
「落ち着けアルフレッド!とりあえずその肩を治療してやっから教会へ…(頭上にかかる風圧に気付き咄嗟に振り返るも反応が遅れる)」
「……ッ!!(フードを被った【人狼】らしき人影の腕に向けて銀の矢を放つ)」
「!!(飛来してきた矢を鉤爪で咄嗟に弾き矢が飛んできた方へ振り返る)」
「ちっ、弾かれた。……もう一発!!(跳躍すると影へ向けて更に二発の矢を放ち)」
「っ!!(アルフレッドを抱き抱えたまま地面に転がり【人狼】らしき人物から距離を置き)」
「あ、ァ……(声を無くしてギルベルトの腕の中で怯えるように震え)」
「……嵌められたってわけね(ぼそりと聞き取れない小声で呟きながら軽やかな跳躍で二発の矢を避け)」
「…っ、返しだ!!(着地点へ落ちていたスコップを放り投げ)」
「(すとんとギルベルトの前へ降り立ち)……やっぱり一発目弾かれた時点でおかしいと思ったら……銀を三日三晩聖水へ浸けた鏃なのに退けられない、か」
「(着地点に目掛けられたスコップに気づくと空中で方向転換し離れた場所へ着地し)…元とは言え異端審問官ふたりを相手にするのは厄介かな(小声で冷静な状況判断結果を呟き)」
「……僕がここにいないと踏んで来たのかな?それは残念、今日は彼を守る約束をしていてね(無邪気に見える笑みを浮かべると矢筒から矢を引き抜いて番え)……喋ってくれるかは分からないけど、一応聞こうか。……アーサー君とマシュー君を食べたのは、君?」
「……っ(アルフレッドを守るように抱き締め)」
「ぁあ……っ(かたかたと震えながらもギルベルトに動きを制されて行動できずに内心で歯噛み)」
「……撤退(ぼそりと風にかき消されるような小声で呟くと後方へ大きく跳躍し3人の前から姿を消す)」
「ッ、(撤退する【人狼】に向けて一発の矢を放ち)」
「…逃げたのか?(警戒するように周囲を見渡し)」
「……逃げられたかもね。でもこれで確信したよ。【人狼】は僕の言葉を聞ける場所にいた」
「あの話は昼間のパブでしか話してねえ。てことは店内、もしくは店の外で聞かれてたってことか?(人外の気配が無いことを確認するとアルフレッドから体を離し懐から応急セットを取り出し)」
「そうなるね。……パブの中には僕たちとアルフレッド君、フランシス君、ルーカス君とほかにお客さんが数名。外までは分からないけど……かなり絞れたと思うよ(腰に下げていた聖水の瓶を外して周囲へと撒き)」
「これで【人狼】の正体に近付けたとは思うが…なんだよあの身体能力。人外ってのはなんでああも規格外なんだよ(袖を捲らせアルフレッドの肩に消毒液を垂らした綿を当て包帯を巻いていく)」
「っつ(消毒液が沁みてびくりと身体が強張り)」
「……念の為、もう少し警戒しておくよ。流石に奇襲はないだろうけど(簡易の聖水の結界を張り終えると弓を担ぎ)」
「(強張る様子に苦笑いを浮かべ)染みるとは思うが我慢しろよ。…おう、そっちの警備は頼…(視界からぽたぽたと赤い雫が落ちるのが映り額に触れると手に血液が付着し)」
「(振り向くと軽く首を振り)……アルフレッド君より君の方が重傷なんだから、先に自分の手当てして。……10分で戻ってくるよ(ひらりとコートを翻して闇夜に溶け)」
「(懐からガーゼハンカチを取り出し簡易の止血を施し)気をつけていけよ(押さえていない手でイヴァンの後ろ姿に手を振り)」
「(ふたりの落ち着いた様子に逃げるように後退りし)……こ、ここにいた方が危険じゃないか。お、俺は家に帰るよ!(怯えたような情けない声を震わせ)」
