ソードワールドしようぜ!
「リカ!!!(服が汚れることを気にせずリカを抱き起こす)」
「アーサーさん、無意味です。手を離しなさい、……もう死んでいる」
「(フードを深く被り舌打ちしながら)死ぬ間際に道連れかよ」
「……(何も言えず揺り起こされた記憶と現在の惨状がダブって硬直したまま)」
【リカが倒れた先、そこには未だ瞳を開いて天井を見つめるアンゼが横たわっている。広がる赤、滲む白い髪。ただそのコントラストはあまりにも美しく、残酷だ】
「(リカとアンゼの瞳を閉ざして)……せめて、せめて向こうでは、お母さんに愛してもらえますように」
「……あれだけ酷い目に遭わされて、それでも未だ双子の心配ですか……(くるりとアーサーに背を向けて扉の方へと歩いていく)」
「ルッツ……大丈夫、か?(心配そうに声をかけ)」
「にい、さ……俺、は……父さんと母さんの、記憶……を……(掠れた声でギルベルトの言葉に答えるが会話は成立していない)」
「……(ルートヴィッヒの後頭部に手を添え引き寄せ胸元に押し付け)……辛かったろ。苦しかったろ。……いい。好きなだけ吐き出せ」
「わか、らないんだ……俺、はどうすれば……父さん、母さん……っ!!(震える手でギルベルトに縋りつき)」
「……すまねえ。俺にはお前が求める答えはきっと出せない。けど、こうして傍に居てやっから。お前が俺を必要としてくれる限りは、ずっと(頭を優しく撫でながら)」
「(顔をギルベルトの肩口に埋めたまま何度も頷き)傍にいて……くれ……俺の、家族として……兄さんしか、いないんだから……っ!!」
「おう。嫌でも居てやる。俺はお前の兄貴だからな、当然だろ?(にししっと笑って)」
「にいさん……にいさん……っ!!(子供のような涙声)」
「そんなに呼ばなくても俺様はここに居るっての(背中をバシバシと叩きながら)」
「っ!(叩かれた痛みで我に返り)……す、済まない。取り乱した……」
「んだよ、もっと甘えたっていいのによ(名残惜しい様子で)」
「……い、いつだって甘えているだろう(恥ずかしそうに視線を逸らし)」
「そうかあ?もっとお兄ちゃーんって抱き着いてくれたっていいんだぜ!(えっへんとえばりながら)」
「俺が抱き着いたら、兄さんは折れないか?……大丈夫か?俺の方が大きいんだぞ?(不安そうに)」
「平気だっての!こんくらい余裕だぜ!だからドーンと来い!ドーンと!!」
「……に、にいさんっ!(思いっきり抱き着くがすぐ我に返り)……これは、恥ずかしいな」
「ぐふっ!?……ははっ!たまにはこういうのもいいよなあ!!(抱きつかれて少し息を詰めるも背中に腕を回し豪快に笑って)」
「たまに、な……これを毎回は恥ずかしすぎて死んでしまいそうだ……(ギルベルトの肩に顎を置き)」
「うんうん。恥ずかしがるルッツも可愛いなあ(嬉しそうに笑って)」
「兄さん、この年で可愛いは恥ずかしいから勘弁してくれ。……それと、その……ありがとう(ぽつりと呟き)」
「……ダメだ、やっぱ俺様のルッツ可愛い(愛げに抱きしめる力を強く込めて)」
「ぐっ!!(急に力強く抱擁されて潰れた声を上げ)……お、俺の兄さんとして俺を育ててくれて……ありがとう(恥ずかしいのか最後の方は消え入るように)」
「……(むふふっと笑って)えー、最後なんっつったー?」
「き、聞こえていただろう!耳元なんだから!!(抗議するが恥ずかしさが勝っている)」
「聞こえなかったもんは聞こえなかったんですぅー。ほらほら、もう1回!(逃がさないと言わんばかりに頭をぽふぽふと叩いて)」
「う、……あ、ありがとう!兄さんが俺の兄さんで良かった!!(捨て鉢に言い切ると恥ずかしさのあまり耳まで真っ赤になる)」
