クトゥルフしようぜ!

【いつものように平凡と会議は終わりを迎えた。毎回のように進まないのはご愛敬だろう。カナダはとんとんと資料を片付けると、いつものメンバーへと歩み寄った。
そこにいつもいるはずのイギリスがいないのはきっと、極東の島国との逢引だろう。くすくすと笑ってアメリカとフランスの間にちょこんと立つ。それでも少しの間気付かれないのは、慣れっこである】

加「(にこにこにこ)」
仏「なになにーカナダ。そんなにこにこしちゃって」
加「へへ、いつものことですけどみんなと一緒に入れるのは楽しいなあって」
米「こんなおっさんたちと一緒にいても楽しくないんだぞ、君眼科に行っておいでよ」
仏「ああん、もうカナダはいい子だねー。お兄さんなでなでしちゃうー(カナダの頭を撫でる)」
米「(ぎろりとフランスを睨むとカナダの手を握って引きよせ)スキンシップ過剰、カナダが嫌がるからやめた方がいいよ」
加「……?いや、別に嫌がってないよ?(きょとんと)」
仏「そうだよねーカナダ。ほら、アメリカー。カナダがそう言ってるんだからいいだろー?(にやにやしながら撫でる)」
米「……(悔しそうに手を離して)嫌なことされたら、真っ先に俺に言うんだぞ!」
加「はあ……うん、よくわからないけどフランスさんは大丈夫だよ?」
仏「お兄さんがカナダに嫌なことするわけないじゃん。おー怖い怖い。…って、ん?」

諾「フランス、ちょっどええが」
米「ヘイ、ノルウェー。元気かい?」
仏「おー、ノルウェーじゃん?今日も目が覚める美人さんだねー。どうしたの?お兄さんにデートのお誘いかな?(ウインク)」
諾「おー。(アメリカに手を挙げ)…次回世界会議がうちなんやけど、これについで話てえごどがあっでな(資料を出す)」
仏「お兄さんの小粋なジョークスルーしないでよ……ぐすん。あ、資料ね。はいはい」
加「ノルウェー君……!(フランスから勇気を分けてもらうように手を握ってからぎゅっと目を瞑る)」
諾「…っ(呼ばれたことにびくっと身体を震わせる)」
米「……俺、ちょっとシェイクがなくなったから買って来るよ!俺がいなくても問題ない話だよね?(言うが早いかくるりと回って走り去る)」
仏「…悪いノルウェー。お兄さんもちょっと飲み物買ってきていい?ついでに上司にこれのこと聞いてみるから(言い切る前に足早にその場を離れる)」
諾「……(場を離れる2人を睨む)」
加「あっ、ふ、ふたりとも……!?」

諾「…追いかけなぐでええのが(2人を見送りながらぼそりと)」
加「……うん、大丈夫。多分、僕に気を遣ってくれたんだと思うよ。ふふ、いつもああいう風に仲良しだと嬉しいんだけど(へにゃりと笑いながら)」
諾「……そうが」
加「うん、そう。……ノルウェー君、お話があります」
諾「……(視線をカナダに移す)」
加「……ノルウェー君。ごめんなさいっ!(勢いよく頭を下げ)」
諾「え…(思いもよらない言葉に目を見開く)」
加「あの時は、僕も頭に血が上っちゃって……その、あの、痛かった、よね……?」
諾「…別に。もう過ぎたこどだがら、気にすんな(視線をそっとそらす)」
加「ううん、でも、謝らないとって……だって、どんなに怒ったって手を上げるなんて、いいことじゃないから(目を伏せる)」