「アルフレッド、単独行動は危険だぞ!(アルフレッドの行動に驚いた様子で)」
「(消毒液を滴らせながら縺れる足で立ち上がり)こ、ここの方がよっぽど危険だよ!(回れ右でつんのめりながらギルベルトの制止を振り切って走り出し)」
「アルフレッド!…って(追いかけようとするも額に激痛が走りその場に蹲り)」
*
「はっ、はっ……(闇夜を駆け抜けて自宅へと戻らずにパブへ向かい)」
「…(カーテンが閉められた暗闇の中黒いフードは脱ぎ銀の矢を指でくるくると回し見つめている)」
「ッ!(勢いよくパブの扉を開けると中に転がり込み)失敗した失敗した……っ!フランシスっ、怪我は!?」
「やあアルフレッド。そんなに急いだら怪我するよ(にこにこと微笑みながらアルフレッドの方へ振り返り)」
「(ぶんぶんと首を横に振り)俺なんかどうでも良い!さっき銀の矢を食らってたじゃないか!!」
「ん?…ああ、これ?(手遊びしていた銀の矢をアルフレッドに見せ)髪がちょっと切れちゃったけどそのぐらいの被害だよ」
「よかった……(力なく床に崩れ)ごめんよ……失敗した……的もかなり絞られた……俺のミスだ……」
「(ぱちぱちと瞬きし)ああ、そんなこと大したことないよ。ちょっとやりづらいかもってのはあるけど何、非力な【人間】が頭を捻ったところで力の差は歴然。…ねじ伏せてやるよ(掴んでいた銀の矢を容易く粉砕するとくつくつと犬歯を覗かせながら笑い)」
「……(銀の矢が目の前で粉砕されて目を見開き)フランシス……その、ギルベルトが言ってたことは真実なのかい……?」
「ん?何の話…ああ、銀は平気なのかってこと?(不思議そうに小首を傾げ)」
「(こくりと頷き)……【人間】に限りなく近い【人狼】だって……君のその様子を見ると、真実なんだね……」
「正確に言えばならざるを得なかった、なんだけどね。…この村で昔人狼の襲撃事件があったって聞いたろ?あれは俺の曽祖父が起こした事件なんだ(窓を開け銀の矢の破片を手のひらに乗せると風にさらさらと飛ばされていき)」
「君の……?でも、ならざるを得ないって……どういう意味だい(不思議そうに目を瞬かせて首を傾げ)」
「あの事件の結末はこうだ。異端審問官に【人狼】は捕らわれ処分された。幸いにも曽祖父の子供…つまり俺の祖父に当たるけど祖父は【人狼】の子供だと気付かれる前にこの村を離れたんだ。それからかな、俺達一族は【人間】との共存を選び【人間】として生きていこうとしたのは(窓際に腰掛け外気の風が開けられた窓から流れ長いブロンドの髪を揺らし)」
「そんなことが……(ゆっくりと起き上がると風に靡くフランシスの髪を見つめてそっと近付くと抱き締め)……苦しかったね。怖かっただろう?大丈夫、もう隠れなくて良い……俺が君を救ってあげる……俺が、君の自由を作ってあげる……」
「…(突然の抱擁にアイリスを見開くもゆっくりと細められ)俺達【人狼】が【人間】を食べる『当たり前』はお前達【人間】にはいつまでも分かり合えないんだろうって思ってた。…でもお前は俺達の『当たり前』を許してくれるんだね」
「俺たち【人間】は豚や牛を食って生きてる。捕食対象が違うだけで、それと同じさ。許すもなにもない……フランシス、君の心のままに生きてくれて良いんだぞ(目尻にキスを落とし)」
「(目尻に触れる心地良さに微笑みを浮かべ)はは、お前には驚かされてばかりだ。…傷、もう痛くないの?(包帯で巻かれた肩を見つめ)」
「ああ、これ?(肩に視線を感じて苦笑し)……ギルベルトを欺くために自分でナイフ使っただけさ。そのうち塞がるよ」