「……おう、俺もお前の兄で良かった(はにかみながらもルートヴィッヒの頭を抱えるように抱きしめ)」
「兄さん、……なんだか、恥ずかしいな(照れを誤魔化すように)」
「……なあ、今ルッツ照れてる?照れてる可愛い顔してんのか?(一旦距離を置いてルートヴィッヒの両頬に手を添えながらじーっと顔を見つめる)」
「う゛……(視線に耐え切れず泳がせ)……可愛くはないが、照れては、いる……」
「……可愛い(思わず真顔)」
「可愛くないと何度言えば……(少し気持ちに余裕が出来て溜息混じりにギルベルトの手首を掴むと降ろさせ)」
「いーんや可愛い!何度言っても足んねえ!可愛いったら可愛い!俺様の弟は可愛い!……だから、今回は心配したんだからな」
「心配?……あのガラスのことか?……あの時、兄さんの声がなかったら、俺はもっと取り乱していただろうな(苦笑しながら)」
「それもあるけど!餓鬼!双子の餓鬼だよ餓鬼!…お前が優しいのは知ってる、けどそれに付け込まれてるのが心配っつーかなんつーか……」
「……そうだな、今回は俺のミスだ。信じてはいけない相手を信じてしまった……兄さん、心配かけてごめん(素直に謝罪を紡ぎ)」
「……けど、あの弟のことはやっぱ同情したんだろ?」
「……(隠し事は出来ないと確信したように静かに頷く)」
「分からねえこともねえよ。……あの餓鬼どもはきっと、大人が、環境がちゃんとしてりゃ真っ当に生きてたかもしれねえしな。けど、現実はこれだ。……残酷な話だが、もう終わっちまったことだ。あんま感情移入すんなよ(肩をぽんぽんと叩き)」
「ああ……今はせめて、あのふたりが静かに眠れるように、祈るだけだ(切なそうな表情で微笑み)」
「……静かに、眠れるように……か(目を細めて双子を見つめる)」
「兄さん?(不思議そうにギルベルトを見つめる)」
「ああ、いや。……いつか、俺もちゃんと手を合わせに行かないとなと思ってな(フードを深くかぶりながら口元に笑みを作り)」
「??……あ、(はたと動きを止めて思案するように腕を組む)」
「?ルッツ?(不思議そうにルートヴィッヒを見上げ)」
「……あの見せられた記憶の通りならば……父さんと母さんの墓は、どこにあるんだろうかと思って」
「……冒険者って仕事してりゃあ、もしかしたらどこかでその場所にたどり着けるだろうよ。…そん時は一緒に手を合わせてやっから」
「そう、だな……その時までに、2人の名前も思い出さないといけないな……本当に、こんなにも大切なことを忘れていたとは(不器用な笑顔を浮かべ)」
「思い出せるさ。これからゆっくり思い出してやりゃあいい(頭をわしゃわしゃと撫でながら)」
「時間が掛かるだろうがまだきっと時間はある、目標は数年のうちに全部を思い出して兄さんと一緒に墓参りだな。……兄さんの両親も、だったか?(言っていいのかと少し言い淀み)」
「ああ、俺の両親はちゃんとした墓はねえんだよ。……けどま、思い出の場所ってのにはいつかは行かなきゃなんねえんだろうなあ」
「その時は、俺も連れて行ってくれるか?……ギルベルト兄さんの弟ですと、言いたいんだ(恥ずかしそうに微笑み)」
「……(目を見開き、嬉しそうに真紅の目を細め)ああ、勿論。俺様の大事な弟だって紹介してやる」
「大事な弟、か……なんだろう、くすぐったいな(頬を掻きながら)」
「俺様のルッツが可愛i」
「兄さん、さっきからそればかりだな(苦笑)」
*
「……キク?(キクの方を振り向き)」
「好きなだけ悼んでいてください。私は外にいます(そう言いながら扉を開け)」
「キクどうし……っ(追いかけようとするもがくりと体が崩れ落ち)」
「(閉めようとした扉の取っ手を握ったまま音に気付き)……こないで。来たら貴方を傷つけてしまう。ただでさえ、私は今蛮族の仲間なのですから」