諾「……(自身の手首をギュッと握る)…なしてだ」
加「……え?(顔を上げて不思議そうに)」
諾「謝るのは俺の方でねえが。お前らさ苦しむこどさやっで、嘲笑って。なのに、なしてお前が謝る。(俯きながら手首をギュッと握る力を強める)」
加「うーん、それは(考え込むように顎に手を当て)……そうだけど。けれど、それと僕が殴ったことは別問題だから、かなあ。たとえノルウェー君が悪いことをしても、言葉で言えばよかった。……ごめんね(もう一度謝ると眉を下げ)」
諾「……(視線をゆっくりと上に上げていく)殴られだのは、当然のこどだ。だから、謝るこどさほんに一つも、ねえ」
加「うん、謝ったけどあの怒りはなかったことにしないよ。だって、僕はノルウェー君の友達だから。友達が間違った方に向かったら、手を引っ張るのが友達でしょう?(にこやかに微笑んで)」
諾「……(カナダの表情をじっと見つめるが、視線を逸らして)俺は、お前の友達さなる資格は、ねえ」
加「僕と友達、やっぱり嫌?(視線を逸らすことなくノルウェーを見つめ)」
諾「ちげえ。そうでねえんだ。ただ俺は…なんだ…(口下手であるため、言葉が詰まる)」
加「うん、大丈夫。ゆっくりでいいよ、僕はいつまでも待つからね(優しげに微笑むとじいっとノルウェーを覗き込む)」
諾「…(ゆっくりとカナダへ視線を戻し)俺は口下手で、優しくもねえし…あいつらみてえにおめの気持ちも汲めねえ、から」
加「優しくなくていいんだよ。それに、気持ちが汲めなくたっていい。誰にだって得手不得手があるから、ね?……それでも、まだ僕と友達にはなってくれない?」
諾「……(こくんと縦に首を振る)」
加「そっか……じゃあ、どうすれば僕はノルウェー君とお友達になれますか?(ぎゅっとノルウェーの手を握りしめて)」
諾「っ(手を握られ、びくっと震えながら)…俺、も、友達に、ほんどは、なり、てえ(喉に詰まったように言葉をなんとか出して)」
加「ん。じゃあ、問題ないよね?僕は、ノルウェー君とお友達になりたいです。……もう一回、僕と友達に、なってくれますか?(穏やかな声で)」
諾「……(少し頬を染めながら)……ああ。友達さ、なる」
加「はい、よく出来ました(嬉しそうに笑って)……じゃあ、お友達からのお願いです。自分のこと、大切にしてね?」
諾「たい、せつ?(分かっていない表情を浮かべる)」
加「そう、大切。……苦しくなる前に、きちんと誰かに相談すること。それと、……自分の気持ちに嘘を吐かないで、待ってくれている人のところへきちんと帰ること(くしゃりと微笑み)」
諾「……(思い当たるところがあるのか、無意識に視線を逸らす)」
加「ふふ、好意は大切にしてね。思いがいつまでも一定なんてことは、ないかもしれないから。後悔だけはしちゃ、駄目(言い聞かせるように)」
諾「……残念ながら、もう後悔ばしてしまったんだけど、な(ちろっと視線を向ける)」
加「……じゃあ、もう後悔しないようにしようね。僕も、もう後悔はしたくないよ?」
諾「そ、そうでなくでだな(キョロキョロと周りを見渡しながら)…とりあえず、そこさ座れ(備え付けのベンチに座ることを促す)」
加「うん(ベンチに腰掛けて)……僕もね、アメリカに付き従うかイギリスさんと一緒に進むか、それで後悔したことあるから。後悔って、苦しいからだめだよ?」
諾「(同じく隣に腰掛け)…そうだな、後悔ば俺もしたくねえ。したく、ねえんだが…はあ(頭を抱えながら大きなため息)」
加「後悔した?……じゃあ、もう後悔しないように歩くだけだよ。それでも後悔しちゃったなら、僕が話を聞いてあげるから」
諾「……(指の間から目を覗かせ)。…俺がぶっ倒れだ時、あんこ…デンマークが来たの、覚えてるが?」
加「うん、覚えてるよ。……覚えてる(怖かった思い出を振り切るように出来るだけ平静を装い)」