「…見せて(血が滲んだ包帯を許可を得る前に解いていき)」
「あっ、ちょっ、(はらりと落とされた包帯の下に深い切り傷が姿を現す)」
「思いっきったもんだね。下手すれば破傷風も起こすよ。…ん(ぺろりと躊躇いなく傷口に舌を這わせ)」
「ン、ぁ……っ!(傷口に走る甘い痛みに吐息が零れ)しょ、消毒液ついてるから……お腹下しちゃうんだぞ……」
「ん?…なんかぴりっとするなと思ったらそういうこと。たかが消毒液でお腹壊さないって(傷が完全に塞がらず溢れ出す鮮血を舐め取りながら熱い吐息を傷口に吹きかけ)」
「ァう、っは……(フランシスにしがみつきながら血を飲まれやすいように身体の向きを変え)フラン、シス……おいし、い……?(痛みが快感へ変わっていって空色が甘く輝き)」
「…んぅ(傷口から顔を上げ)美味しいよ。身体中の全ての血液を吸い取ってやりたいぐらいさ(鮮血がついたどこか艶めかしささえも感じる口元を歪め)」
「いっぱい、飲んでくれよ……君が欲しいなら、全部あげる……でも俺は、デザートだから……俺が生きられる範囲で、頼むよ(身体すべてを差し出すように微笑み)」
「はは、俺は吸血鬼とは違うんだけどな。…そう、あいつらには分からないだろうね。【人間】の肉や骨の美味さなんてさ(傷口に僅かに犬歯を立てると愉しそうにくすくすと笑い)」
「フランシス……そんなに【人間】の肉は美味しいのかい……?(肌にほんのりと感じる痛みにうっとりと訊ね)」
「ン、(歯を立てていた部分に癒すように舌を這わせ)俺は今まで【人間】として生きてた頃は【人間】の食事を食べてきたけどあれの比じゃない。…1度人肉を食べれば最後。今まで食べてきたものが豚の餌以下にさえ感じるくらいにね」
「そんなに美味しいんだ……フランシス、そんなに美味しいもの……我慢しなくて良いんだぞ。俺が高級な牛肉を食べるのと一緒さ……(癒すような舌の動きに甘い吐息を零してフランシスの頬を撫で)」
「あははっ。アルフレッドの場合はその高級な牛肉なんてめったに食べれるものじゃないでしょ?(辛うじて繋がっているひらひらとめくれた薄皮を舌先でちろちろと弄りながら面白そうに尋ね)」
「ん、ァあ……(痛覚を刺激されて唇が震え)フラン、シス、そうだね……滅多に、食べれないや……(甘えた猫のようにするりと身体を擦り寄せ)」
「だからこそ我慢してありつけたものは極上なのさ。その我慢は金銭か時間かはそれぞれだけど…まあ俺も我慢したおかげでこうして満足感を得ていただけるんだけどね(腕に滴り落ちる赤い雫とその軌跡を舌ですくい上げるように舐め)」
「君の我慢が、実を結んで……君を満たしているんだね……ああ、フランシス……君は本当に美しいよ……(掬い上げられた血液がフランシスに飲み込まれる様を甘ったるい視線で見つめ)」
「(今にも蕩けそうな甘い視線にアイリスを細め)…なんて顔して俺を見てるの。…今回はちょっと失敗しちゃったけど次は頑張ってくれたらご褒美、もっと弾んであげるからね」
「あ、ぁあ……勿論頑張るよ。今回は裏を掻かれたけど、次は絶対失敗しない……フランシス、君に満足してもらえるように(恭しく手を取ると指先にキスを落とし)」
「…(敬愛するようなキスに一瞬アイリスを開くも興味深そうに見つめ)…期待してるよ、アルフレッド」
「期待してくれよ。……ひとりずつ、順番に君へのご馳走として振る舞うから(空色が歪んで深い色を宿し)」
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