「……っ(なんとか立ち上がり)情けない、な……はは、っつ!(喉元を押さえ)」
「……情けないでしょう?こうやって私は貴方を傷つける事しか出来な……(振り向くと目を見開き)」
「(喉元にゆっくりと両手を添えて)っ、……っう、は、はは。大丈夫、俺は大丈夫、だか、ら」
「(手を伸ばすが異常に伸びた蛮族のような指や爪を視界に入れてぎゅっと握りしめ)……人はそれを、大丈夫とは言いません。それは、強がりだ」
「強がり、か……それでもいい、よ。そうしてないと、俺は立ってられない。ずっと、何もせず、動かないより、嘆くよりまだ、マシだ(にっこりとなんとか笑みを浮かべ)」
「ッ!!笑わないでいい!罵ればいい!!こんなにも酷いことしか言えない醜い蛮族なんてと!言葉の限り怒ればいい!!なんで!……なんで、わらうんですか……(今にも泣きそうな表情)」
「馬鹿、だなキクは(ふらつく足でなんとかキクに歩み寄りそっと頭を撫で)……好きな奴の前でかっこつけたいって言ったら、キクも、笑ってくれるか?」
「!!(びくりと身を竦ませ)……かっこなんて、つけなくていい……いいです……(指をぎゅっと手の中に握り込み)」
「いいんだよ、俺がしたいんだ。……年下にも意地があるんだから、な(ふふふと笑いながら壁にもたれるように座り込み)」
「……(羽織を脱ぐとアーサーに掛け)あんな血塗れのもの、触るからそうなるんです(不機嫌そうな様子を隠さず)」
「……キク、怒ってるのか?(羽織に口元を埋めて上目遣いで見上げながら)」
「……怒ってません(異貌を押さえるようにふらふらと揺れ、耐え切れず壁に腕を付き)」
「キク、ここ(自分の隣を指差し)」
「(ふるふると首を振り)……この姿では、貴方を、傷付けてしまうから……」
「……(ジト目で見つめながらキクの方に四つん這いで近寄り腕を引き)いいから、ここ!」
「ひ、ぁッ!?(ぐらりとバランスを崩して倒れるが爪でアーサーを傷つけないようにと拳を握りしめ)」
「あのなあ!キクは俺を傷つけようという気持ちはないんだろ?だったら大丈夫だよ。……それに俺はそんなにやわじゃないぞ(えっへんとえばるように)」
「それでも……っ、貴方にひとつでも傷なんて……っ!(顔をあげると片方のコンタクトが落ちたのか紅い色が顕になる)」
「(じっとキクの真紅の目を見つめ)俺は例えキクに傷つけられても嫌わないぞ。……それともなんだ?そんな理由で俺から離れようとしてたのか。あーあ、俺はそんなに貧弱で弱い男に見えるのか、悲しいな」
「違いますっ!違う……っ、だって、この姿は蛮族と変わりないんです……ヒトなんて、簡単に壊せてしまうかもしれないのに……っ!(そこまで言うと視線に気付き)……あ、の……目に何か、ついていますか?」
「ん?コンタクトが外れてるだけだが(ぱちぱちと瞬きして不思議そうに見つめ)」
「!?(慌てて片目に指を突っ込み)な、ない!?」
「……。あのさ、キクいっそのことコンタクト外したらどうだ?」
「外す……?で、でも……この色は……炎の、色で……(怖気づいて表情を強張らせ)」
「キクが嫌ならそれでいいけどさ。けれど俺はキクのその綺麗な目が好きなんだけどな(左手の薬指にはめた指輪の石にキスを落として)」
「……(いつの間にかヒトに戻った指でアーサーの袖を握りしめ)……鏡を、見れないんです……」
「……(掴んでいるキクの指を掴まれていない手を上から添えて)」
「怖いんです……鏡の中の自分が、紅い瞳で見返すと……あの炎が目の前で燃えているようで……こんなことを、言ったって馬鹿げているのに(苦しそうに震えた声で呟き)」
