クトゥルフしようぜ!

「(何処かぼんやりとしながら自身の腹を撫で)……夢じゃ、なかったんだね……本当に、子供が……子供が、俺の中に……」
「(アルフレッドの歩みに合わせて1歩前に歩きながら振り返り)夢のような体験だったけどお医者さん…どことなく胡散臭くはあったけど受胎してるって言ってたし何より写真にちゃんと写ってたから…うん、現実だったんだね」
「(振り向いたフランシスの手を取って握りしめると照れ笑いを浮かべ)……どうしよう、すごく嬉しいんだ。君と俺の命が半分ずつ……ここにいるんだから(撫でていた腹を見下ろし)」
「(手を握られたことにアイリスを一瞬丸くするもすぐに破顔し)俺も嬉しいよ。俺とお前との愛を育んだ種が実るなんて最高の気分だよ」
「フランク……!(ぱあっと分かりやすく表情が明るくなるとぶんぶんと頷き)フランクっ、俺、俺っ、君の子供っ、元気な子を産むからね!!」
「(アルフレッドの様子に笑みを零し)俺もお前にできる限り傍に居てサポートするから。こういうことに付き合うのは初めてだからおろおろしちゃいそうだけどね」
「俺もだよ!……というか、男が子供産むってのも前例聞いたことないし、俺もおろおろしちゃいそうだけど、ほら、あの胡散臭そうな主治医の人もサポートしてくれるって言ってたし……(先程の診察を思い出しながら)」
「…(改めて担当した主治医の顔を思い浮かべ)うん、とても…綺麗な顔した人だったけど深く介入したらいけない危険な香りはしたね。でも腕は確かみたいだから問題ないよ、うん(自分に言い聞かせるように頷き)」
「(きょとんと目を瞬かせ)……フランクが美人に言い寄らないのも珍しかったよね。前なら言い寄ってたと思うんだぞ(悪戯っ子のように笑いながら)」
「(心外だと言わんばかりの表情をわざと浮かべ)あのねー、俺だって見境なく誰それとアプローチしないよ。…それに今はそんなことする必要はなくなったからね(不意打ちのキスを鼻先に贈る)」
「っむ……(鼻先に熱が集まって赤くなり)……はは、自惚れちゃいそうだよ。いや、自惚れていいのかな。フランクの赤ちゃん、俺だけが産めるんだから(照れながらも愛しそうに腹を撫で)」