諾「…その後さ、何だかんだあってだな。その……(両手で顔を覆いながら)付き合うこどさなっだ」
加「!!わあっ、おめでとう!!!(まるで自分のことのように喜び)」
諾「……ただ、そごからが問題でな(ふうっと息を吐いて)」
加「え、なにかあったの?だめだったの?(おずおずと)」
諾「……激しい(ぼそり)」
加「………………?(意味が分からなかったようできょとんとしている)」
諾「あー、その、だな。……どうやらあんこの積年の想いが積もりに積もりすぎて、愛が、重てえって話だ(言ってて恥ずかしいのか途中から声がだんだん小さくなる)」
加「……イギリスさんパターン?(意味が分かったのかなるべく遠回しに)」
諾「……イギリスの場合ば、まどろっこいくらいに、壊れもん扱うごとくヤッてるみてえだが…あいつの場合は、ちげえ」
加「…………あー(ぼぼぼっと顔を朱色に染めて)、ぼ、僕にはまだ早い話だね……」
諾「…まあ、あれだ。あれは駄犬だ。噛み付くわ、引っ掻くわ、翌朝血塗れなってるこどさザラだ。(三角座りになり、膝に顎を置き)…おかげでなしてこいつにこうも好きさしでやらせってか考える毎日だべ」
加「ええっと…………のろけ?(合点が言った表情)」
諾「ちげえ……ちげえ……(首を横に振る)」
加「ふふ、でも幸せなのは嬉しいからいいんだよ!たくさんのろけてね(嬉しそうに微笑みながら)」
諾「だから、ちげえ…。体が傷だらけでいてえって愚痴だべ(はああとため息)」
加「?(愚痴には聞こえないよという表情で)……あっ、お祝いにメイプルシロップ贈るね!」
諾「……メイプルシロップは貰う(顔を上げて)」
加「ふふっ、僕の家で最高級のメイプルを用意するね!(うきうきとしている)」
諾「ん。おめの家のメイプルはうめえからな(ふっと微笑む)」
加「ありがとう!僕の家の宝物だよ!……うん、お友達にはやっぱり笑顔でいてもらいたいから(ふわりと微笑み)」
諾「…友達っで、言葉にすると、恥ずかしいもんだな(気恥しさからか視線をそらす)」
加「そうかな?……僕、嬉しいよ?(とろりとした笑顔を浮かべる)」
諾「間近でそうやっで言われると、なんや照れくさい。(膝に顔を埋めながら)……あんこには親友とか言われなれてんのにな」
加「……?(こてりと首を傾げている)」
諾「…いや、なんでもねえ。(視線だけカナダに向けながら)…そういやアメリカは大丈夫だったが?」
加「うん、大丈夫。……あのあとしっかりお説教したし、たくさんお話したし、分かってくれたと思うよ(ふわふわとした笑みで)」
諾「……ロシアには、何もされてねえが?」
加「ロシアさん?……なにもないよ?」
諾「……そうが。なら、ええんだが(複雑そうな笑みを浮かべる)」
加「なにかあったの?……ロシアさんも、普通だったと思うけど……」
諾「……(クロスピンを撫でながら)何もねえならええんだべ」
加「そ、そっか……ならいいよ。何事も平和が一番だもんね」
諾「だな。俺もごたごたはもう勘弁だ。(ふーっと長いため息)」
加「あはは、じゃあもう悪さしちゃだめだよ?(にこにこ)」
諾「……考えとく(視線を泳がせる)」
加「あっ、だめだよ!次は本当に怒るからね!(ぷくうと頬を膨らませ)」
諾「誘惑には、人間も国の化身も、負ける時さ……あんべ(遠い目)」
加「その誘惑に負けたら、皆を幸せに出来る夢にしてね?(妥協案を見つけたとでも言いたげに)」
諾「生憎俺は幸せとが考える方が苦手なんだけどな…」
加「むう……(唇を尖らせ)」
諾「悪戯は簡単に思いつくんだけどな(にやにやと笑って)」
加「その悪戯分を別に回してほしいよ……(呆れ笑いを浮かべ)」
諾「それはどうしようも出来ねえ相談だな」
加「ふふっ」

× 




ALICE+