「……酷なことを言ったな。すまない、忘れてくれ(ぎゅっとキクの手を握りながら)」
「……!(何かを思いついたように目を伏せ)なら、責任を取ってください」
「……(不思議そうにキクを見つめ)責、任?」
「私が、この瞳を怖がらなくていいように……訓練に、付き合って?(決意を秘めた眼差しでアーサーを見つめ返し)」
「……(決意を固めたキクの表情に小さく笑みを浮かべ)俺で良ければ、いつでも付き合ってやる」
「(詰めていた息を小さく吐き出し)……貴方には、いつも迷惑ばかりかけてしまって済みません。なんて情けない大人なのでしょう(緊張の糸が切れたようにアーサーに寄り掛かり)」
「ふふ、俺はキクに頼られたり色んな所が見えて嬉しいけどな(柔らかく微笑み)」
「そうですか……それはそれで複雑ですが……アーサーさんだって、私を頼ってくれていいんですからね。悲しかったら、怖かったら、泣きたければ、私の腕の中で泣いてください(左右で色の違うちぐはぐな瞳でアーサーを見つめ)」
「ありがとう。その時は寄りかからせてもらうよ……っと、どうした?(誰かに声をかけられたのか目を瞑って返答する)」
「……(その様子をじっと見つめ)」
「……(静かに目を開き)えっと、あいつがキクに話したいって言ってるんだが……」
「……どうせお小言でしょう、いいですよ。どうせ言い返す気力も残っていませんし、話くらいは聞きます(深く溜息を吐き)」
「(喉元の魔法陣が淡く滲み)思い当たることがあるならそれを悔い改めないとは情けない奴だな(人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべ)」
「(興味なさそうに天井を仰ぎ)……言いたいことは、それで終わりですか?」
「……あいつは全ての記憶をさっきのデジャヴで取り戻した(目を細めてキクを見つめ)」
「(天井を見つめたまま目を閉じ)……そう、ですか。苦しいことまですべて……思い出してしまったのですね」
「まあ、あいつはどこかのチビみてえにくよくよとは悩んでうじうじとしてる軟弱者ではねえからそこら辺は気にしてねえけどな。……問題は実験でのランスロットの目的やらも覚えてるという事だ」
「何とでも言いなさい。どうせ私は弱い心を無理に強がらせているだけの子供ですから……それに、アーサーさんは誰にも渡さない。……私の命に代えても」
「……首輪でも何でもつけとけ。でないといつかこいつは独りで決着つけようとするぞ(愛げに喉元を撫でながら)」
「首輪、ですか……そうですね。では私の首にアルフレッド特製の時限爆弾でも付けてもらいましょうか。そうすれば、あの人は否が応でも独りになれない(明日の天気でも伝えるかのように)」
「死ぬなら独りで野垂れ死んでくれ。巻き込まれるこっちの身にもなれ。迷惑だ(魔法陣を撫でながら微睡みに吸い込まれるように目を細め)……限界、か」
「……餓……アーサー。あの人が暴走するなら、内側から止めなさい。最悪は、少し傷付いたっていい」
「ふん、てめえに指図されなくともやってやる……それにあいつは俺に負い目を抱いて幾分甘いから、な……自分のせいで俺は俺の人生を歩めなかったから、だとよ、……笑える」
「……矢張り、私は貴様とは相成れない。嫌いだ。……私よりも、アーサーさんを近くで感じて、愛せる貴様が、嫌いだ。さっさと帰れ(視線を合わせることなく)」
「ふ、その顔……いい気味だ、ざまあ見……(がくりと体が大きく揺れてキクに寄りかかる)」
「……嫌いだ、貴様なんて……アーサーさん……(寄り掛かった体を抱きしめて苦しそうに呟く)」
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