「…。あ(目を細め柔らかく微笑むがふと何かを思い出した様子で声を挙げ)フレド、このことってさ…一応報告した方がいいよね。特に…マシューとアーサーには」
「……そうだよ、ね。一応プロポーズ受けた話はふたりにはしてたけど、子供産みますってのは伝えないとだよね。……あとは父さんと母さんにもエアメール送らなきゃ(腹を撫でていた手で指折り数え)」
「肉親には報告必須だよね。…うーん。アーサー、アーサーかあああ(腕を組みながら唸り声をあげ)」
「マシューなら受け入れてくれるとは思うけど、やっぱり鬼門はアーサーだよね……あーー……どうしよ、マシューとアーサーどっちも呼んで、マシューにストッパーになってもらうかい?(唇をもごもごと噛みながら思案し)」
「…(唸りながら頭を横に傾けていたが決心した表情を浮かべると同時に顔を上げ)…この際アーサーやマシューを含めた気心知れた仲間を呼んで報告しようか」
「気心知れた仲間?……っていうと、菊とかかい?(こてんと首を傾げ)」
「菊ちゃんは勿論。俺やアルフレッドの友達も呼んで報告会って言う名のパーティーでも開くんだよ。そうすればほら、大人数だしアーサーも多少は冷静でいてくれるよ…きっと」
I seeなるほど.それならアーサーも下手なことしないと思うよ。流石フランク、君は相変わらず機転が利くね(ぱちんとウインクを送り)」
「あいつとの付き合いも長いからね。大体どうすれば丸く収まるかは熟知してるよ。…そして鋭すぎる蹴りの威力もね(遠い目)」
「……そういや、俺がパルクールとかで遊び始めてスタントに興味持ったのってアーサーが始まりだっけ(遠い目)」
「周りよりひょろいことを馬鹿にされないように色々身につけたらしいけど…あれはもう護身術のレベルを逸脱してる(真顔)」
「知ってるかい?本気で力業だけで殴りあったら俺の方が強いけど、技術駆使されるとアーサーに勝てないんだぞ、俺(真顔)」
「…っ(ぶるりと震える自分の体を抱き締め)な、何にせよあの丹念に磨かれた革靴からのローキックをお見舞いされないように全力を尽くさないとね。それにパーティーを開くなら料理にも手抜きはできないね」
「ご馳走……!(口の中に唾液が溢れてごくんと飲み込み)」
「(わかりやすい未来の伴侶の反応に苦笑いを浮かべながら)あー、でもパーティーするなら広い所がいいよね。俺の店は今月休み入れないし…うーん(スマートフォンを取り出し画面と睨めっこしながらアドレスをスクロールし)」
「……!(腕を組んで悩むように首を傾げるとなにかを思い付いてスマートフォンを取り出して何処かに電話を掛け)……うん、そう。で、あの広い練習場借りたいんだ。OK?Wow!Thanks!(通話部分を手で押さえ)フランシスっ、事務所の大練習場使っていいって!」
「(スマートフォンの画面から目を離しアルフレッドの方へ視線を向け)ほんと?確か大練習場ってあの広い所だよね。あれならテーブルとか調理器具置いても十分なスペースはあるね!あと、は…(メール画面を開くと素早くフリックし)これで送信っと。上手く行けばもっと美味しいご馳走作ってくれるシェフも来てくれるよ」
「うん!あそこはうちの事務所で一番大きい練習場だからパーティーするなら問題ない広さだし、フランシスが太鼓判押すなら凄いシェフが来るんだよね!(頬を紅潮させると通話中のスマートフォンになにかを話して通話を切り)……OK!日取りが決まったら教えてくれってさ!」
「Oui,事務所の人にもまた何かお礼の品を送らなきゃね…っと、早いな(スマートフォンのロックを開くと即座に返信し)」
「凄いシェフ来てくれるって?(大型犬が尻尾を振るようにフランシスの周辺をうろうろと彷徨く)」
「ああ、俺の友達がそのシェフの店に野菜を出荷してるからその伝でね。あとは日付だけど近いうちに呼んだ方がいいよね(アルフレッドの頭をぽふぽふと撫でながらスマートフォンのカレンダーのアプリを開き)」
「うんっ、……ほら、俺も君も名前は売れてる方だし、マスコミに嗅ぎ付けられる前に皆には俺たちの口から伝えたいし(頭を撫でられながら目を細め)」
「うんうん、俺もお前と同じ気持ちだよ。とりあえず招待するメンバーをリストアップして皆の都合の会う日を選ぼっか(髪を梳くような優しい手つきで撫で続け)」
「俺はマシューとアーサーと菊と……あ、あとはルーカスくらいかな。スタント仲間は事務所に話す時に伝えるつもりなんだぞ(気持ちよさからうっとりとした声で名を順繰りに挙げていき)」
「俺はスクール時代からの友人で今も付き合いのある2人と例のシェフ…あとそいつの兄弟とかも仲良いし話しておこうかな。…あ」
「……あ?(首を傾げ)」
「…アルフレッド、イヴァンって記者覚えてる?」
「……俺、入院中に突撃取材とかワケわかんないことしてきたからあいつ嫌い(真顔)」
「けれど彼のそういった情報への嗅覚は鋭いものがあるからね。それならいっそのこと、こっちから打ち明けてしまうのもアリかなーってね(肩を竦め)」
「……付き纏われるのを選ぶかさっさと言っちゃうのを選ぶか、かあ(今までに見せたことのない程に眉間にシワを寄せ)……あいつの飯のネタにされるのかあ、でもパパラッチよろしく付き纏われるくらいなら……ぁあ……(諦めたように息を吐き)呼ぼう、嫌だけど」
「まあまあ。俺からも何とか言うからさ。彼とはお前よりも交流はあるから話をすればきっと分かってくれるよ」
「うう……(ぐりぐりとフランシスの身体に頭を押し付け)き、君が言うから仕方なくマスコミを呼ぶんだからね!ただ、変なこと取材しようとしたら問答無用で叩き出すんだぞ!」
「(押し付けられている頭を優しく叩き)はは、そうならないように俺も全力を尽くすから安心しろって。それと(アルフレッドの両肩に手を置き)…フレド、あんまり無茶なことしてお前もお腹の中の子供にも悪影響出ないか心配だから大人しく、ね?」
「っ、(肩に手を置かれてひくりと驚いたように喉が鳴り)……うん、この子だけは、何があっても守り抜いて見せるよ……(そっと自身の腹を抱き締め)」
「その子だけじゃなくて俺はお前にも無理があって欲しくないんだから(壊れ物を扱うように優しく抱き締め)大丈夫。…守るよ」
「……うん、守って。……俺と、この子を。俺も君を、守るから(抱き締められてフランシスの背中にそっと両腕を回し)」
「(真下の旋毛にキスを落とし)…さ、家に帰ろっか。暫くは俺の家で泊まって体を休めな。…いずれ俺とお前とその子供と住む家になるんだから泊まるってのもおかしな話かな?(くすくすと笑い)」
「……?……っ!!(意味を理解してぼふんっと顔が真っ赤になり)つ、つつつ、つまり、あの、その……ど、同棲……?(頷きながらも目が潤んで輝き)」
「んー?(アルフレッドの耳元へ唇を寄せ)…そのつもりで言ったんだけど」
「……結婚、するんだもんね。……えっ、と……ふつつかもの?ですがよろしくオネガイシマス?(首筋まで真っ赤になりながらも平静を保つように上擦った声で囁き)」
「ぶはっ(片言な言葉に噴き出し)はは、はあ…こちらこそよろしくお願いします、ってね(抱き締める力を先程までよりも強める)」
「……へへ、うん。君の家が、俺の家……かあ(幸せそうに呟きながら腕の中で嬉しさを隠さず)」
「…(アルフレッドの頭毎抱き締め)守りたい、この笑顔(決意を込めた男の顔)」
「聞いたことあるフレーズだね(くすくすと笑い続け)」
「お兄さんの遺伝子に埋められたオタク属性が子供に授からないように少しばかり祈っておくよ…(苦笑いを浮かべながらぐりぐりと旋毛に頬を擦り寄せ)」
「っはは、俺もオタクだし難しそうだとは思うけどね(楽しそうに笑いながらフランシスの温もりを甘受し)」

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